バンクーバーオリンピック>男子1000m>予選 - 準々決勝 - 準決勝 - 決勝
4名中上位2名が準々決勝に進出する。
Q=準々決勝進出 q=3位だがタイム上位により準々決勝進出 ADV=救済措置により準々決勝進出
DSQ=失格 OR=オリンピックレコード WR=ワールドレコード
Heat1
<スタートリスト>
枠 | 選手名(英語表記) | 選手名(日本語) | 年齢 | 国名 | 世界ランク | 1500m | その他の情報 |
1 | Ma Yunfeng | 馬 雲峰 | 26 | 中国 | - | - | |
2 | Charles Hamelin | チャールズ・ハメリン | 25 | カナダ | 3位 | 7位 | |
3 | Sjinkie Knegt | シンキー・クネフト | 20 | オランダ | 21位 | 14位 | |
4 | Jon Eley | ジョン・イーリー | 25 | イギリス | 26位 | - | トリノ17位 |
地元期待のカナダ勢のエース・もじゃもじゃ髭のハメリンが登場。
1500mは準決勝で鬼畜な組に入り、決勝を逃すという不本意な結果に終わっただけに、この距離で雪辱なるか。
2位争いはかなり混戦が予想される。
<レース展開>
ハメリンが早くから前を取る。カナダ勢は格下相手でも、最初から積極的に行く選手が多いかな。
2番手は残り1周までイギリスのイーリーが粘っていたが、最後の向正面でオランダのクネフトが捉える。
<結果>
1着 | Charles Hamelin | チャールズ・ハメリン | カナダ | 1.25.256 | Q |
2着 | Sjinkie Knegt | シンキー・クネフト | オランダ | 1.25.449 | Q |
3着 | Jon Eley | ジョン・イーリー | イギリス | 1.25.588 | |
4着 | Ma Yunfeng | 馬 雲峰 | 中国 | 1.25.814 |
ここはやはり格が違うハメリンが1位通過。
オランダの若手・クネフトは、今までの国際大会ではあまり目立った成績はないものの
今大会の1500mでなかなかの滑りを見せていた。そして1500に続きここでも予選通過をしてきた。
トリノの頃からのイギリスのエース・イーリーは敗退。得意の500mで巻き返しを狙う。
強豪国・中国の馬雲峰はあまり国際大会で名前を聞かない選手だが、代表になるからには強さを持っていると
思われたものの、奮わなかった。だがこの後500mにも出場する。
Heat2
<スタートリスト>
枠 | 選手名(英語表記) | 選手名(日本語) | 年齢 | 国名 | 世界ランク | 1500m | その他の情報 |
1 | Francois Hamelin | フランソワ・ハメリン | 23 | カナダ | 4位 | - | |
2 | Viktor Knoch | ヴィクトル・ノヒ | 20 | ハンガリー | 28位 | 30位 | |
3 | Tyson Heung | タイソン・ヒュンク | 30 | ドイツ | 19位 | 23位 | |
4 | Aidar Bekzhanov | アイダル・ベクジャノフ | 16 | カザフスタン | 59位 | - |
カナダのエース、チャールズ・ハメリンには弟がいる。
この種目世界ランク4位につけるフランソワ・ハメリンだ。兄とは違い髭はほとんどない(笑)
今大会の個人種目はこの種目のみの出場だが、メダルも狙える選手だ。
この組もまた2位争いは混戦となりそうだ。
<結果>
1着 | Francois Hamelin | フランソワ・ハメリン | カナダ | 1.25.714 | Q |
2着 | Tyson Heung | タイソン・ヒュンク | ドイツ | 1.25.938 | Q |
3着 | Viktor Knoch | ヴィクトル・ノヒ | ハンガリー | 1.26.279 | |
4着 | Aidar Bekzhanov | アイダル・ベクジャノフ | カザフスタン | 1.26.536 |
順当にハメリン弟が1着。2着はベテランのヒュンクが入った。これも順当と言えるだろう。
Heat3
<スタートリスト>
枠 | 選手名(英語表記) | 選手名(日本語) | 年齢 | 国名 | 世界ランク | 1500m | その他の情報 |
1 | Blake Skjellerup | ブレーク・スケラーアップ | 24 | NZ | 30位 | 28位 | |
2 | Maxime Chataignier | マキシム・シャタニエ | 21 | フランス | 45位 | 34位 | 欧州選手権6位 |
3 | Sung Si-Bak | ソン・シバク | 22 | 韓国 | 5位 | 5位 | |
