名前
博古鎮で毎年寒露*2の前日に行われる仮装行列。
練り歩く人はみな特殊な化粧を施しており、頭に刃物が刺さっていたり、内臓がお腹からとび出ていたり、梁にぶら下がって首を吊っているなど、猟奇的な見た目をしている。これは数百年前にこの町に実在した、賀生という青年の皆殺しの模様を再現しているため。
賀生は非常に聡明だったが有り得ないくらい運が悪く、最後には気が狂って自分を苦しめた悪人を皆殺しにした。町の人々も皆、悪人には苦しめられていたことから、人々は賀生がこれからも悪人から自分たちを守ってくれるようにと願って、皆殺しの日と同じ日に血社火を行うようになった。
参考資料
血社火は中国の北方地域特有の風習で、陝西省宝鶏市の一帯で行われている。
無言劇だが、役者は化粧や道具で苦痛や処刑の場面を模倣し、悪を非難するという劇の主題を観客に伝える。観客は隈取り(くまどり、歌舞伎役者のような化粧)で役者が何の役かを知ることができる。
社火の一種で、社火とは元宵節前後に行われる催し物のこと。血社火は他の種類の社火とは違い、すべて悪徳をこらしめる内容となっている。
赤沙鎮という町の血社火は水滸伝*3の「獅子楼」を題材にしている。
赤沙鎮の血社火(中国語):
https://www.chinapress.com.my/?p=871320
獅子楼
豪傑の武松は自分の兄・武大に会いに帰ってきたが、家に入ると兄の姿はなく、かわりに位牌が置いてあるのを見つけた。兄の妻・潘金蓮に事情をきくと心臓病で死んだと言う。日頃健康だった兄が心臓病で死ぬなどおかしいと疑った武松は、真相を究明しようと決意する。
そして、潘金蓮が金持ちで遊び人の西門慶と通じて、兄を毒殺したことを突き止めた。
真相を知った武松は斧やハサミ、千枚通しなどで西門慶とその手下たちの頭を刺して、兄に二人の首を捧げて復讐を果たした。