このページについて
自作ウィッグの制作方法を取り扱う。
既製品ウィッグや、その他基本的な内容に関してはウィッグページへ。
ページ内目次
ウィッグの作成(ウィッグ自作)
既製品でどうしても気に入らない場合に、自身でウィッグを制作する場合がある。
- 植毛用のドール向け髪の毛(ウェフティング)を使い、ウィッグキャップに縫いつける方法
- 起毛タイプの生地(布)を使用し、ウィッグや髪として形成する方法
大まかに上記2通りの方法が存在する。
前記を「縫いつけタイプ」、後記を「形成タイプ」と仮名をつけ各々について説明する。
縫いつけタイプ(ウェフティング+ウィッグキャップ)
ウィッグキャップにウェフティングなどを縫いつける方法を説明する。
特徴
この作成方法の場合、よりデフォルトウィッグに良く使われているウィッグ素材に近いものが出来る。
また、様々な色のウエフティングが制作・販売されている為、多彩な色のウィッグを作れるのが利点かもしれない。
難点としては、時間とコストがかかる点。
ウィッグキャップに円を描くように縫いつける為、どうしても時間がかかってしまう。
現在ではドール人気により既製品ウィッグにも様々なものが出回っている為
既製品を買う方が楽な場合が多い。
特に、この作成方法の場合は形成段階での細かい作業でウィッグの善し悪しが決まる場合もある。
(特殊な髪型の場合は特に言えるだろう)
必要な道具など
- ウエフティング(ウェフティング)
ウィッグの元。人間用のエクステを横に長くした様な感じ。 ウエフティングにも色々な種類があるが、モヘアやトヨカロン辺りが有名かも。 プーリップの場合だと毛の量や種類にもよるが数m必要になる。
- ウィッグキャップ
キャップ型のウィッグの下地になるもの。 布や伸縮性の素材で作られたヘッドにぴったりするキャップ。 ちなみにデフォルトウィッグは布地で、SDなどの既製品はネットが使われている。 ウエフティングを取り扱っているショップなどで既製品も売っているが、 ドールより型を作り自作する事も可能。 基本的にはウエフティングの色に近い色のキャップを使用した方が 出来上がった後ウィッグ下地(ウィッグキャップ)が見えた時に違和感を感じない。
- 糸と針
ウエフティングをウィッグキャップに縫いつける際に必要。 ウィッグキャップと同じく、よりウエフティングに近い色の糸を使った方がよい。
作成方法
もの凄く簡易的に説明すると
ウィッグキャップを作る(若しくは既製品を購入する)
↓
ウィッグキャップにウエフティングを縫いつける
↓
場合によりカットや成形をする
↓
完成
といった流れになる。
また、どういった髪型にしたいかによって縫いつけ方が多少変化する。
例えば、一番簡単な縫いつけ方(円を描くように縫いつける方法)だと
前髪成形が難しいため、二つ分けの髪型になってしまう。
姫カットの様な前髪が欲しい場合は、前髪部分を別に縫いつける必要があるかもしれない。
(単にぐるぐる円を描くように縫いつけるのではなく、前髪部分を最初に決めておき
前髪と、その他の髪として別々に縫いつけた方が綺麗に仕上がる。)
注意点
- 毛量に注意
縫い幅によって、毛の量に差が出る。 例えば、モヘアを使う場合は材質の関係で膨張しやすいので トヨカロンを使う際より多少縫い幅を開けた方が良い場合がある。 どういうウィッグ制作を目指しているかによってその辺は自身で調整する必要がある。
- つむじに注意
- 前髪に注意
形成タイプ(ボア形成)
特徴
ボアという起毛タイプの生地を使用して制作する方法。
(ボア=よくコートなどに付いているふわふわした人工毛のこと)
ウィッグキャップなどを必要としないため、縫いつけタイプ方法よりかは簡単かつ安価でできるのが利点。
また、ボアは簡単に形を維持できる為、1つのウィッグで色々な表情が表現できるのも利点。
(流し髪にしたり、ボンバー髪にしたりなど)
アレンジとして「猫耳風」などといった可愛い感じのウィッグを制作できる点も良いかもしれない。
ボア形成の欠点は、あくまで起毛タイプの布を使う為「ロングストレート」などといった
毛の長さが必要な髪型は作りにくいのが難点。
(ショートやボブ、セミロングタイプの髪型がメインとなる。)
工夫と頑張り次第でポーニーテールやツインテールを作れなくもない。
必要な道具など
- ボア
ウィッグの元。 ボアでも色々な種類があるが、毛量が多く起毛の長さがそれなりにあるタイプのものがよく使われる。 (どういったものを作るか、にもよるが、少なくともボアの起毛の長さは4cm以上あった方がよい) 「プードルボア」や「アクリルボア」といったボアが主流。 製品名としては、ボアの他にファーという単語も使われることがあるので 起毛タイプの「フェイクファー」などでも使用可能。 夏などのシーズンオフ時期には余り扱っていない為、入手しづらい難点がある。 また、赤などの派手な色は意外と取り扱っていないことも。
- 針と糸
ボア生地を縫いつける際に必要。 より使用するボア生地に近い色の糸を使う方がよい。
制作方法
もの凄く簡単に説明すると、
ヘッドの型を取る
↓
生地を型に切る
↓
縫いつけ
↓
微調整(カットや成形など)
といった流れになる。
縫いつけタイプのウィッグを制作した事がある場合、
ウィッグキャップを作る要領で作ると簡単かもしれない。
ボア生地自体は元々の用途が違う為、ウィッグを形成する前に毛の向きを整えておくなどの
下準備をした方が綺麗に仕上がる。
どういったウィッグを制作するかにもよるが、ボンバーに近いボサっとした髪型であれば
特に下準備をせずに制作した方が「らしく」なるが
サラッとした感じに仕上げたい場合は、下準備をある程度する必要が出てくるかもしれない。
安価かつ比較的作りやすい方法ではあるが、その点注意をした方がいいかも。
注意点
- 購入での注意
先にも明記したが、やはり夏場はどうしても手に入りにくい季節物の生地となる。
なので、夏場に制作する際は注意が必要。
また季節物という関係か、安価な生地に比べて少々値が張る。
(大体だが、1m×1.6m程度で1000円~)
生地屋にもよるが、大抵は1巻(1反・丸くロール状に巻かれているもの)で置いてある場合
その生地屋での最低購入サイズ×約1~1.8m(1巻の幅分)を購入する必要がある。
(これは生地屋さんによる。最小単位が10cm~OKという所もあれば、1m~の所もある。)
ドールに使う程度ならそれほど必要がないので(ショートなら30×30cmもあれば十分)
1つしかウィッグを作るつもりがなくても、少々多く購入する必要があることも。
- 制作での注意
ボア生地をカットする際、出来る限り起毛部分を残す必要があるので
考えてカットする必要がでてくる。
また、ボアウィッグの場合、ミシンより手縫いでの制作をお勧めする。
ミシンだと起毛部分が内に入ってしまったり、立体的な制作物となるので
丁寧に手で縫った方が細かい所に気をつけやすい。