スキャナー

Last-modified: 2021-03-02 (火) 15:03:13

注釈(*1~)にマウスポインタを合わせると、注釈の内容が表示される。

第1 フラットベッドスキャナー(flat bed scanner)

第1-一 読み取りセンサー

画質(色調や階調など)を重視する場合、CISの機種は避けて、CCDの機種を買う方が無難。
(参考:スキャナーのCCDとCISの違いは?/日経パソコン)
(参考:精美堂ホームページ: ドキュメントイメージスキャナQ&A 第1回 スキャナの読取りセンサにはCISとCCDがあるようですが、それぞれの特徴は何ですか?)
(参考:イメージスキャナ - Wikipedia)
(参考:CCDリニアイメージセンサ TCDシリーズ|データブック|東芝 セミコンダクター&ストレージ社)

  1. 3色LED
    CISの機種が光源として採用している。黄色及びシアンのスペクトルが大きく欠落している。
    (参考:発光ダイオード 8.2 3色LED方式による白色発光 - Wikipedia)

第1-二 歪み

歪みについては、原稿がスキャナガラスに密着している条件の場合 、
CCDの機種よりもCISの機種の方が歪みがほとんどない。
(これはCCDがミラーを使って読み取る過程で光を屈折させるという仕様上の問題の為)

第1-二-(一) 縦横比の歪み

エプソンの旧製品GT-F650/GT-S600及びGT-F670/GT-F700は、縦横比の歪みがやや大きい模様。A4縦(JIS規格297×210mm)を読み取った場合に、1.414:1*1の縦横比が1.414:1.02ぐらい(つまり2%ぐらい横伸び)になるとのこと。(参考:価格.com - 『横に五ミリほど伸びてしまう…』 クチコミ掲示板)エプソン製のその他のスキャナーやキヤノン製スキャナーでも、0.5~1.0%ぐらいの歪みがあることは特別なことではない。気になる場合は、スキャン画像をソフトで修正する。初めに挙げたエプソン製4機種については、横伸び率が左端寄り・中央・右端寄りで違い、右端に近づくほど横伸び率が大きいようなので、全体の縦横比をソフトによる修正で精確にしても部分的な歪みは残るが、結合などを行わない場合は、そんなに目立って分かるものでもなくなる。ソフトで修正しても、画質への影響はほとんどない。ソフトでの修正方法は、自炊方法-加工第3-一-(三)-4.縦横比(アスペクト比)の補正を読むこと。

第1-二-(二) 長方形が平行四辺形になる歪み

キヤノンの旧製品CanoScan 5400F(及び同系製品)は、長方形を読み取ると、若干(0.2~0.3度)歪んで平行四辺形になる。
エプソンGT-X970についても、同様の歪みがあるとの情報(プリンタ、スキャナー@2ch掲示板■■エプソンスキャナ GT-X750/GT-F570/GT-F520■■>>843)あり。これについては、検証方法不詳だが、ほぼないとの情報(プリンタ、スキャナー@2ch掲示板■■エプソンスキャナ GT-X750/GT-F570/GT-F520■■>>592)もある。

第1-二-(三) 歪み検証用画像

下記の各スキャナーで方眼紙をスキャンした画像。
スキャン領域を指定せずにスキャナー読み取り面の全面をスキャンした。
方眼紙の縦横2辺の余白を切り取り、切り取った辺をスキャナー読み取り面の端にピッタリ付けてスキャンしたので、写っていない目盛の分が各スキャナーの読み取り不能領域ということになる。

  1. 方眼紙スキャン画像(歪み確認用)
    http://graphpaper01.angelfire.com/scanner/
    1. キヤノン CanoScan 5600F
    2. キヤノン CanoScan 9000F
    3. キヤノン CanoScan LiDE 200
    4. キヤノン DR-150
    5. エプソン GT-S620
    6. エプソン GT-X820
    7. エプソン GT-X970
    8. キヤノン PIXUS MP990
  2. 方眼紙(ES-H7200)
    http://www1.axfc.net/uploader/Ne/so/90738.zip&key=jisui
    1. エプソン A3ネットワークスキャナー オフィリオ ES-H7200

