バンクーバーオリンピック 男子1500m決勝

Last-modified: 2016-08-31 (水) 20:04:00

バンクーバーオリンピック>男子1500m>予選 - 準決勝 - 決勝


DSQ=失格 OR=オリンピックレコード WR=ワールドレコード

 

B Final

<スタートリスト>

選手名(英語表記)選手名(日本語)年齢国名世界ランクその他の情報
1Charles Hamelinチャールズ・ハメリン25カナダ2位トリノ4位
2Nicola Rodigariニコラ・ロディガリ28イタリア15位欧州選手権1位,トリノ14位
3Yuri Confortolaユーリ・コンフォルトラ23イタリア8位
4Haralds Silovsハラリド・シロフス23ラトビア13位
5Sebastian Prausセバスティアン・プラウス29ドイツ31位トリノ21位
6Pieter Gyselピーター・ギセル29ベルギー9位トリノ準決勝失格

順位決定戦。ここでは金メダル候補だったチャールズ・ハメリンが抜けている。
2位争いは、僅差で決勝を逃したイタリアの二人か。
決勝進出者が7人なので、8位以内の入賞圏内に入れるのはこの中で1人だけ。
ただし、決勝で失格者が出た場合は繰り上がるので、各選手少しでも上の順位に入りたいところ。

 

<レース展開>
ラトビアのシロフスが先頭に。2番手にイタリアのロディガリ。
カナダのハメリンは最初5番手だったが、途中で外から一気に位置を上げて先頭に。
イタリアのコンフォルトラもその後ろに付いていって2番手まで上がる。

だがその後シロフスやロディガリも2番手を交わし返し、2番手は混戦。
終盤、後方から上がってきたベルギーのギセルとコンフォルトラが接触し、
コンフォルトラはコースアウト。
結局ハメリンが力の違いを見せつけ1着。唯一最後までついていったロディガリが2着に。

 

<結果>

1着Charles Hamelinチャールズ・ハメリンカナダ2.18.243
2着Nicola Rodigariニコラ・ロディガリイタリア2.18.422
3着Pieter Gyselピーター・ギセルベルギー2.18.773
4着Haralds Silovsハラリド・シロフスラトビア2.19.435
5着Sebastian Prausセバスチャン・プラウスドイツ2.20.374
Yuri Confortolaユーリ・コンフォルトライタリアDSQ

コンフォルトラが失格に。
暫定でハメリンが8位、ロディガリが9位、ギセルが10位。あとは決勝次第。
地元の期待を背負いながら決勝に進めなかったハメリンは、最後はトップでゴールし面目を保ったものの
全く納得できる結果ではなかっただろう。次の種目以降に期待がかかる。

A Final

<スタートリスト>

選手名(英語表記)選手名(日本語)年齢国名世界ランクその他の情報
1Lee Jung-Suイ・ジョンス20韓国1位
2Apolo Anton Ohnoアポロ・アントン・オーノ27アメリカ5位ソルトレーク金
3Sung Si-Bakソン・シバク22韓国3位W杯第一戦1位
4J.R. CelskiJ・R・セルスキー19アメリカ-世界選手権3位
5Lee Ho-Sukイ・ホソク23韓国4位世界選手権1位,トリノ銀
6Liang Wenhao梁 文豪17中国-
7Olivier Jeanオリビエ・ジャン25カナダ11位

ついに決勝。韓国3人、アメリカ2人に対し、1人で戦う中国の梁とカナダのジャンにとっては難しいレース。
果たしてトリノでワンツーを決めた韓国勢が今年も頂点を極めるのか、
それともソルトレークの金メダリスト・オーノや、ここまで大怪我の影響を感じさせない大物セルスキーか。
地元の期待がかかるカナダのジャンか、ダークホース的存在の中国の梁か。

ちなみにオーノはここでメダルを取れば、ショートトラック選手史上最多、五輪6つ目のメダルとなる。

 

<レース展開>
今回のオリンピックは、序盤からペースが速いと言ったが
しかしこの決勝では、今回にしては珍しく、ゆったりとした立ち上がりを見せる。
各選手の探り合い、駆け引きの結果だろうか。

しかし順位自体は、前に同国選手を並ばせて壁を作られたくないという思惑からか、よく入れ替わる。
中国の梁とカナダのジャンはやや格下と思われるので、やや積極的に前を取りに行く構え。

残り10周時点での順位は、
ジャン→ソン・シバク→イ・ジョンス→梁→セルスキー→オーノ→イ・ホソク。
残り9周で今度はオーノがインをついて一気に先頭に出てくる。
あまり労せず先頭を奪ったところを見ると、やはりまだペースは上がっていない様子。

残り7周。そろそろペースが上がってくる。
ここで先頭に、世界ランク1位のイ・ジョンスが立つ。続いてアメリカ勢、セルスキーとオーノが
2,3番手に並んでくる展開。

残り6周。ここでまたオーノが力をあまり使わず先頭へ。このあたりは上手い。
そろそろ有力選手は前前のポジションが欲しいころ。
イ・ジョンス以外の韓国勢も仕掛けどころを伺う。

残り4周半。オーノに続く2,3,4番手に韓国勢が並ぶ!しかしすかさずジャンが割り込む。
残り3周半。イ・ジョンスがオーノを交わそうと外から上がろうとするも、ややもつれる。
その後も二人が競り合っている隙を突いて、空いたインからソン・シバクが先頭に!
一気にペースが加速。

一方この時、最後方からもう一度進出を図った梁文豪がコーナーで躓き転倒してしまう。

残り2周半。ソン・シバク→オーノ→イ・ジョンスの順は変わらず、4番手にイ・ホソク。
韓国勢が1,3,4番手まで上がってきたことに。
残り2周。最後方のセルスキーが一つポジションを上げ5番手。

残り1周半。オーノが最後の力を振りしぼり、インから先頭を狙うも、逆にバランスを崩し失敗。
&bold(){その隙に一気に外からイ・ジョンスが2人を交わして先頭を奪う!}
残り1周。4番手のイ・ホソクがオーノを捉えて3番手に!なんと韓国ワンツースリー!