4 | Nicola Rodigari | ニコラ・ロディガリ | 28 | イタリア | 17位 | 8位 | トリノ7位,欧州選手権1位 |
ここは1500mで入賞を果たした選手が2人おり、その2人が抜けているか。
特に韓国のソン・シバクは、ゴール前で転倒したが実質はメダル獲得だっただけに、この種目こそはと期待がかかる。
<レース展開>
一番外からのスタートとなったロディガリだが、少々無理をしてでも前へ行き
早めに先頭ソン・シバクの後ろの2番手に付ける。3番手にシュタイナーが付け、前を追う。
残り半周でわずかな隙を見せたロディガリをインからシュタイナーが交わそうとするも
交わし切れず接触、2人して転倒する。
<結果>
1着 | Sung Si-Bak | ソン・シバク | 韓国 | 1.24.245(OR) | Q |
2着 | Blake Skjellerup | ブレーク・スケラーアップ | ニュージーランド | 1.27.875 | Q |
3着 | Nicola Rodigari | ニコラ・ロディガリ | イタリア | 1.41.117 | A |
Maxime Chataignier | マキシム・シャタニエ | フランス | DSQ |
1000mは1500mと比べるとペースが上がるのも早く、
中盤以降で前の選手を抜くには、それなりの力の差が必要だ。
それを見越して無理をしてでも前を取ったロディガリにここは軍配が上がった(救済措置)
また、前のペースについていけず、大きく遅れていたスケラーアップが
思わぬ形でラッキーの2位通過。まあこういうラッキーを3回続けて金メダル取った奇跡の人が8年前にいたわけだが
このように1回起こるぐらいなら奇跡と言うほどではなく、ショートトラックでは比較的よくあること。
Heat4
<スタートリスト>
枠 | 選手名(英語表記) | 選手名(日本語) | 年齢 | 国名 | 世界ランク | 1500m | その他の情報 |
1 | Tom Iveson | トム・アイブソン | 26 | イギリス | 40位 | - | |
2 | Han Jialiang | 韓 佳良 | 22 | 中国 | 13位 | - | |
3 | Travis Jayner | トラビス・ジェイナー | 27 | アメリカ | 10位 | - | |
4 | Nicolas Bean | ニコラス・ビーン | 22 | イタリア | 39位 | 26位 |
ここはメダルの有力候補は不在だが、世界ランク上位が2人いて有力か。
<レース展開>
途中経過不明、中国の韓佳良が先頭、アメリカのジェイナーが2番手で最後のコーナーへ。
ここでジェイナーがなんとバランスを崩してしまい、3番手のイタリアのビーンが土壇場で2番手へ上がってゴール。
<結果>
1着 | Han Jialiang | 韓 佳良 | 中国 | 1.26.479 | Q |
2着 | Nicolas Bean | ニコラス・ビーン | イタリア | 1.26.781 | Q |
3着 | Travis Jayner | トラビス・ジェイナー | アメリカ | 1.26.870 | |
4着 | Tom Iveson | トム・アイブソン | イギリス | 1.27.841 |
ジェイナーはあまりにも勿体ない予選敗退。ランク10位がここで消える。
中国の韓はさすが500m世界ランク5位の強豪。ここを1位通過したことで準々決勝の組み合わせは期待できるかも。
イタリアのビーンは1500mではゴール前交わされて予選突破を逃したが、1000mでは全く逆の立場に。
Heat5
<スタートリスト>
枠 | 選手名(英語表記) | 選手名(日本語) | 年齢 | 国名 | 世界ランク | 1500m | その他の情報 |
1 | Semion Elistratov | セメン・エリストラトフ | 19 | ロシア | 35位 | 24位 | |
2 | Asen Pandov | アセン・パンドフ | 25 | ブルガリア | 43位 | - | |
3 | Thibaut Fauconnet | チボー・フォーコネ | 24 | フランス | 8位 | - | 欧州選手権2位 |
4 | Yuri Confortola | ユーリ・コンフォルトラ | 23 | イタリア | 14位 | 13位 | 欧州選手権4位 |
ヨーロッパ選手のみで構成された組。ここは国で見ても選手自身の実績で見ても
フォーコネとコンフォルトラの2人が抜けているか。
<結果>
1着 | Yuri Confortola | ユーリ・コンフォルトラ | イタリア | 1.27.073 | Q |