第1-三 A4スキャナー

第1-三-(一) キヤノン製品

  1. 現行製品
    1. CanoScan 9000F
      2010/6/17発表(UKキヤノンでは2010/5/4発表)のCCD機。2010/7/8から販売開始。
      定番機CanoScan 8800Fの後継機。
      1. 画質
        白黒原稿の画質は前機種で定番機であるCanoScan 8800Fに近い。取り込んだだけだとCanoScan 8800Fとの違いが分かりづらいが、補正処理を行ったところCanoScan 9000Fの方が黒がフラットで締まった感じに仕上がったとのこと。
        カラー原稿の画質は、IT8キャリブレーションを行わない状態では、CanoScan 8800Fとはそれなりに違う。CanoScan 9000Fの方が綺麗な気はするが、両機種ともソースと見比べると色が違うとのこと。
      2. 読み取り速度
        全面スキャン、600dpiの条件で、スキャンボタンを押してから終了までの時間が15秒ちょっとぐらい。
        全面スキャン、600dpi、カラー48ビット、[拡張モード]→[詳細設定]→[色の設定] →「色補正なし」の条件で、13~14秒ぐらい。
      3. BTScanを使用して読み取る場合の留意点
        BTScanのタイマー機能が使える。ただし、100Mバイト超の画像を出力させようとすると、拒否される。ドライバーにもエラーメッセージ相当の設定がなく、理由は不明。
    2. CanoScan 5600F
      2008/8/21発表のCCD機。
      CanoScan 8800FとCanoScan 4400Fとの中間に位置する製品。
      画質は不明。
    3. CanoScan LiDE 210(CanoScan LiDE 700F)
      2010/8/30発表のCIS機(LiDEシリーズは全てCIS機)。
      旧製品CanoScan LiDE 200には、画像情報欠落や細部の変形があるとの情報がある。これらの問題の詳細は、旧製品CanoScan LiDE 200の項を読むこと。これらの問題がCanoScan LiDE 210でどうなったのか不明。
  2. 旧製品
    1. CanoScan 8800F
      2007/8/23発表のCCD機。2010年4月に販売終了となったため、在庫限り。
      現在の定番機。
      1. 画質
        紙質(紙の質感。印刷がない部分)が出るが、CanoScan 4400Fよりは少ない。原稿を縦置きにしてスキャンした画像と、横置きにしてスキャンした後90度回転した画像とでは、光源の当たり方が違うため紙質の出方が変わる。
        黒系統のインクで暗く印刷された箇所中の汚れ・むらをはっきりと読み取る。
        カラー印刷物を読み取ったときの色相は正確で安定している。A4超の原稿を複数回に分けて読み取り、結合する場合において、色ずれが少なく、結合しやすい。
      2. 読み取り速度
        光源を前機種CanoScan 8600Fの冷陰極蛍光ランプから高輝度白色LEDへ変更したことにより、従来必要であった約30秒のウォームアップ時間が不要となった。
        読み取り自体も速い。カラー・グレースケールとも、300dpi約6秒、600dpi約15秒(【コミック】 自炊技術スレッド 27冊目 【書籍】>>750)。
        キヤノンによると、前機種CanoScan 8600Fに比べて300dpiで約3.6倍、600dpiで約2.1倍高速。
      3. 歪み
        少ない。
      4. BTScanを使用して読み取る場合の留意点
        BTScanのタイマー機能が使えない。BTScanと併用してタイマー機能を実現するツールが【初めての】スキャン職人養成スレ 八【自炊】>>25で公開された。(公開時のものは消えている。最新版が【初めての】スキャン職人養成スレ 11【自炊】>>730でUPされている。非公式のツールであるため、何らかのトラブルが発生する恐れはある。使用する場合は、自己責任で。)
      5. 内部清掃のための解体方法(メーカー非公認。自己責任で。)
        自炊方法-スキャン第2-六-(二) スキャナー内部の汚れを読むこと。
      6. スキャナーの蓋をアクリル板へ交換する方法(メーカー非公認。自己責任で。)
        自炊方法-スキャニング第2-七-(一) 裏写り対策を読むこと。
    2. CanoScan 4400F
      2006/8/22発表のCCD機。
      2005年以前のキヤノン製の傾向から変わって、エプソン製と同様に紙質が出る。
      歪みについては、0.8%ぐらい横縮みするとの情報(【初めての】スキャン職人養成スレ 四【自炊】>>443)あり。
    3. CanoScan 8600F
      2006/8/22発表のCCD機。CanoScan 4400Fと同時発表で、CanoScan 4400Fよりもフィルムスキャン性能が充実している。
    4. CanoScan 5400F
      2005/7/5発表のCCD機。
      以前の定番機。
      1. 画質
        2005年以前のキヤノン製は、紙質が出ないので白飛ばし*2がしやすく、画調がソフト。
      2. 歪み
        第1-二-(二)のとおり、若干歪みがある。
      3. 内部清掃のための解体方法(メーカー非公認。自己責任で。)
        自炊方法-スキャン第2-六-(二) スキャナー内部の汚れを読むこと。
    5. CanoScan LiDE 200
      2008/8/21発表のCIS機。
      1. 画像情報欠落
        スキャナー読み取り面の長辺に対して平行に、画像情報が欠落し左右がつながらないことによる段差の線が発生するとの情報あり。
        1200dpiでスキャンした場合、1284ピクセルごとに3ピクセルぐらいの欠落があるとのこと。
        (参考:価格.com - 『データ抜けが発生しています。』 CANON CanoScan LiDE 200 のクチコミ掲示板)
      2. 細部の変形
        読み込んだ画像を拡大して見ると、ななめの輪郭はギザギザ、スクリーントーンの1点1点は丸●が四角形■に変形している。
        (参考:価格.com - 『斜めラインが波打ちます』 CANON CanoScan LiDE 200 のクチコミ掲示板)

