天幕の外 | |
アンギルダン | おお。主人公。 今から、ジラークにひとつ言うてやろうと思っておるところじゃ。 ちょうどよい。 お主も来てくれ。 |
天幕 | |
ジラーク | また、卿か。 |
アンギルダン | この状況、いかがするおつもりか? このままでは、いたずらに時と兵を損じるだけだ。 |
ジラーク | 無用な心配だ。 すでに手は打っている。 傭兵を雇った。強力な魔術師だ。 名をシャリという。 これをもって湖の大蛇に対応する。 進軍開始は明朝、以上だ。 アンギルダン将軍はお帰りだそうだ。 お連れせよ。 |
天幕の外 | |
黒鎧騎士 | 申しわけありません、将軍。 我々も白虎将軍のやり方には不満なのですが…。 |
アンギルダン | …わかっておる。 何も言わんでよい。 死竜の洞窟の邪竜に人を喰わせようとしておった者と名が一致するが…。 なんと、シャリとはそのような悪事を働く者なのか…。 その者の目的はいったい…。 じゃが、わしらにはわしらにできることをするしかない。 主人公、明日は早いだろう。今日はもう休んでしまうことにしよう。 |
船の上 | |
アンギルダン | 主人公か…。 昨日はよく眠れたか? …この戦、どう見る? わしは何やらひどく不安じゃ。 胸騒ぎがしおる…。 |
黒鎧騎士 | き、来ました! 例の大蛇です!! |
シャリ | さて、ここで僕の出番なわけだね。 |
ジラーク | 紹介する。 彼が魔導士シャリだ。 |
主人公訴える | |
シャリ | なんだよ。 邪険だなあ。 僕はただ雇われただけだよ。 もちろん、自分の仕事には全力を尽くすつもりだよ。 |
アンギルダン | 死竜に人を喰わせとったのは、お主か! |
シャリ | 何のことぉ? いきなり失礼だなぁ、この人。 まあいいや。 んじゃ、お仕事に精を出しちゃおうかな。 汝、吹きすさぶ風に生まれ、汝、まきあがる土と現る。 暗雲と共にいでよ! 汝! 雄々しき雷よ! 我に仇なす者を撃て!! |
ムービー | |
黒鎧騎士 | ミ、ミズチが…。 |
ジラーク | おお…。 すばらしい…。 |
アンギルダン | 危険だ、危険だぞ、ジラーク! ミズチは水の精、身を焼いてもその力はこの世に残るやもしれん。 それがわからぬお主でもあるまい!? |
ジラーク | その時はまたその力を焼き滅ぼすまで。 全軍前進! アキュリュースに着岸せよ! |
アンギルダン | クッ…。 |
アキュリュース | |
アンギルダン | む? なんじゃこの静けさは…? 迎撃の傭兵も現れんとは。 まさか、罠か!? |
ジラーク | 卿は本当に考えの浅い御仁だな。 罠を仕掛けたのだよ。 向こうではなく、こちらがね。 |
ツェラシェル | あんたの話通り、傭兵どもをまるめこんでおいたぜ。 あとはそっちの仕事…そうだよな? |
ジラーク | その通りだ。 ご苦労だったな。 |
ツェラシェル | どうも。 また縁があったらよろしく。 |
ジラーク | …クズめ。 |
シャリ | ねえ、ジラーク将軍。 僕の報酬についても忘れていないよね? |
ジラーク | 無論だ。 全軍に伝令。 乗船したまま待機。 戦闘態勢は維持。 卿とシャリ、そしてそちらの傭兵は私とともに来てもらおう。 水の神殿の巫女たちに降伏を勧告する。 |
水の神殿前 | |
水の神殿の神官 | そこまでです。 |
水の神殿の神官長 | 大いなる水の精、ミズチを手にかけるとは…。 そこまでしてこのアキュリュースに何を望まれる? |
ジラーク | 我々はただ、我らが帝ネメアの偉大な治世を、あまねく大陸中に広めたいと考えるのみだ。 無用な略奪や戦闘はしない。 約束しよう。それはこちらとしても望むところではない。 そちらが我々の意志に賛同し、穏やかに帝国の支配下に入る事を期待する。 |
水の神殿の神官 | この町は水の精霊神をまつり、水の精霊に祈りを捧げる聖地です。 その聖地を守る者たちをかどかわし、ミズチを殺すような者たちに渡すことなどできません!! |