2着 | Thibaut Fauconnet | チボー・フォーコネ | フランス | 1.27.080 | Q |
3着 | Semion Elistratov | セメン・エリストラトフ | ロシア | 1.27.254 | |
4着 | Asen Pandov | アセン・パンドフ | ブルガリア | 1.28.580 |
やはり実績通りにこの2人が通過。1位争いはかなり接戦だったようだ。
ここで1位になることで、次の準々決勝の組み合わせが有利になる可能性が高まる。
(次の準々決勝も一組4人だが、その4人は「予選1位通過2名」+「予選2位通過2名」で構成される。
つまり、自分が予選1位通過をしておけば、準々決勝の相手に予選1位通過者は一人しかいなくなるというわけだ。)
Heat6
<スタートリスト>
枠 | 選手名(英語表記) | 選手名(日本語) | 年齢 | 国名 | 世界ランク | 1500m | その他の情報 |
1 | Apolo Anton Ohno | アポロ・アントン・オーノ | 27 | アメリカ | 2位 | 銀メダル | トリノ銅,世界選手権2位 |
2 | Ruslan Zakharov | ルスラン・ザハロフ | 22 | ロシア | 22位 | 31位 | |
3 | Liang Wenhao | 梁 文豪 | 17 | 中国 | - | 6位 | |
4 | Paul Herrmann | パウル・ヘルマン | 24 | ドイツ | 25位 | 32位 |
ここは1500mのファイナリストが2人。こりゃほぼ結果は見えているか。
予選の組み合わせは、出場選手中の世界ランク上位8名が各組に散らばるように組まれていると思われるが
中国の梁は今期のW杯のこの距離に出場がなかったためランクを持っておらず、結果としてこういう組み合わせになった。
まだまだ未知の多い選手である梁文豪だが、1500mの走りを見ても実力は確かだろう。
そして何と言ってもアメリカのスター選手、日系2世のアポロ・オーノに注目。1500mはラッキーな銀メダルだったがこの種目は?
<レース展開>
当初後方に控えていたオーノが、終盤綺麗に前を追い抜くレースだった模様。
<結果>
1着 | Apolo Anton Ohno | アポロ・アントン・オーノ | アメリカ | 1.25.940 | Q |
2着 | Liang Wenhao | 梁 文豪 | 中国 | 1.26.249 | Q |
3着 | Paul Herrmann | パウル・ヘルマン | ドイツ | 1.26.739 | |
4着 | Ruslan Zakharov | ルスラン・ザハロフ | ロシア | 1.26.883 |
やはりこの二人。3位以下には差を開いてのゴール。
特にオーノの強さが際立ったレースだったようだ。
Heat7
<スタートリスト>
枠 | 選手名(英語表記) | 選手名(日本語) | 年齢 | 国名 | 世界ランク | 1500m | その他の情報 |
1 | Takahiro Fujimoto | 藤本 貴大 | 24 | 日本 | 23位 | 17位 | |
2 | J.R. Celski | J.R.セルスキー | 19 | アメリカ | - | 銅メダル | 世界選手権3位 |
3 | Pieter Gysel | ピーター・ギセル | 29 | ベルギー | 24位 | 9位 | トリノ準決勝失格 |
4 | Lee Jung-Su | イ・ジョンス | 20 | 韓国 | 1位 | 金メダル |
これは酷い。セルスキーが今期は怪我でW杯に出ておらず、ランクをもっていなかったがために
なんといきなり1500mの金メダリストと銅メダリストが同組に。
圧巻のレースで1500を制し2冠を目指すイ・ジョンスと、去年の世界選手権3位でもあるセルスキーだ。
他の選手も、前回トリノのこの種目でベスト8に進出し、今回も1500mで9位に入っているベルギーのギセルと
1500mで予選を通過している日本の藤本。鬼畜すぎる・・・これ準々決勝だろせめて・・・
<レース展開>
藤本が先頭に立つが、すぐにベルギーのギセルが先頭を取る。やはりこの2選手は積極的に行かざるを得ない。
そこへ、かなり早い段階でイ・ジョンスが仕掛け、早くも先頭に代わる。この隊列でしばらく進む。
金メダルの有力候補、イ・ジョンスが引っ張ったペースはかなりのハイペースに。
残り2周半?で後れを取り始めた3番手藤本を、最後方のセルスキーがインから捉える。
しかしまだ2番手にギセルが粘っており、意地でも譲らない構えだ。
残り一周。先頭のイ・ジョンスにまだかろうじて食らいつくギセル。
残り半周。ついにアメリカのセルスキー、外から2番手を狙い、並びかけ、さらには交わしてくる!