第1-三-(二) エプソン製品

エプソン製は、2005年以前のキヤノン製よりも、紙質が出て白飛ばしがしにくく、画調がシャープな傾向。

  1. 現行製品
    1. GT-X970
      2007/8/28発表のCCD機。
      画質の詳細は不明。
      カラリオ|スキャナー|GT-X970|高画質へのこだわり|エプソンによると、「本体組立工程において、専用調整機で1台1台微調整を行い、出荷しています。」とのことなのだが、第1-二-(二)のとおり長方形が平行四辺形に歪むかもしれない。
      プロファイリングソフト「EZ color」が同梱されており、個体差や経年変化による色空間の狂いを校正することができる。(参考:スペシャルコンテンツ「解説:Ez color」)
    2. GT-X820
      2009/9/3発表のCCD機。
      画質・歪みの詳細は不明。
      白色LED光源を2本採用し、スキャンも立ち上がりも速くなった。
      2方向から原稿に光を照射することで、原稿のしわや折り目により写像に生じる影を低減するとのことであり、紙質が出にくくなった。
      (参考:価格.com - 『雑誌のスキャン』 EPSON GT-X820 のクチコミ掲示板)
      1. ドロップアウト機能
        赤・青・緑の3色の中から、指定した色を除去できる。(モノクロ/8bitグレースキャン時のみ)
    3. GT-S630/GT-F730(GT-S630との違いはフィルムスキャン装備)
      2010/6/3発表のCCD機。
      1. 画質
        本のノドや原稿のシワなどがはっきり目立つ。
        読み取り面から浮いたところが青くなる。
        原因の一つは、前機種GT-S620と同様の薄型設計により被写界深度が浅く、ぼやけやすいため。
        また、LED光源の指向性が冷陰極管光源よりも強いためではないかとも推測される。
        (参考:エプソン製スキャナGT-S630が折れ目の読み込みに弱い件 (r271-635))
      2. ドロップアウト機能
        赤・青・緑の3色の中から、指定した色を除去できる。(モノクロ/8bitグレースキャン時のみ)
      3. 紹介記事
        【PC Watch】 エプソン、実売4万円台のA4シートフィードスキャナ「ES-D200」 ~A4フラットベッドスキャナ2機種もモデルチェンジ
  2. 旧製品
    1. GT-S620/GT-F720(GT-S620との違いはフィルムスキャン装備)
      2008/8/26発表のCCD機。
      画質の詳細は不明。
      歪みについては、かなり改善した。(プリンタ、スキャナー@2ch掲示板■■エプソンスキャナ GT-X750/GT-F570/GT-F520■■>>648-)
      光源に白色LEDを採用したことにより、光源のウォームアップ時間が不要となった。
      薄型設計のため、被写界深度が浅く、ぼやけやすい。
      読み取りガラス面の強度があまりなく、重い本を置くと、ガラスが下がってセンサー部とぶつかり歪んでしまうとの情報あり。(参考:価格.com - 『初心者で初購入なので教えていただければうれしいです』 クチコミ掲示板)これについて、他の人が追加検証(【初めての】スキャン職人養成スレ 九【自炊】>>993)したところ、「とりあえず広辞苑を置いてスキャンしてみたけど、特に沈んでセンサーにぶつかるとかはなかった。その人のが壊れてたんじゃない?」とのこと。
      本を解体せず、見開きにして読み取る場合、見開き中央の影が濃く幅広く出る。(価格.com - EPSON GT-S620 ckoshienさんのレビュー・評価)
      1. ドロップアウト機能
        赤・青・緑の3色の中から、指定した色を除去できる。(モノクロ/8bitグレースキャン時のみ)
        (a) モードをプロフェッショナルモードへ変更
        (b) イメージタイプをモノクロ又は8bitグレースキャンに設定
        (c) イメージタイプの左横にある「+」をクリック
        (d) イメージオプションが表示される。
    2. GT-X770
      2007/8/28発表のCCD機。
      画質の詳細は不明。
      歪みについては、きちんと検証されていないが、横伸びしているとの情報(2ちゃんねるダウンロードソフト板nyで落とせるお勧め同人誌201>>686,746)と、それとは逆に、やや縦長になるとの情報(価格.com - EPSON GT-X770 sao0219さんのレビュー・評価)とがある。
    3. GT-F670/
      2007/5/30発表のCCD機。
      第1-二-(一)のとおり、縦横比の歪みが大きいので、これを買うことは避ける方が良い。
    4. GT-F700/GT-F650/GT-S600
      2006/7/4発表のCCD機。
      第1-二-(一)のとおり、縦横比の歪みが大きいので、これらを買うことは避ける方が良い。
    5. GT-F570/F520
      2005/6/13発表のCCD機。
      歪みについては、0.5%ぐらい横縮みする。(プリンタ、スキャナー@2ch掲示板■■エプソンスキャナ GT-X750/GT-F570/GT-F520■■>>364-404)

