バンクーバーオリンピック 男子1000m予選

Last-modified: 2017-09-29 (金) 19:23:21

バンクーバーオリンピック>男子1000m>予選 - 準々決勝 - 準決勝 - 決勝


4名中上位2名が準々決勝に進出する。
Q=準々決勝進出 q=3位だがタイム上位により準々決勝進出 ADV=救済措置により準々決勝進出
DSQ=失格 OR=オリンピックレコード WR=ワールドレコード

 

Heat1

<スタートリスト>

選手名(英語表記)選手名(日本語)年齢国名世界ランク1500mその他の情報
1Ma Yunfeng馬 雲峰26中国--
2Charles Hamelinチャールズ・ハメリン25カナダ3位7位
3Sjinkie Knegtシンキー・クネフト20オランダ21位14位
4Jon Eleyジョン・イーリー25イギリス26位-トリノ17位

地元期待のカナダ勢のエース・もじゃもじゃ髭のハメリンが登場。
1500mは準決勝で鬼畜な組に入り、決勝を逃すという不本意な結果に終わっただけに、この距離で雪辱なるか。
2位争いはかなり混戦が予想される。

 

<レース展開>
ハメリンが早くから前を取る。カナダ勢は格下相手でも、最初から積極的に行く選手が多いかな。
2番手は残り1周までイギリスのイーリーが粘っていたが、最後の向正面でオランダのクネフトが捉える。

 

<結果>

1着Charles Hamelinチャールズ・ハメリンカナダ1.25.256Q
2着Sjinkie Knegtシンキー・クネフトオランダ1.25.449Q
3着Jon Eleyジョン・イーリーイギリス1.25.588
4着Ma Yunfeng馬 雲峰中国1.25.814

ここはやはり格が違うハメリンが1位通過。
オランダの若手・クネフトは、今までの国際大会ではあまり目立った成績はないものの
今大会の1500mでなかなかの滑りを見せていた。そして1500に続きここでも予選通過をしてきた。

 

トリノの頃からのイギリスのエース・イーリーは敗退。得意の500mで巻き返しを狙う。
強豪国・中国の馬雲峰はあまり国際大会で名前を聞かない選手だが、代表になるからには強さを持っていると
思われたものの、奮わなかった。だがこの後500mにも出場する。

 

Heat2

<スタートリスト>

選手名(英語表記)選手名(日本語)年齢国名世界ランク1500mその他の情報
1Francois Hamelinフランソワ・ハメリン23カナダ4位-
2Viktor Knochヴィクトル・ノヒ20ハンガリー28位30位
3Tyson Heungタイソン・ヒュンク30ドイツ19位23位
4Aidar Bekzhanovアイダル・ベクジャノフ16カザフスタン59位-

カナダのエース、チャールズ・ハメリンには弟がいる。
この種目世界ランク4位につけるフランソワ・ハメリンだ。兄とは違い髭はほとんどない(笑)
今大会の個人種目はこの種目のみの出場だが、メダルも狙える選手だ。

 

この組もまた2位争いは混戦となりそうだ。

 

<結果>

1着Francois Hamelinフランソワ・ハメリンカナダ1.25.714Q
2着Tyson Heungタイソン・ヒュンクドイツ1.25.938Q
3着Viktor Knochヴィクトル・ノヒハンガリー1.26.279
4着Aidar Bekzhanovアイダル・ベクジャノフカザフスタン1.26.536

順当にハメリン弟が1着。2着はベテランのヒュンクが入った。これも順当と言えるだろう。

Heat3

<スタートリスト>

選手名(英語表記)選手名(日本語)年齢国名世界ランク1500mその他の情報
1Blake Skjellerupブレーク・スケラーアップ24NZ30位28位
2Maxime Chataignierマキシム・シャタニエ21フランス45位34位欧州選手権6位
3Sung Si-Bakソン・シバク22韓国5位5位
4Nicola Rodigariニコラ・ロディガリ28イタリア17位8位トリノ7位,欧州選手権1位

