バンクーバーオリンピック>男子1500m>予選 - 準決勝 - 決勝
DSQ=失格 OR=オリンピックレコード WR=ワールドレコード
B Final
<スタートリスト>
枠 | 選手名(英語表記) | 選手名(日本語) | 年齢 | 国名 | 世界ランク | その他の情報 |
1 | Charles Hamelin | チャールズ・ハメリン | 25 | カナダ | 2位 | トリノ4位 |
2 | Nicola Rodigari | ニコラ・ロディガリ | 28 | イタリア | 15位 | 欧州選手権1位,トリノ14位 |
3 | Yuri Confortola | ユーリ・コンフォルトラ | 23 | イタリア | 8位 | |
4 | Haralds Silovs | ハラリド・シロフス | 23 | ラトビア | 13位 | |
5 | Sebastian Praus | セバスティアン・プラウス | 29 | ドイツ | 31位 | トリノ21位 |
6 | Pieter Gysel | ピーター・ギセル | 29 | ベルギー | 9位 | トリノ準決勝失格 |
順位決定戦。ここでは金メダル候補だったチャールズ・ハメリンが抜けている。
2位争いは、僅差で決勝を逃したイタリアの二人か。
決勝進出者が7人なので、8位以内の入賞圏内に入れるのはこの中で1人だけ。
ただし、決勝で失格者が出た場合は繰り上がるので、各選手少しでも上の順位に入りたいところ。
<レース展開>
ラトビアのシロフスが先頭に。2番手にイタリアのロディガリ。
カナダのハメリンは最初5番手だったが、途中で外から一気に位置を上げて先頭に。
イタリアのコンフォルトラもその後ろに付いていって2番手まで上がる。
だがその後シロフスやロディガリも2番手を交わし返し、2番手は混戦。
終盤、後方から上がってきたベルギーのギセルとコンフォルトラが接触し、
コンフォルトラはコースアウト。
結局ハメリンが力の違いを見せつけ1着。唯一最後までついていったロディガリが2着に。
<結果>
1着 | Charles Hamelin | チャールズ・ハメリン | カナダ | 2.18.243 |
2着 | Nicola Rodigari | ニコラ・ロディガリ | イタリア | 2.18.422 |
3着 | Pieter Gysel | ピーター・ギセル | ベルギー | 2.18.773 |
4着 | Haralds Silovs | ハラリド・シロフス | ラトビア | 2.19.435 |
5着 | Sebastian Praus | セバスチャン・プラウス | ドイツ | 2.20.374 |
Yuri Confortola | ユーリ・コンフォルトラ | イタリア | DSQ |
コンフォルトラが失格に。
暫定でハメリンが8位、ロディガリが9位、ギセルが10位。あとは決勝次第。
地元の期待を背負いながら決勝に進めなかったハメリンは、最後はトップでゴールし面目を保ったものの
全く納得できる結果ではなかっただろう。次の種目以降に期待がかかる。
A Final
<スタートリスト>
枠 | 選手名(英語表記) | 選手名(日本語) | 年齢 | 国名 | 世界ランク | その他の情報 |
1 | Lee Jung-Su | イ・ジョンス | 20 | 韓国 | 1位 | |
2 | Apolo Anton Ohno | アポロ・アントン・オーノ | 27 | アメリカ | 5位 | ソルトレーク金 |
3 | Sung Si-Bak | ソン・シバク | 22 | 韓国 | 3位 | W杯第一戦1位 |
4 | J.R. Celski | J・R・セルスキー | 19 | アメリカ | - | 世界選手権3位 |
5 | Lee Ho-Suk | イ・ホソク | 23 | 韓国 | 4位 | 世界選手権1位,トリノ銀 |
6 | Liang Wenhao | 梁 文豪 | 17 | 中国 | - | |
7 | Olivier Jean | オリビエ・ジャン | 25 | カナダ | 11位 |
ついに決勝。韓国3人、アメリカ2人に対し、1人で戦う中国の梁とカナダのジャンにとっては難しいレース。
果たしてトリノでワンツーを決めた韓国勢が今年も頂点を極めるのか、
それともソルトレークの金メダリスト・オーノや、ここまで大怪我の影響を感じさせない大物セルスキーか。
地元の期待がかかるカナダのジャンか、ダークホース的存在の中国の梁か。