第1-四 A3スキャナー

第1-四-(一) Mustek社製品

  1. ScanExpress A3 USB 1200PRO
    新品では最も安く、四万円ぐらい。センサーはCIS。
    日本では、エニスル・オンラインショップが輸入販売している。

第1-四-(二) ブラザー製品

  1. A3カラー複合機MFC-6490CN
    2008/9/2発表。四万数千円ぐらい。センサーはCIS。ADF*3(原稿自動送り装置)付き。(参考:5万円台のA3複合機 ブラザー「MFC-6490CN」を試す)
    1. 読み取り不能領域
      読み取り不能領域が上下左右各3mmぐらいずつあるため、実際の読み取り範囲はA3に縦横各6mmぐらいずつ満たない。

第1-四-(三) エプソン製品

ネットワークスキャナが九万円ぐらいからで、ADFユニット(別売)に対応している。センサーはCCD。中古の旧製品を探せば、数万円から。

  1. ADFユニット使用時の留意点
    1. 裏写りを低減したい場合は、紙送りベルトを黒マジックなどで塗りつぶす。
    2. 紙端数mmは読み取られない。
    3. 紙端近くの色調や階調がその内側と違う。

第1-四-(四) 日本電気(NEC)製品

  1. PR-MW-SC51
    2007/7/18発表。センサーはCCD。ドライバーが独自(TWAIN・ISIS™非対応)。ADF付き。二十万円ぐらい。A4機(PR-MW-SC41)もある。ADFは、文庫サイズに対応していない模様。

第1-四-(五) エグゼモード(EXEMODE)製品

  1. ScanBit MFS-A3
    2010/6/18発表。センサーはCIS。直販価格39,800円(消費税込)。
    中身は ScanExpress A3 USB 2400 Pro USB Port Scanner と同じもの。
    http://www.mustek.com/home.php

付属のTWAINソフトなども同じ。
Windows XP/Windows Vista (32/64Bit)/Windows7 (32/64Bit)
(LAST UPDATE)2010-10-06 15:14:34
(VERSION)1.0
(SIZE)74MB
http://www.mustek.com/product_resources/drivers/scanner/usbport/2400pro/setup.exe