ここは1500mで入賞を果たした選手が2人おり、その2人が抜けているか。
特に韓国のソン・シバクは、ゴール前で転倒したが実質はメダル獲得だっただけに、この種目こそはと期待がかかる。

 

<レース展開>
一番外からのスタートとなったロディガリだが、少々無理をしてでも前へ行き
早めに先頭ソン・シバクの後ろの2番手に付ける。3番手にシュタイナーが付け、前を追う。
残り半周でわずかな隙を見せたロディガリをインからシュタイナーが交わそうとするも
交わし切れず接触、2人して転倒する。

 

<結果>

1着Sung Si-Bakソン・シバク韓国1.24.245(OR)Q
2着Blake Skjellerupブレーク・スケラーアップニュージーランド1.27.875Q
3着Nicola Rodigariニコラ・ロディガリイタリア1.41.117A
Maxime Chataignierマキシム・シャタニエフランスDSQ

1000mは1500mと比べるとペースが上がるのも早く、
中盤以降で前の選手を抜くには、それなりの力の差が必要だ。
それを見越して無理をしてでも前を取ったロディガリにここは軍配が上がった(救済措置)

 

また、前のペースについていけず、大きく遅れていたスケラーアップが
思わぬ形でラッキーの2位通過。まあこういうラッキーを3回続けて金メダル取った奇跡の人が8年前にいたわけだが
このように1回起こるぐらいなら奇跡と言うほどではなく、ショートトラックでは比較的よくあること。

 

Heat4

<スタートリスト>

選手名(英語表記)選手名(日本語)年齢国名世界ランク1500mその他の情報
1Tom Ivesonトム・アイブソン26イギリス40位-
2Han Jialiang韓 佳良22中国13位-
3Travis Jaynerトラビス・ジェイナー27アメリカ10位-
4Nicolas Beanニコラス・ビーン22イタリア39位26位

ここはメダルの有力候補は不在だが、世界ランク上位が2人いて有力か。

 

<レース展開>
途中経過不明、中国の韓佳良が先頭、アメリカのジェイナーが2番手で最後のコーナーへ。
ここでジェイナーがなんとバランスを崩してしまい、3番手のイタリアのビーンが土壇場で2番手へ上がってゴール。

 

<結果>

1着Han Jialiang韓 佳良中国1.26.479Q
2着Nicolas Beanニコラス・ビーンイタリア1.26.781Q
3着Travis Jaynerトラビス・ジェイナーアメリカ1.26.870
4着Tom Ivesonトム・アイブソンイギリス1.27.841

ジェイナーはあまりにも勿体ない予選敗退。ランク10位がここで消える。
中国の韓はさすが500m世界ランク5位の強豪。ここを1位通過したことで準々決勝の組み合わせは期待できるかも。
イタリアのビーンは1500mではゴール前交わされて予選突破を逃したが、1000mでは全く逆の立場に。

 

Heat5

<スタートリスト>

選手名(英語表記)選手名(日本語)年齢国名世界ランク1500mその他の情報
1Semion Elistratovセメン・エリストラトフ19ロシア35位24位
2Asen Pandovアセン・パンドフ25ブルガリア43位-
3Thibaut Fauconnetチボー・フォーコネ24フランス8位-欧州選手権2位
4Yuri Confortolaユーリ・コンフォルトラ23イタリア14位13位欧州選手権4位

ヨーロッパ選手のみで構成された組。ここは国で見ても選手自身の実績で見ても
フォーコネとコンフォルトラの2人が抜けているか。

 

<結果>

1着Yuri Confortolaユーリ・コンフォルトライタリア1.27.073Q
2着Thibaut Fauconnetチボー・フォーコネフランス1.27.080Q
3着Semion Elistratovセメン・エリストラトフロシア1.27.254
4着Asen Pandovアセン・パンドフブルガリア1.28.580