ちなみにオーノはここでメダルを取れば、ショートトラック選手史上最多、五輪6つ目のメダルとなる。
<レース展開>
今回のオリンピックは、序盤からペースが速いと言ったが
しかしこの決勝では、今回にしては珍しく、ゆったりとした立ち上がりを見せる。
各選手の探り合い、駆け引きの結果だろうか。
しかし順位自体は、前に同国選手を並ばせて壁を作られたくないという思惑からか、よく入れ替わる。
中国の梁とカナダのジャンはやや格下と思われるので、やや積極的に前を取りに行く構え。
残り10周時点での順位は、
ジャン→ソン・シバク→イ・ジョンス→梁→セルスキー→オーノ→イ・ホソク。
残り9周で今度はオーノがインをついて一気に先頭に出てくる。
あまり労せず先頭を奪ったところを見ると、やはりまだペースは上がっていない様子。
残り7周。そろそろペースが上がってくる。
ここで先頭に、世界ランク1位のイ・ジョンスが立つ。続いてアメリカ勢、セルスキーとオーノが
2,3番手に並んでくる展開。
残り6周。ここでまたオーノが力をあまり使わず先頭へ。このあたりは上手い。
そろそろ有力選手は前前のポジションが欲しいころ。
イ・ジョンス以外の韓国勢も仕掛けどころを伺う。
残り4周半。オーノに続く2,3,4番手に韓国勢が並ぶ!しかしすかさずジャンが割り込む。
残り3周半。イ・ジョンスがオーノを交わそうと外から上がろうとするも、ややもつれる。
その後も二人が競り合っている隙を突いて、空いたインからソン・シバクが先頭に!
一気にペースが加速。
一方この時、最後方からもう一度進出を図った梁文豪がコーナーで躓き転倒してしまう。
残り2周半。ソン・シバク→オーノ→イ・ジョンスの順は変わらず、4番手にイ・ホソク。
韓国勢が1,3,4番手まで上がってきたことに。
残り2周。最後方のセルスキーが一つポジションを上げ5番手。
残り1周半。オーノが最後の力を振りしぼり、インから先頭を狙うも、逆にバランスを崩し失敗。
&bold(){その隙に一気に外からイ・ジョンスが2人を交わして先頭を奪う!}
残り1周。4番手のイ・ホソクがオーノを捉えて3番手に!なんと韓国ワンツースリー!
と、誰もが思った。しかし残り半周。余力のあった3番手のイ・ホソク。
メダルは既にトリノで取った。今回は何としても金が欲しい。そう思ったのだろうか。
先頭イ・ジョンスと2番手ソン・シバクの間にむりやり割り込み、最後の直線での1着奪取へ望みを繋ごうとする。
だが、強引すぎた。絶妙な技術で上手く割り込んだかに見えたが
結局イ・ホソクの左足とソン・シバクの右足が接触。2人して転倒、コースの外へ消えていった。
<結果>
1着 | Lee Jung-Su | イ・ジョンス | 韓国 | 2.17.611 |
2着 | Apolo Anton Ohno | アポロ・アントン・オーノ | アメリカ | 2.17.976 |
3着 | J.R. Celski | J・R・セルスキー | アメリカ | 2.18.053 |
4着 | Olivier Jean | オリビエ・ジャン | カナダ | 2.18.806 |
5着 | Sung Si-Bak | ソン・シバク | 韓国 | 2.45.010 |
6着 | Liang Wenhao | 梁 文豪 | 中国 | 2.48.192 |
Lee Ho-Suk | イ・ホソク | 韓国 | DSQ |
なんと4,5番手を滑っていたアメリカ勢2人にメダルが転がり込んでくるという衝撃の結末。
決勝に救済措置のようなものはないため、ソン・シバクは不運にもメダルを逃すことに。
一方、オーノは早くも最初の種目で、ショートトラック選手のメダル獲得数記録を更新。
今後さらにこの記録を伸ばすことも期待される。
セルスキーも見事に大怪我を乗り越え、初の五輪の舞台でメダルを手にした。
このレースは最後の場面以外にももつれが多々あったし、
準決勝に比べると「良いレース」ではなかったと思うが、しかし、一度見た人は
忘れられない衝撃のレースになったことは間違いないだろう。
さて、このメダルを争った韓国3人、アメリカ2人は皆次の1000mにも出場する。
そこでも今回メダルを取った者たちが輝くのか、それともソン・シバクやイ・ホソクが巻き返すか。
カナダのハメリンの巻き返しも含め、注目が集まる。
Final Standings
順位 | 名前 | 名前(日本語) | 国 | 決勝 | 準決勝 | 予選 | ベストタイム |
Gold | Lee Jung-Su | イ・ジョンス | 韓国 | A1 | |||