第1-五 ブックスキャナー

解体せずに、のどの近く(OpticBook 3600の場合、8mmぐらい読取不能領域がある。)まで読み取ることができる。

第1-五-(一) Plustek社製品

  1. OpticBook 3600
    五万円ぐらい(Amazon.comで買うとさらに安くすむ)。
    日本では、エニスル・オンラインショップが輸入販売している。
    かなり画質が悪いとの情報あり。(プリンタ、スキャナー@2ch掲示板【フラベ】本の取り込みに最適なスキャナ4【ADF】>>48)
    1. のどの近くの読取不能領域をほぼなくす改造(自己責任で。)
      OpticBook3600改造説明
      http://jisui-technique.angelfire.com/OpticBook3600/
  2. OpticBook 4600
    海外で2008年6月ごろから発売開始となった模様の新型機。
    九万円ぐらい。
    日本では、エニスル・オンラインショップが輸入販売している。
    OpticBook 4600紹介記事(英文)
    http://www.justechn.com/2008/06/09/plustek-opticbook-4600-scanner

第1-五-(二) NEXX(ネックス)製品

OEM元はAvision社

  1. DocuSaver シリーズ BookEdge Scanner NX6200
    Basic版価格68,250円(税込)。

第1-六 関連スレ

第2 プリンター型ADF(原稿自動送り装置)付きスキャナー

プリンター型とは、センサー位置が固定されていて、紙が送られながら読み取られるタイプのこと。

  1. 長所
    高速で大量に読み取れる。
  2. 短所
    1. フラットベッドスキャナーと比べて、特にカラーの画質が悪く、色ずれも大きい。色ずれの度合いは、白黒原稿をカラーで読み取り、描写と紙地との境界部分を拡大して見ると分かりやすい。
    2. 原稿搬送方向に平行な縦線ノイズが発生することがある。縦線ノイズの発生は、撥水ガラスコートの使用と頻繁な清掃によりかなり抑えられるが、一切発生させないことは困難。
      1. 縦線ノイズの原因
        (a) 読取面に付着したゴミなど
        (b) ホワイトバランス調整エラー
        多くの機種では、原稿を読み取る前に裏当ての白板を読み取り、それが白になるような補正値を算出して、ホワイトバランスを調整している。その白版を保護するガラス面の一部が傷つき、プリズムのように分光されることで、傷ついた部分については不正な補正値が算出され、色が狂う。
    3. スクリーントーン描写に斜め縞状のむらが発生することがある。

第2-一 裏写り

裏当てが白の機種では顕著。
裏当てが黒の機種では、ほとんど気にならない。

第2-二 主要低価格機

  1. 超音波重送検知機能
    超音波重送検知機能ありの機種が望ましい。
  2. 最低価格帯
    次の2機種は、原稿搭載枚数及びスキャン速度の点でかなり劣り、超音波重送検知機能もないため、自炊には向かない。
    1. キヤノン製imageFORMULA DR-150
      2009/10/6発表、2009/10/16発売。
      TWAIN・ISIS™対応。
      センサーはCIS。
      最大トレー積載量は、約20枚(64g/m²紙)。又は、積載高さ3mm以下。
      読取速度(A4縦)は、給電強化時で、グレースケール300dpi両面:15枚(30面)/分、600dpi:5枚(10面)/分、カラー300dpi両面:6枚(12面)/分、600dpi:1枚(2面)/分。
      超音波重送検知機能なし。
    2. 富士通(PFU)製ScanSnap S1300
      2009/11/16発表、2009/11/21発売。
      ドライバーが独自(TWAIN・ISIS™非対応)。JPEG又はPDFでの出力となる。
      センサーはCIS。
      原稿搭載枚数は、最大10枚(80g/m2)。
      読取速度(A4縦)は、給電強化時、カラー/グレースケール共通で、300dpi(スーパーファイン)両面:4枚(8面)/分、600dpi(エクセレント):0.5枚(1面相当)/分。
      超音波重送検知機能なし。

第2-二-(一) キヤノン製imageFORMULA DR-2510C/2010C

DR-2010Cと2510Cの違いは?
DR-2510Cは2007/11/6発表・発売、DR-2010Cは2008/4/15発表・発売。
裏当ては白。
TWAIN・ISIS™対応。
センサーはCIS。
読取速度(A4縦)は、DR-2510Cがグレースケール300dpi両面:25枚(50面)/分、600dpi:13枚(26面)/分、カラー300dpi両面:15枚(30面)/分、600dpi:3枚(6面)/分。DR-2010Cがグレースケール300dpi両面:20枚(40面)/分、600dpi:11枚(22面)/分、カラー300dpi両面:13枚(26面)/分、600dpi:3枚(6面)/分。
超音波重送検知機能については、DR-2510Cはあり、DR-2010Cはなし。