やはり実績通りにこの2人が通過。1位争いはかなり接戦だったようだ。
ここで1位になることで、次の準々決勝の組み合わせが有利になる可能性が高まる。

(次の準々決勝も一組4人だが、その4人は「予選1位通過2名」+「予選2位通過2名」で構成される。
つまり、自分が予選1位通過をしておけば、準々決勝の相手に予選1位通過者は一人しかいなくなるというわけだ。)

 

Heat6

<スタートリスト>

選手名(英語表記)選手名(日本語)年齢国名世界ランク1500mその他の情報
1Apolo Anton Ohnoアポロ・アントン・オーノ27アメリカ2位銀メダルトリノ銅,世界選手権2位
2Ruslan Zakharovルスラン・ザハロフ22ロシア22位31位
3Liang Wenhao梁 文豪17中国-6位
4Paul Herrmannパウル・ヘルマン24ドイツ25位32位

ここは1500mのファイナリストが2人。こりゃほぼ結果は見えているか。
予選の組み合わせは、出場選手中の世界ランク上位8名が各組に散らばるように組まれていると思われるが
中国の梁は今期のW杯のこの距離に出場がなかったためランクを持っておらず、結果としてこういう組み合わせになった。

 

まだまだ未知の多い選手である梁文豪だが、1500mの走りを見ても実力は確かだろう。
そして何と言ってもアメリカのスター選手、日系2世のアポロ・オーノに注目。1500mはラッキーな銀メダルだったがこの種目は?

 

<レース展開>
当初後方に控えていたオーノが、終盤綺麗に前を追い抜くレースだった模様。

 

<結果>

1着Apolo Anton Ohnoアポロ・アントン・オーノアメリカ1.25.940Q
2着Liang Wenhao梁 文豪中国1.26.249Q
3着Paul Herrmannパウル・ヘルマンドイツ1.26.739
4着Ruslan Zakharovルスラン・ザハロフロシア1.26.883

やはりこの二人。3位以下には差を開いてのゴール。
特にオーノの強さが際立ったレースだったようだ。

Heat7

<スタートリスト>

選手名(英語表記)選手名(日本語)年齢国名世界ランク1500mその他の情報
1Takahiro Fujimoto藤本 貴大24日本23位17位
2J.R. CelskiJ.R.セルスキー19アメリカ-銅メダル世界選手権3位
3Pieter Gyselピーター・ギセル29ベルギー24位9位トリノ準決勝失格
4Lee Jung-Suイ・ジョンス20韓国1位金メダル

これは酷い。セルスキーが今期は怪我でW杯に出ておらず、ランクをもっていなかったがために
なんといきなり1500mの金メダリストと銅メダリストが同組に。
圧巻のレースで1500を制し2冠を目指すイ・ジョンスと、去年の世界選手権3位でもあるセルスキーだ。

 

他の選手も、前回トリノのこの種目でベスト8に進出し、今回も1500mで9位に入っているベルギーのギセルと
1500mで予選を通過している日本の藤本。鬼畜すぎる・・・これ準々決勝だろせめて・・・

 

<レース展開>
藤本が先頭に立つが、すぐにベルギーのギセルが先頭を取る。やはりこの2選手は積極的に行かざるを得ない。
そこへ、かなり早い段階でイ・ジョンスが仕掛け、早くも先頭に代わる。この隊列でしばらく進む。
金メダルの有力候補、イ・ジョンスが引っ張ったペースはかなりのハイペースに。

 

残り2周半?で後れを取り始めた3番手藤本を、最後方のセルスキーがインから捉える。
しかしまだ2番手にギセルが粘っており、意地でも譲らない構えだ。

 

残り一周。先頭のイ・ジョンスにまだかろうじて食らいつくギセル。
残り半周。ついにアメリカのセルスキー、外から2番手を狙い、並びかけ、さらには交わしてくる!
抵抗しようとしたギセルだが最終コーナーで逆にややバランスを崩し、離されてゴール。

 

<結果>

1着Lee Jung-Suイ・ジョンス韓国1.24.962Q
2着J.R. CelskiJ.R.セルスキーアメリカ1.25.113Q
3着Pieter Gyselピーター・ギセルベルギー1.25.613
4着Takahiro Fujimoto藤本 貴大日本1.26.359