Silver | Apolo Anton Ohno | アポロ・アントン・オーノ | アメリカ | A2 | |||
Bronze | J.R. Celski | J・R・セルスキー | アメリカ | A3 | |||
4位入賞 | Olivier Jean | オリビエ・ジャン | カナダ | A4 | |||
5位入賞 | Sung Si-Bak | ソン・シバク | 韓国 | A5 | |||
6位入賞 | Liang Wenhao | 梁 文豪 | 中国 | A6 | |||
7位入賞 | Charles Hamelin | チャールズ・ハメリン | カナダ | B1 | |||
8位入賞 | Nicola Rodigari | ニコラ・ロディガリ | イタリア | B2 | |||
9位 | Pieter Gysel | ピーター・ギセル | ベルギー | B3 | |||
10位 | Haralds Silovs | ハラリド・シロフス | ラトビア | B4 | |||
11位 | Sebastian Praus | セバスチャン・プラウス | ドイツ | B5 | |||
12位 | Lee Ho-Suk | イ・ホソク | 韓国 | A-DQ | |||
13位 | Yuri Confortola | ユーリ・コンフォルトラ | イタリア | B-DQ | |||
14位 | Sjinkie Knegt | シンキー・クネフト | オランダ | 5 | 2 | 2.13.870 | |
15位 | Liu Xianwei | 劉 顕偉 | 中国 | 5 | 3 | 2.14.350 | |
16位 | Jack Whelbourne | ジャック・ウェルボーン | イギリス | 5 | 3 | 2.14.972 | |
17位 | Takahiro Fujimoto | 藤本 貴大 | 日本 | 6 | 3 | 2.15.984 | |
18位 | Jumpei Yoshizawa | 吉沢 純平 | 日本 | 6 | 5 | 2.15.129 | |
19位 | Peter Darazs | ピーター・ダラズ | ハンガリー | 7 | 3 | 2.18.349 | |
20位 | Niels Kerstholt | ニール・ケルストホルト | オランダ | 7 | 5 | 2.16.352 | |
21位 | Jean-Charles Mattei | ジャン・シャルル・マティー | フランス | 7 | 5 | 2.33.989 | |
22位 | Benjamin Mace | ベンジャミン・マース | フランス | 4 | 2.12.875 | ||
23位 | Tyson Heung | タイソン・ヒュンク | ドイツ | 4 | 2.14.461 | ||
24位 | Semion Elistratov | セメン・エリストラトフ | ロシア | 4 | 2.15.455 | ||
25位 | Anthony Douglas | アンソニー・ダグラス | イギリス | 4 | 2.16.622 | ||
26位 | Nicolas Bean | ニコラス・ビーン | イタリア | 4 | 2.17.089 | ||
27位 | Jakub Jaworski | ヤコブ・ヤヴォルスキー | ポーランド | 4 | 2.19.163 | ||
28位 | Blake Skjellerup | ブレーク・スケラーアップ | ニュージーランド | 5 | 2.14.730 | ||
29位 | Yuzo Takamido | 高御堂 雄三 | 日本 | 5 | 2.15.402 | ||
30位 | Viktor Knoch | ビクトル・ノック | ハンガリー | 5 | 2.16.826 | ||
31位 | Ruslan Zakharov | ルスラン・ザハロフ | ロシア | 6 | 2.14.929 | ||
32位 | Paul Herrmann | パウル・ヘルマン | ドイツ | 6 | 2.16.782 | ||
33位 | Song Weilong | 宗 偉龍 | 中国 | 6 | 2.20.095 | ||
失格 | Jordan Malone | ジョーダン・マローン | アメリカ | DQ | |||
失格 | Guillaume Bastille | ギオーム・バスティーユ | カナダ | DQ | |||
失格 | Maxime Chataignier | マキシム・シュタイナー | フランス | DQ |