区分1幕

Last-modified: 2014-12-02 (火) 07:17:56

ディンガル帝国
帝都エンシャント、謁見の間

エリュマルクネメアが戻った?
私を見限ったネメアが?
フフフ、今頃なんの用か。
共に魔王バロルを倒したときの思い出話でもしに来たか。
ベルゼーヴァあるいは…、戦場で初めて出会われたときの話かもしれませぬな。
なんのために戦うのかと陛下が問われたとき、民のためにとネメア様は答えられたとか…。
エリュマルクほう、そうか。
そのようなこともあったか。
ククク…。
奴らしいではないか。
魔王を倒す男の言いそうなことだ。
ベルゼーヴァ……………。
ネメア様をお連れしても、よろしいでしょうか?
エリュマルクよかろう。
連れてまいれ。
ネメアとザギヴ現れる。
ザギヴネメア様をお連れしました。
エリュマルク壮健そうでなによりだ、ネメアよ。
私の治世を確固たるものにするために、お前はなんでもしてくれた。
かつて、余の下した12の難事をこともなく成し遂げてくれた恩は、忘れておらんよ。
ネメアその恩に免じて、ひとつ質問に答えてもらえるか?
我が友、エリュマルクよ。
エリュマルクいいだろう。
聞こうではないか。
ネメア初めてあった時の私の言葉を覚えているか?
エリュマルクそんなことか。
たしか戦場だったと記憶している。
なんのために戦うのか、と問うた余に、民のためにと答えたのだったな。
ザギヴネメア様。
これはやはり…。
ベルゼーヴァ決定的ですね。
エリュマルクん? なんだと?
ネメア残念だ,エリュマルクよ。
ネメア、エリュマルクを斬る。
エリュマルクぐ、…ぐほっ!
ネ、ネメ…ア…!
ネメアお前が闇に取り憑かれたことに気付けなかった私を許せ…。
エリュマルクぐ! お、おのれぇぇ!
ネメアぁぁぁぁぁぁ!
ベルゼーヴァ運命にあらがうため。
以前から、それがネメア様の答えだとエリュマルク帝から聞いておりました。
ザギヴ私も同様です。
しかし、まさか、闇の力がこんなところにまで…。
ネメアもはや事態は一刻を争うようだな。
ベルゼーヴァ、用意は整っているな。
ベルゼーヴァは。もちろんです。
ザギヴエリュマルク帝は崩御された。
よって、エリュマルク帝の姉上エスリン様の遺児であるネメア様があとを継がれる。
アンギルダン、カルラ、ジラーク現れる。
ベルゼーヴァ我らはこれより、迫りくる闇の力に対抗しうる勢力を作り上げる。
ネメア…世界を手に入れる。
かつて、魔王バロルを倒し、勇者と呼ばれた男、ネメアは叔父であるエリュマルク帝を退けディンガル帝国の帝位についた。
そして宰相ベルゼーヴァの指揮の下、豊富な国力を生かして大軍隊を組織。同時に、それを率いる4人の将軍を大抜擢した。
魔道アカデミーを首席で卒業したザギヴ・ディンガルを帝国内務統括、玄武将軍に任命、ベルゼーヴァの下で国内を掌握させ…
さらに、少数種族であるコーンス族からジラークを登用、西方攻略軍総司令、白虎将軍に任じ、アキュリュースへの攻撃を命じ…
無名の兵卒であったカルラ・コルキアを青竜将軍に抜擢。
東方小国家連合、及び商業都市リベルダムの攻略を命じ…
かつてバロル帝のもとで名をはせた老将アンギルダン・ゼイエンを南方攻略総司令、朱雀将軍に任じ、大国ロストールの攻略を命じた。
ディンガル帝国皇帝ネメア・ランガスター・ディンガルは、バイアシオン大陸のすべてに戦いを挑んだのである。
かくして世界は、激動と混沌の時代を迎え大きなうねりを描きはじめた…。