結局順当に1500mメダリストの2人がここを切り抜けた。
しかし予選にも関わらず最後まで目が離せない、熱いレースだった。

 

イ・ジョンスの強さもさることながら、セルスキーも、最初一番後ろに置かれたにもかかわらず
落ち着いて2人交わしたレースぶりは、さすがラッキーもありながらも1500mで銅メダルを取った選手だ。

 

Heat8

<スタートリスト>

選手名(英語表記)選手名(日本語)年齢国名世界ランク1500mその他の情報
1Lachlan Hayラクラン・ハイ23オーストラリア44位-
2Haralds Silovsハラリド・シロフス23ラトビア15位10位
3Lee Ho-Sukイ・ホソク23韓国6位12位トリノ銀,世界選手権1位
4Yuzo Takamido高御堂 雄三22日本31位29位

最後に韓国のイ・ホソクが登場。前回トリノの1500m,1000m銀メダリスト。
今回は1500mは銅メダルかと思いきや、さらに上を目指そうとして転倒、失格となった。
その悔しさも持って、この1000mこそは金メダルを目指す。この距離では最有力とも言われる。

 

1500mでB決勝まで進出したラトビアのシロフスは、スピードスケートとの二足のわらじを履いて
五輪に出場している選手。こちらも注目だ。

 

<レース展開>
内側からのスタートとなったシロフスが積極的に先頭を奪い、高御堂が2番手。
中盤でイ・ホソクが一気に先頭へ。3番手に落ちた高御堂は何度か2番手を狙うが
なかなか前に隙ができない。むしろシロフスは一度イ・ホソクを交わし返すなど
勢いは衰えない。最後の直線もしっかりとインを詰めたシロフスが2着を守りきった。

 

<結果>

1着Lee Ho-Sukイ・ホソク韓国1.25.925Q
2着Haralds Silovsハラリド・シロフスラトビア1.25.951Q
3着Yuzo Takamido高御堂 雄三日本1.26.074
4着Lachlan Hayラクラン・ハイオーストラリア1.26.132
 

Heats → Quarterfinals

通過順位選手名選手名(日本語)タイム
1着Sung Si-Bakソン・シバク韓国1.24.245(OR)Q
1着Lee Jung-Suイ・ジョンス韓国1.24.962Q
1着Charles Hamelinチャールズ・ハメリンカナダ1.25.256Q
1着Francois Hamelinフランソワ・ハメリンカナダ1.25.714Q
1着Lee Ho-Sukイ・ホソク韓国1.25.925Q
1着Apolo Anton Ohnoアポロ・アントン・オーノアメリカ1.25.940Q
1着Han Jialiang韓 佳良中国1.26.479Q
1着Yuri Confortolaユーリ・コンフォルトライタリア1.27.073Q
2着J.R. CelskiJ.R.セルスキーアメリカ1.25.113Q
2着Sjinkie Knegtシンキー・クネフトオランダ1.25.449Q
2着Tyson Heungタイソン・ヒュンクドイツ1.25.938Q
2着Haralds Silovsハラリド・シロフスラトビア1.25.951Q
2着Liang Wenhao梁 文豪中国1.26.249Q
2着Nicolas Beanニコラス・ビーンイタリア1.26.781Q
2着Thibaut Fauconnetチボー・フォーコネフランス1.27.080Q
2着Blake Skjellerupブレーク・スケラーアップニュージーランド1.27.875Q
3着Nicola Rodigariニコラ・ロディガリイタリア1.41.117A

以上、準々決勝進出者は17名/32。
これが4人(5人)ずつ4組に分かれて準々決勝を戦う。
各組は予選の1位通過者2名+2位通過者2名+(救済措置通過者1名)で構成されるものと思われる。
また、各組のスタート位置(枠)は、予選通過タイムが速い方から内側に並んでいくものと思われる。(通過順位は無関係)