RS2(漫画版)
【漫画版ロマンシング サ・ガ 2】の第2巻における【ヘクター】の息子【オライオン】の台詞。
【バレンヌ帝国】歴1024年、長年にわたる賢帝【ジェラール】の治世の下、帝国の首都【アバロン】は、かつての黄金時代を凌駕するほどの平和と圧倒的な繁栄を享受している状況である。
城壁の内側は活気にあふれ、市民の営みが都市の成熟を静かに物語っている。
そのアバロンの城下町の一角、土煙が舞う特設の野試合場では、熱狂的な群衆によるけたたましい歓声が渦を巻いていた。
大柄で荒々しい風貌のゴロツキが、鋭い威嚇の声を上げながら、まだ年若いオライオンに突進する。
ゴロツキは、若者に対する侮りから挑発的な言葉を吐き捨て、その巨体を先行させながら重い一撃を繰り出そうとした。
対するオライオンは、迫りくる暴力に対し、微かに舌打ちをすることで内心の苛立ちを示した。
ゴロツキが勝利を確信したその瞬間、オライオンは剣術で相手の攻撃を紙一重で躱す。
そして、体勢を崩した敵のわずかな隙を見逃すことなく、オライオンの剣がゴロツキの顎へと深く突き刺さるカウンター攻撃を正確に叩き込んだ。
致命的な一撃を受けたゴロツキは、苦悶の声を上げる間もなく、その場で意識を失い倒れ伏した。
それを見届けた観衆の一人の青年が、興奮冷めやらぬ声で場内に向かって高らかに叫び上げた。
城下町の住民たちは、若き強者の連勝に歓喜し、熱狂的な喝采を惜しみなく送り続けた。
その熱狂の輪から少し離れた場所に、オライオンの父であるヘクターが静かに佇んでいた。
彼は試合の結末を無言で見つめ、複雑な感情を瞳の奥に宿していた。
ヘクターは息子に向かって突き放すような言葉を投げかける。
さらに皮肉めいた挑発を浴びせた。
父の言葉にオライオンの怒りは頂点に達し、彼はヘクターを「くそおやじ!」と罵倒する。
そして、親子の絆を超えた激しい決意を父へと叩きつけた。
ヘクターは息子の反抗心を楽しんでいるかのように、豪快な笑い声を上げるだけだった。
オライオンは、自分の意思を無視して勝手に野試合の賭けの対象とされたことに対する抑えきれない不満と怒りを爆発させた。
その緊迫した親子のやり取りを好機と見た新たな挑戦者、ゴロツキ2が現れ、油断のない素早い動きでオライオンへと攻撃を仕掛けてきた。
オライオンは、怒りを抑え込みつつ、冷静な判断でゴロツキ2の攻撃を間一髪で回避した。
新たな挑戦者であるゴロツキ2は、親子の異常な関係に呆れながらも呟く。
しかし、その言葉の裏には強い野心が隠されていた。
オライオンを自らの名を上げるための踏み台とすることを明確に宣言した。
ゴロツキ2の野心的な言葉を聞いたオライオンの闘志はさらに燃え盛る。
彼は一歩も引くことなく、揺るぎない覚悟と強い闘志を相手へと見せつけるのだった。