と、誰もが思った。しかし残り半周。余力のあった3番手のイ・ホソク。
メダルは既にトリノで取った。今回は何としても金が欲しい。そう思ったのだろうか。
先頭イ・ジョンスと2番手ソン・シバクの間にむりやり割り込み、最後の直線での1着奪取へ望みを繋ごうとする。

だが、強引すぎた。絶妙な技術で上手く割り込んだかに見えたが
結局イ・ホソクの左足とソン・シバクの右足が接触。2人して転倒、コースの外へ消えていった。

 

<結果>

1着Lee Jung-Suイ・ジョンス韓国2.17.611
2着Apolo Anton Ohnoアポロ・アントン・オーノアメリカ2.17.976
3着J.R. CelskiJ・R・セルスキーアメリカ2.18.053
4着Olivier Jeanオリビエ・ジャンカナダ2.18.806
5着Sung Si-Bakソン・シバク韓国2.45.010
6着Liang Wenhao梁 文豪中国2.48.192
Lee Ho-Sukイ・ホソク韓国DSQ

なんと4,5番手を滑っていたアメリカ勢2人にメダルが転がり込んでくるという衝撃の結末。
決勝に救済措置のようなものはないため、ソン・シバクは不運にもメダルを逃すことに。

一方、オーノは早くも最初の種目で、ショートトラック選手のメダル獲得数記録を更新。
今後さらにこの記録を伸ばすことも期待される。
セルスキーも見事に大怪我を乗り越え、初の五輪の舞台でメダルを手にした。

このレースは最後の場面以外にももつれが多々あったし、
準決勝に比べると「良いレース」ではなかったと思うが、しかし、一度見た人は
忘れられない衝撃のレースになったことは間違いないだろう。

さて、このメダルを争った韓国3人、アメリカ2人は皆次の1000mにも出場する。
そこでも今回メダルを取った者たちが輝くのか、それともソン・シバクやイ・ホソクが巻き返すか。
カナダのハメリンの巻き返しも含め、注目が集まる。

 

Final Standings

順位名前名前(日本語)決勝準決勝予選ベストタイム
GoldLee Jung-Suイ・ジョンス韓国A1
SilverApolo Anton Ohnoアポロ・アントン・オーノアメリカA2
BronzeJ.R. CelskiJ・R・セルスキーアメリカA3
4位入賞Olivier Jeanオリビエ・ジャンカナダA4
5位入賞Sung Si-Bakソン・シバク韓国A5
6位入賞Liang Wenhao梁 文豪中国A6
7位入賞Charles Hamelinチャールズ・ハメリンカナダB1
8位入賞Nicola Rodigariニコラ・ロディガリイタリアB2
9位Pieter Gyselピーター・ギセルベルギーB3
10位Haralds Silovsハラリド・シロフスラトビアB4
11位Sebastian Prausセバスチャン・プラウスドイツB5
12位Lee Ho-Sukイ・ホソク韓国A-DQ
13位Yuri Confortolaユーリ・コンフォルトライタリアB-DQ
14位Sjinkie Knegtシンキー・クネフトオランダ522.13.870
15位Liu Xianwei劉 顕偉中国532.14.350
16位Jack Whelbourneジャック・ウェルボーンイギリス532.14.972
17位Takahiro Fujimoto藤本 貴大日本632.15.984
18位Jumpei Yoshizawa吉沢 純平日本652.15.129
19位Peter Darazsピーター・ダラズハンガリー732.18.349
20位Niels Kerstholtニール・ケルストホルトオランダ752.16.352
21位Jean-Charles Matteiジャン・シャルル・マティーフランス752.33.989
22位Benjamin Maceベンジャミン・マースフランス42.12.875
23位Tyson Heungタイソン・ヒュンクドイツ42.14.461
24位Semion Elistratovセメン・エリストラトフロシア42.15.455
25位Anthony Douglasアンソニー・ダグラスイギリス42.16.622
26位Nicolas Beanニコラス・ビーンイタリア42.17.089
27位Jakub Jaworskiヤコブ・ヤヴォルスキーポーランド42.19.163
28位Blake Skjellerupブレーク・スケラーアップニュージーランド52.14.730
29位Yuzo Takamido高御堂 雄三日本52.15.402
30位Viktor Knochビクトル・ノックハンガリー52.16.826
31位Ruslan Zakharovルスラン・ザハロフロシア62.14.929
32位Paul Herrmannパウル・ヘルマンドイツ62.16.782
33位Song Weilong宗 偉龍中国62.20.095
失格Jordan Maloneジョーダン・マローンアメリカDQ
失格Guillaume Bastilleギオーム・バスティーユカナダDQ
失格Maxime Chataignierマキシム・シュタイナーフランスDQ