ティアナ/24

Last-modified: 2015-01-26 (月) 11:27:32
これは…、主人公様。
あの…
ティアナのお願いをきいてください。
寝室に…来ていただきたいのです…。
寝室
タルテュバ様です。
倒れていらっしゃったのをお運びしたのです。
ええ。あのとき確かにタルテュバ様は怪物になられ、退治されました。
それが、どういうわけか、元のお姿で、衰弱しきって発見されたのです。
タルテュバ様のお体はボロボロです。
日頃から大酒を飲まれ、不摂生をしていたこともあって…。
その上、今までどうなさっていたのか。
とにかく、衰弱がひどくてかなり危険な容態です。
意識も…戻りません。
いつどうなってもおかしくないのです。
ですから…。
タルテュバ様の療治のため、生命のかけらをわけていただきたいのです。
…主人公様、
たしかにタルテュバ様は善人ではありませんでした。
ですが、こうなってしまってはもう、悪人も善人もありません。
違うでしょうか?
主人公様、
どうか、お願いします…。

生命のかけらをタルテュバに与える

主人公はタルテュバに生命のかけらを与えた。
主人公(…でも、衰弱がひどい。
生命のかけらを与えても治るだろうか…?)
主人公とティアナ、退室しようとする。
タルテュバ…待て。
…俺みたいなやつをなぜ、助ける?
…俺で…さえ、俺自身で…さえ、俺のことが…好きに…なれなかった。
だのに…なぜ…? ゲホッ、ゲホッ!
…あ…あいにくだな。
まだ…しばらくは…くたばらん。もう少しは…持つ。フフ…。き…気休めか…?
フン…、俺はもう貴族様では…ない。
へつらう…必要は…ゲホッ! ゲホッ!
…なぜだ? なぜ?
打算も見返りもなしにやさしくなれる?
どうして、…俺みたいな…奴に?
ティアナ…あ、あんたもだ。
…俺は…最低な…男だ。
いとこたちの…ような才もない。
愛されるところなど…何も…ない。
ティアナそんなこと…。
タルテュバな、慰めはいい。
俺だって自分のことぐらいはわかる。
人より優れたところなど…家柄だけ。
俺は、だからその家柄にだけすがってかろうじて自尊心を維持してきた。
はたから見れば、イヤな貴族の典型だ。
俺はそれがわかっていたからいっそう荒れずにいられなかった。
酒におぼれ…弱いものをいじめ…
乱暴を働く…皆、俺を嫌いぬいていた。
そんな俺を…誰よりも俺が憎んでいた。
…意外か? 俺に内省力があったなど…
誰でもない自分のことだ、気にしない…わけがない。
…だが、…俺はそれを他人のせいにしてただ、荒れた…。おまえの師匠のオッシはかつてエリスにたてついた貴族なんだ。
俺は奴が、のうのうと平民街で幸せに暮らしているのを見て腹を立てていた。
な…なんで、奴は奴は奴は…って…。
…俺は、俺が大事にしている剣を盗まれて、…カッと来て平民街にモンスターを…放した…。
お前も、…そこにいたろう?
お前は俺が憎く…ないわけはない…。
…だのに、俺を…助ける。

ティアナ…にだって俺はひどいことをした。
覚えているだろう?
俺には助けられるだけの価値はない…
…だのに、なぜ…
あんたらは、俺を助ける?
俺は何もかも…決めてかかっていた。
憎けりゃ、殺してくなる。
愛されない奴は憎まれるしかない。
…そう、思っていた。
だが、すべては…人の心にあるんだな。
人に心が状況を変えるのだな。
俺も…、変われたのかもしれない。
もっと早く…このことに気づいていれば俺が…お前の…ゲホッゴホッ!
き、気づいたときには時間切れか…。
ふ、ふふ…、俺らしい…。
…あばよ。…ロクな人生じゃなかった…が…おかげで…少しは救われ…た…。
セバスチャンタルテュバ様…。


ティアナ人の死になれてしまったのでしょうか。
幼いときから一緒にいた方の死なのに感慨がありません…。
でも、安らかなお顔でしたね。
セバスチャンタルテュバ様も思えば、おかわいそうな方です。
何かにつけて、いとこのレムオン様、エスト様に比べられ、あげつらわれてきたのですから。
タルテュバ様も貴族に生まれなければ…
このような悲しいことにはならなかったのかもしれません…。
タルテュバ様…。
ティアナ主人公様…
少しだけ、一人にさせてください…。

生命のかけらをタルテュバに与えない

ティアナ主人公様?
主人公、退室する


リューガ邸訪問
ティアナ主人公様。
タルテュバ様に、生命のかけらを持ってきてくださったのですか?

はい

ティアナでは、寝室の方に…。

いいえ

ティアナ…そうですか。
あ、おかげで復興の方も軌道に乗ってまいりました。
人の笑顔はいいものですね。