ティアナ | 主人公様、 助け出していただいて本当にありがとうございます。 これから…ですか? 具体的なことは考えていないのですが王都のみなさんのために何かしようかと。 王都もこの事件で荒れてしまいました。 王家の人間として、みなさんのために率先して事に当たらないと。 …王女ですもの。 そう言わないといけないんですよね… きっと。 …王女、王女、王女。 …では、王女でない私は何者なのでしょう? 母は…あの人はとてもきれいです。 お父様には釣り合わない。 …きっと、誰かがいたはずです。 きっと、私は王女ですらない… ただいつもへらへらと笑顔でいる他人に媚びを売るだけの情けない女! だから、放っておいて! 主人公様。 手紙? ゼネテス様の? |
これを読んでるってことは俺は死んだってことか。 後悔しないように生きてきたつもりだが、いざ死ぬとなると結構やり残したことがあるもんだ。 もし、ティアナに会うことがあったら伝えて欲しいことがある。 ティアナへ あんたがどんなに疑いを持とうともあんたは叔母貴の娘だ。 叔母貴は王を愛していた。 愛されようと必死だった。 他の誰もいないさ。 あんたの無理解は叔母貴を苦しめていた。 叔母貴ががんぱったってどうにもならん。 あんたが嫌っていたのは、あんた自身だったんだからな。 誰にどう接してよいかわからず、他人の顔色ばかりうかがい、誰にでも媚びを売る自分自身だったんだ。 でも、それが悪いことなのか? 他人の顔色をうかがうってのは気遣いのできる人間ってことだ。 誰にでも媚びを売るってのは、誰にでも分けへだてなくやさしいってことだ。 そして、それはいろんな人の支えになっていた。 だから、ティアナ。 あんたはそのままでいいんだ。 いつまでもやさしいティアナでいてほしい。 そして、できれば叔母貴のことをわかってやってほしい。 | |
ティアナ | …ゼネテス…様… 主人公様… 私にもできるでしょうか? ゼネテス様のご期待に応えられるようなことが…。 何か、何か、したいのです。 この身で、ゼネテス様の遺志に応えられる、何かを…。 えっ、ロストールですか? ロストールは… …はっ。 思い浮かびました。 私にできること。 私が、もっともすべきことが…。 お母様や、レムオン様、ゼネテス様…そして私が生きたあの街に、再び… いえ、前以上の繁栄を取り戻すのです。 私たちの、この手で…。 ええ、まだロストールは滅んだわけではありませんわ。 リューガ卿はエスト様がお継ぎになるはず。 あの方ならば、きっと お力を貸してくれるはずです。 ああ、次々とやらねばならないことが見えてくる…。 きっと… きっとゼネテス様が、お示しくださったのですね…。 |