ジラーク | 賛同してもらえぬのなら仕方ない。 沿岸に待機させた兵たちを上陸させるまでだ。 |
水の神殿の神官 | くっ…。 |
シャリ | あの、緊迫してるところを悪いんだけど、僕の報酬、もらってもいいかな? |
ジラーク | 構わん。 好きにするがいい。 |
シャリ | ねえ、君、イークレムンだよね? 僕は君に用があるんだ。 急で悪いんだけど、僕についてきてくれないかなあ? |
アンギルダン | なっ…!? ジラーク! いったいどういう事だ!? |
ジラーク | 何を騒ぐことがある? 卿はあいかわらずくだらないことで騒ぐのだな。 この者が要求した報酬はイークレムンという巫女の身柄だ。 我々には何も問題あるまい。 |
水の神殿の神官 | それはなりませぬ! イークレムン様はいずれ水の巫女として精霊神に仕えるお方。 そのような得体の知れぬ者に渡すことは、決して許されませぬ! |
シャリ | うわ、ひどい言われようだなあ。 でも、そんなこと言っていいの? 僕、報酬もらえないなら個人的にここで暴れちゃうよ? さっきみたいな事もしちゃおうかな? やあ、君たちはさっきの水蛇たちだね? 僕が憎い? ならどうする? ここで僕とまた戦おっか? よーし、負けないぞ!! |
イークレムン | やめて! ミズチたち!! あなたたちが戦うことはないわ! 大丈夫…、私は大丈夫。 だから、お願い、もう怒らないで。 もう傷つかないで…。 |
シャリ | すごいね、イークレムン。 君はもう水の巫女としての力に目覚めつつあるんだね。 |
イークレムン | ひとつ、約束してください。 私は、あなたについていきます。 そのかわり、この町と、町の人には絶対に傷つけないでください。 |
シャリ | わかったよん。 僕が興味あるのは君だけだから他なんかどうでもいいや。 じゃ、行こうか。 |
水の神殿の神官長 | イークレムン様! |
イークレムン | すいません、みなさん。 あとはよろしくお願いします。 つらいでしょうが今は、耐えてください。 誰も傷つくことのないように。 |
水の神殿の神官長 | はい…。 |
イークレムンとシャリ、消える | |
アンギルダン | イークレムン!! ん? これは…。 |
ジラーク | どうしようというのだね? 朱雀将軍アンギルダン殿。 |
アンギルダン | 奴を追うのじゃ! |
ジラーク | なぜだね? 彼の坑道は私との契約に違反しない。 つまり、何も問題はないのだよ。 卿の行動には不審な点が多い。 それ以上、私の意志に反するようなら軍規に基づき罰を与える。 |
アンギルダン | 軍規がいかほどのものか! わしはわしが正しいと思う道を行く! |
ジラーク | その言葉、 叛逆と見なさざるを得んな。 朱雀将軍アンギルダン・ゼイエン! その力量と、現在の状況を考え この私が今、処罰する!! |
ジラークとの戦闘 | |
ジラーク | …なぜだ。 なぜ卿はそれほどまでにあの娘にこだわる…。 |
アンギルダン | すまぬ。 こんなわしにも守らねばならぬ絆があったようでな。 ここを平和的に支配下に置くという、イークレムンとの約束は守ってくれ。 では、わしは行かせてもらうぞ。 すまなんだな、主人公。 この老いぼれの降って湧いた親心にお主までつきあわせてしまって。 今、このようになってしまってからようやく確信を持って言える。 あの娘は、わしの子じゃ。 これを見ろ。 前に話したかの? 人魚のウロコで作った耳飾りじゃ。 イークレムンが落としていった…。 ……………。 主人公、すまんが 今しばらく、わしに力を貸してくれ。 では、二手に分かれよう。 何かあったら、以前お主が話しとった猫屋敷で呼び出してくれ。 これは、お主に預けておこう。 何かの手がかりになるかもしれん。 |
人魚のイヤリングを手に入れた。 | |
アンギルダン | では、ひとまずさらばじゃ。 |