抵抗しようとしたギセルだが最終コーナーで逆にややバランスを崩し、離されてゴール。
<結果>
1着 | Lee Jung-Su | イ・ジョンス | 韓国 | 1.24.962 | Q |
2着 | J.R. Celski | J.R.セルスキー | アメリカ | 1.25.113 | Q |
3着 | Pieter Gysel | ピーター・ギセル | ベルギー | 1.25.613 | |
4着 | Takahiro Fujimoto | 藤本 貴大 | 日本 | 1.26.359 |
結局順当に1500mメダリストの2人がここを切り抜けた。
しかし予選にも関わらず最後まで目が離せない、熱いレースだった。
イ・ジョンスの強さもさることながら、セルスキーも、最初一番後ろに置かれたにもかかわらず
落ち着いて2人交わしたレースぶりは、さすがラッキーもありながらも1500mで銅メダルを取った選手だ。
Heat8
<スタートリスト>
枠 | 選手名(英語表記) | 選手名(日本語) | 年齢 | 国名 | 世界ランク | 1500m | その他の情報 |
1 | Lachlan Hay | ラクラン・ハイ | 23 | オーストラリア | 44位 | - | |
2 | Haralds Silovs | ハラリド・シロフス | 23 | ラトビア | 15位 | 10位 | |
3 | Lee Ho-Suk | イ・ホソク | 23 | 韓国 | 6位 | 12位 | トリノ銀,世界選手権1位 |
4 | Yuzo Takamido | 高御堂 雄三 | 22 | 日本 | 31位 | 29位 |
最後に韓国のイ・ホソクが登場。前回トリノの1500m,1000m銀メダリスト。
今回は1500mは銅メダルかと思いきや、さらに上を目指そうとして転倒、失格となった。
その悔しさも持って、この1000mこそは金メダルを目指す。この距離では最有力とも言われる。
1500mでB決勝まで進出したラトビアのシロフスは、スピードスケートとの二足のわらじを履いて
五輪に出場している選手。こちらも注目だ。
<レース展開>
内側からのスタートとなったシロフスが積極的に先頭を奪い、高御堂が2番手。
中盤でイ・ホソクが一気に先頭へ。3番手に落ちた高御堂は何度か2番手を狙うが
なかなか前に隙ができない。むしろシロフスは一度イ・ホソクを交わし返すなど
勢いは衰えない。最後の直線もしっかりとインを詰めたシロフスが2着を守りきった。
<結果>
1着 | Lee Ho-Suk | イ・ホソク | 韓国 | 1.25.925 | Q |
2着 | Haralds Silovs | ハラリド・シロフス | ラトビア | 1.25.951 | Q |
3着 | Yuzo Takamido | 高御堂 雄三 | 日本 | 1.26.074 | |
4着 | Lachlan Hay | ラクラン・ハイ | オーストラリア | 1.26.132 |
Heats → Quarterfinals
通過順位 | 選手名 | 選手名(日本語) | 国 | タイム | 印 |
1着 | Sung Si-Bak | ソン・シバク | 韓国 | 1.24.245(OR) | Q |
1着 | Lee Jung-Su | イ・ジョンス | 韓国 | 1.24.962 | Q |
1着 | Charles Hamelin | チャールズ・ハメリン | カナダ | 1.25.256 | Q |
1着 | Francois Hamelin | フランソワ・ハメリン | カナダ | 1.25.714 | Q |
1着 | Lee Ho-Suk | イ・ホソク | 韓国 | 1.25.925 | Q |
1着 | Apolo Anton Ohno | アポロ・アントン・オーノ | アメリカ | 1.25.940 | Q |
1着 | Han Jialiang | 韓 佳良 | 中国 | 1.26.479 | Q |
1着 | Yuri Confortola | ユーリ・コンフォルトラ | イタリア | 1.27.073 | Q |
2着 | J.R. Celski | J.R.セルスキー | アメリカ | 1.25.113 | Q |
2着 | Sjinkie Knegt | シンキー・クネフト | オランダ | 1.25.449 | Q |
2着 | Tyson Heung | タイソン・ヒュンク | ドイツ | 1.25.938 | Q |
2着 | Haralds Silovs | ハラリド・シロフス | ラトビア | 1.25.951 | Q |
2着 | Liang Wenhao | 梁 文豪 | 中国 | 1.26.249 | Q |
2着 | Nicolas Bean | ニコラス・ビーン | イタリア | 1.26.781 | Q |
2着 | Thibaut Fauconnet | チボー・フォーコネ | フランス | 1.27.080 | Q |
2着 | Blake Skjellerup | ブレーク・スケラーアップ | ニュージーランド | 1.27.875 | Q |
3着 | Nicola Rodigari | ニコラ・ロディガリ | イタリア | 1.41.117 | A |
以上、準々決勝進出者は17名/32。
これが4人(5人)ずつ4組に分かれて準々決勝を戦う。
各組は予選の1位通過者2名+2位通過者2名+(救済措置通過者1名)で構成されるものと思われる。
また、各組のスタート位置(枠)は、予選通過タイムが速い方から内側に並んでいくものと思われる。(通過順位は無関係)