原文引用編4

Last-modified: 2021-12-09 (木) 00:50:24

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少女アサシン

【劣等魔法はオカルトが前提⁉︎量子力学の基本も知らない作者。ところで先生?『ラプラスの悪魔』がどういう扱いかご存知? 】

第1話「邂逅」

 ――この二十一世紀は、魔法が迷信から科学へ発展を遂げた世紀だった。
 魔法の科学的研究は、超能力と呼ばれた異能の分析に始まる。
 魔法が技術として確立する過程で、超能力のシステムは解明された。
物理世界の全ての事象は情報を残す
 記録媒体は、想子と名付けられた非実体粒子。
 想子は、物質を構成する粒子、物理的エネルギーを媒介する粒子、如何なる素粒子とも複合粒子ともそれ単体では相互作用を見せない。だが想子が組織的な構造を形成すると、組織化された人のニューロン細胞体に規則的な電位変化を生じさせる。
 それは生きた人間の大脳皮質ばかりに見られる現象ではなく、化学的に合成した神経細胞体、さらには結晶化加工を施した神経細胞体の集合によっても観測された。
 この観測結果により、物理現象と想子構造体の間には厳密な対応関係があると判明した。
 類似した物質には、類似した構造体を。
 類似した現象には、類似した構造体を。
 物質や現象の類似性が高ければ高い程、想子構造体の類似性も高い。
 物質やエネルギーそのもの、その作用によって引き起こされる現象の種類、その変化――事象に応じて形成される想子の構造体は、『想子情報体』と名付けられた。
 通常は、事象の変化に伴って、想子情報体が形成される。
 想子情報体は変化するのではなく、瞬間瞬間で新規に構築され、時間流の中に積み上がっていく。
 しかし異能――超能力が超常現象を起こす際には、想子情報体の形成が先行して観測された。
 非実体粒子の構造体が、物理現象をねじ曲げた。
 即ち、情報が事象を書き換えたのだ。
 現代の魔法は、この発見を基礎としている。
 それは魔法の基礎原理であり、超能力の基礎原理でもある。
 

【劣等星のちぐはぐな教育環境、長々と語っていいますが要は「こんな環境でトップの高校の中でトップの俺スゲー」です】

二〇七〇年代以降、国公立学校は大学まで授業料が免除になった。

直接の学費だけでなく、生活費の支援も手厚くされている。

今や学校を選ばなければ、高校進学に経済的な負担は無いに等しいが、

高校と高等専門学校を合わせた進学率は九〇パーセント強と第三次世界大戦前をむしろ下回っていた。

経済的な理由ではなく、進学意欲が低下したことによるものだ。

向学心が廃れたのではなく、学歴信仰が薄れたのである。

近年、国家が実施する学力試験の証明書が高校、大学の卒業証書と併用する形で企業に採用されるようになった。

また学習の手段が多様化したことで、高校に進学しなくても、後から幾らでも取り返しがつく時代が到来していた。