クロウルシ・アカリ

Last-modified: 2021-03-16 (火) 23:29:06

「はて? この開かぬ目でなければ、年寄りの耳と肌が一部始終を観たなどと仰いますか?」

英名

プロフィール
シンボル『闇に燈る蝋燭』 [添付]
種族
武器アザマル?
性別
年齢50歳代?
外見
服の色
アクセサリーサングラス
肌の色黄色
身長180cm台
髪の色白髪混じりの黒
瞳の色白濁
モチーフ能『景清』より、藤原景清
センブランス心眼
ステータス
所属ゴールドシュタイン社
元所属ヴェイル陸軍
職業ボディガード(ゴールドシュタイン社CEO直接雇用、保安セクションチーフオフィサー)
チーム[[]]
-キャラ名?
-キャラ名?
-キャラ名?
パートナー
関連人物シャール・フォン・ゴールドシュタイン
-ミハエル・フォン・ゴールドシュタイン
-イェロ・トゥラケス
作者:魚頭圭

外見

[添付]
背すじを自然に伸ばした初老の男。
やや長髪の胡麻塩頭、後頭部で髪を縛るが尻尾は短い。
存在感が希薄。
スリーピースのダークスーツ。
丸いレンズのサングラスの下は瞑目。
盲人。
先案内の杖に家伝の太刀を仕込む(杖としては大振り)。

人物

人種的ルーツは『遠い国』であるが、ヴェイルに根付いた軍人の一族、クロウルシ家の嫡男として生まれた。
ヴェイル陸軍士官学校卒後に少尉任官してから十余年、現場の歩兵科士官として勤務。
現在より20年前、階級大尉の時。グリムと人類の大規模戦役に出征するも、参謀部の立てたいい加減な作戦が原因で所属連隊が壊滅。
作戦失敗の口封じに、再教育部隊――と言う名の最前線拘置の全滅前提部隊、グラディアトル大隊に配属される。
大隊隷下のトゥラケス中隊を中隊長として指揮。地獄の最前線を仲間たちと戦い抜く。

戦役の末期、撤退戦のさなかにアカリは負傷して視力を失い、仲間たちとはぐれた。
グリムが徘徊する廃墟の底でセンブランス《心眼》に覚醒。窮地を脱しヴェイルに帰還する。
だが、グラディアトル大隊は、参謀部一部勢力によって反乱軍と認定され、仲間は全員処刑されていた。
全滅前提部隊などは、参謀部一部勢力の不正の証拠に他ならず、アカリも戦死ではなく処刑されたことになっていた。
軍人の名誉の剥奪など、アカリには耐えがたい侮辱であった。
大隊の仲間たちの潔白を証明するために地下に潜り、工作を開始。軍の情報部や特殊部隊と単身で繰り広げる果てしない死闘が、ゴールドシュタイン社CEO、シャール・フォン・ゴールドシュタインの目に留まり、篤志の保護を受ける。
恩義を感じるアカリにシャールが依頼したのは、嫡子ミハエルの教育だった。

現在、アカリはゴールドシュタイン社に身を置き、シャールの身辺を警護する保安セクションの要職にある。
かつてあれほど心が急き立てられた、仲間たちの名誉の回復のための戦いは中断され、戦う術を伝授したミハエルとも距離を置いた。
その理由は、幼い日のミハエルに垣間見た光。
アカリの心眼は、ミハエルの魂が持つ無尽の光を捉えていた。世界を大きく変化させうる力を。
無関係ではいられないが、仕えるには眩しすぎ、背くには忍びない。
困惑するアカリは、差し伸べられたシャールの手を取る。
固く握りしめた矜持と心に定めた運命を惑わす、光の処し方を探して……。

アカリには確信がある。全てはシャールが張り巡らせた罠であったことを。
ミハエルから離れられず近づけない自分が、ミハエルと関わることの出来る最後の場所は、ミハエルからシャールを守る場所に他ならない。
ミハエルを教育する依頼とは、この場所にアカリを置くための壮大な伏線であったことを。

かくして、アカリはシャールを守る。
その最大の仮想敵は、シャールの嫡子、ミハエル・フォン・ゴールドシュタインその人である。

性格

視力のない目で、まるで見えているかのような洞察力を現す反面、何事も韜晦。自分の心を隠す。
狐狸のように正体が掴めない一方で、心に決めた硬い意思を捨てきれない所がある。
趣味は沢釣り。道具は竹竿。

能力

『遠い国』をルーツに持つ家伝の武術を幼少時より修める。
それは、剣術、槍術、弓術、馬術、柔術、水泳術など多岐にわたる戦闘法の総合教養で、厳格に形式を守って古来より伝承されてきた。
しかし、軍人としてそれらを実践するなかで、青年期を過ぎた頃からアカリの戦い方から定型が薄れ、独自の活用を現すようになる。
齢を重ねる度に動きに正体がなくなり、常に自然体で攻防を応酬し生命をやり取りするようになった。
視力を失ってからはその流れは一層強くなり、そこにいるのに誰も気付かない、風や水などの自然物のように希薄な存在感を得た。
草木のように立ち、流水のように歩み、突風のように斬る。
武術の精髄に手を触れてから、その存在と所作は自然現象のように嘘がない。
現在は要人警護に適した仕込み杖の居合を主にするが、太刀の刀身は用途に応じて外装変更するヴァリアントシステムのコアパーツであり、太刀を収める外装次第で戦闘領域を自由に拡張できる。
現在の仕込み杖拵えの外装は弓矢にも変形し、遠距離戦も射程に収める。

視力がないのに居合は必殺、弓矢は必中である理由とは、センブランス《心眼》によるもの。
《心眼》とは、常時発動する情報収集型のオーラ特性。
聴覚や触覚や嗅覚から収集した情報を統合して処理し、視覚情報に変換して外界を目で見るように察知するばかりか、生体エネルギーであるオーラをも察知し疑似視覚情報を補完。
また、オーラを持たず殺意のみをばら撒くグリムに対しても、その害意を全身の感覚で察知して存在を把握する。
《心眼》とは、もう二度と開かない目以外のあらゆるものを使って世界を観察、理解する能力と言えるだろう。
アカリは、眼球が捉える光波情報以外の全ての情報を『観る』ことが出来るのである。

また、現場叩き上げの陸軍士官の過去は、高度な集団作戦行動を可能とするが、本人は自身について天下国家の大軍を指揮する将の器は持たないと考えている。
グラディアトル大隊を守るために我が身を犠牲にしても、結局大隊は抹消され、隊の生存という大目標を達しえなかった自分という士官などは、生存戦略を成功させ続けなければならない将器にはあらずと。
せめて中隊規模、200人程度なら経験が応用できる……と、現在の保安セクション責任者の要職を引き受けたが、自身の能力の限界を見切ると同時に、集団を率いることに喜びを感じてもいる。
部隊とは隊長の身体の延長線上にあり、隊長個人の手足だけでは及ばない領域を征服する手段である、またそうして作戦を何度も成功に導いたことを身をもって知っている。
韜晦した涼しい初老の表情の下では、諦観と欲目がせめぎ合っている。ふとした拍子にアグレッシヴな、炎のように苛烈な戦闘指揮が垣間見えることもあるだろう。