天幕の外 | |
アンギルダン | 見忘れ |
船の上 | |
アンギルダン | やはりミズチの棲む湖を越えるのは無理であったか。 この船ももう長くは持つまい…。 主人公、 お主、泳ぎは得意か? 何をふるえておる! 生き延びるためじゃ、来い! |
アキュリュース | |
アンギルダン | ぷふぅ~。 大丈夫か? 主人公。 もはや無事なのはわしらだけか。 しかし、やるだけのことはやらねばなるまいの。 ゆくぞ、主人公! |
ベテラン兵士 | いたぞ! やっぱりあのヘビ、越えられてやがった! |
女魔導士 | それをここで始末するのが私たちの仕事ですからね。 さ、行きましょう! |
戦闘 | |
若い兵士 | ど、どうする俺…? なんか、あいつらめっちゃ強そうだな…。 ええい、めんどくせぇ! こうなったら当たって砕けちまうか!! |
イークレムン | おやめなさい!! |
イークレムン現れる | |
イークレムン | ディンガルの将軍とお見受けします。 |
アンギルダン | いかにも! 朱雀将軍アンギルダンと申す。 そなたは? |
イークレムン | 私はイークレムン。 水の神殿の巫女です。 自衛行為こそしますが、私どもの町は争いを望みません。 武器をお収めください。 ありがとうございます。 つい先程も、この岸にそちらの兵の方がふたりほど漂着されました。 今、傷の手当てが終わったところです。 まもなくこちらに来るでしょう。 |
アンギルダン | なんと…。 かたじけない、感謝いたす! |
黒鎧騎士 | あ、アンギルダン将軍…! |
アンギルダン | うむ。無事で何よりじゃ。 安心せい。お主らの働きはよくわかっておるわ。 |
イークレムン | 湖のミズチたちには、みなさんを襲うことのないよう、私から言い含めておきます。 できれば、もうこれ以上、お互いに誰も傷つけることのないようお引き取りいただきたいのですが。 |
アンギルダン | 我が軍も、今はこれ以上、刃をふるうことはかないませぬ。 かさねがさね、かたじけない。 慈愛に満ちたご配慮、ありがたく甘えさせていただき申す。 |
イークレムン | では失礼いたします。 みな様に清き水の加護があらんことを。 赤い…鎧…。 アンギルダン様…。 |
イークレムン去る | |
アンギルダン | いや、何か懐かしい感じのする娘じゃったのでな。 ば、バカなことを申すな! そら、本陣に戻るぞっ。 |
天幕 | |
ジラーク | …それで、卿らはおめおめと逃げ帰ってきたと、こういうことかね? さすがはアンギルダン将軍。 恥も外聞もなく生に執着させれば大陸一ですな。 |
アンギルダン | 多くの船が大破、あるいは退却を余儀なくされた状況下ではそれが最善と判断したまで。 やはりアキュリュースを攻めるのであれば、まずはミズチを攻略するのが肝要かと思うが…。 |
ジラーク | そんなことは卿に言われずともわかっている!! …もうよい、下がれ。 今後の作戦は後日追って指示する。 |
天幕の外 | |
黒鎧騎士 | アンギルダン将軍…。 我々のために… 申しわけありません。 |
アンギルダン | フハハ。 なに、わしとてあの状況は逃げたくてたまらんかったからのう。 おぬしらが気にすることはないわい。 さあ、また次の戦がある。 戻ってゆっくり休むがいい。 |
黒鎧騎士去る | |
アンギルダン | 主人公、おぬしもじゃ。 また次の戦いがある。 ゆっくり体を休めるがよかろう。 …しかし、船から湖に飛びこむ時のおぬしのこわばった顔…。 あれは、傑作じゃったのう。 ふはははは。 では、またな。 |