  1. 購入者によるレポート(2007/11/8)
    雑誌を読み取ると、裏写りが顕著。紙の厚い同人誌ならば、辛うじて可。
    裏当て部分に黒テープを貼ってみたが、エラーになってしまう。
    「裏写り・地色除去」機能は、コントラストや輝度を変えているだけで、Photoshopで調整した方がまだマシな感じ。一応、地色がある部分を判別しているみたいだが、読み取り時間が倍ぐらいになり、グラデーションがまばらになるので、コミックには向かず、テキスト向けの機能だと思う。
    DRシリーズ特有のライン抜けは健在。でも2580Cよりは目立たない。
    給紙速度ムラによって、特定の位置に出る横線は、あるが、ほとんど目立たない。
    DR-2050シリーズで発生する、原稿下端の影は、購入当初段階ではない。
    ダブルフィードが、購入当初のテスト中に、問題のない原稿で二度発生した。
  2. 購入者によるレポート(2007/11/20)
    conecoクラブ(コネコ クラブ) 商品レビュー・クチコミ・使用感 DR-2510Cの使用感について
    漫画雑誌を標準添付のCapturePerfect3.0で読み取ったサンプル画像あり。

第2-二-(二) キヤノン製imageFORMULA DR-2050SP/DR-2050CII

DR-2050SPと2050CIIとの違いは?
DR-2050SPは2007/1/24発表~2009/7/10発売終了、DR-2050CIIは2006/12/4発表~2007/10発売終了。
裏当ては黒。
TWAIN・ISIS™対応。
センサーはCISで、カラー画質はあまりよくない。
読取速度(A4縦)は、グレースケール300dpi両面:10枚(20面)/分、カラー200dpi両面:6枚(12面)/分。

  1. 両面読み取りの表のページの下端が、帯状に色が暗くなる。
    対策例:ピンクと緑の板を付ける。要微調整。トラブルの恐れあり。
    1. 画像は断面図で、左側が本体側、右側が開閉カバー側。
    2. 黒い円は金属ローラー、青い円は排出口のゴムローラー
    3. 「~mm」と書いてあるのは「厚み」であって、幅ではない。
    4. 搬送抵抗は増える。

第2-二-(三) 富士通(PFU)製ScanSnapS1500 /S1500M

プリンタ、スキャナー@2ch掲示板ScanSnapシリーズ総合スレ有志による解説ページこちら
S1500はWindows®モデル、S1500MはMacモデル。
2009/2/2発表。
ドライバーが独自(TWAIN・ISIS™非対応)。JPEG又はPDFでの出力となる。
センサーはCCD。
読取速度(A4縦)は、カラー/グレースケール共通で、300dpi(スーパーファイン)両面:20枚(40面)/分、600dpi(エクセレント):5枚(10面)/分。
超音波重送検知機能あり。

  1. 本をデジタル化しよう ScanSnapは歪むのか?
    原稿の左右の端に近い部分が歪む。
    なお、自炊スレの一部の人たちは、この歪みを「ぐにょり」と読び、この歪みのためにScanSnapを毛嫌いし、ScanSnap所有者に冷たい態度で接する。
  2. miyahan.com | PFU ScanSnap S1500 製品レビュー P.2
    約5万枚使用したScanSnap fi-5110EOX2(2005/5/17発売終了)との比較
    1. 画質
      1. 色の精度、ディテールの解像度が向上している。
      2. 裏写りの改善は見られない。
    2. サイズ自動検出
      精度が向上している。
  3. スタパビジョン-#028 FUJITSU「ScanSnap S1500」
  4. 【実演動画】「ScanSnap S1500/S1500M」の新機能をチェック!

第2-二-(四) 富士通(PFU)製ScanSnap S510

2007/1/22発表~2009/2/7発売終了。
裏当ては白。裏当て部分に黒テープを貼ると、エラーになってしまう。
ドライバーが独自(TWAIN・ISIS™非対応)。JPEG又はPDFでの出力となる。
センサーはCCDだが、カラー画質はやや青緑っぽくなり、あまりよくない。
読取速度(A4縦)は、カラー300dpi(スーパーファイン)両面:6枚(12面)/分、600dpi(エクセレント):0.6枚(1.2面)/分。

  1. サイズの自動判別に失敗して、最大の大きさで取り込まれる事がある。
  2. 重送がたまに起きる。
  3. 画像上下1cm程度のところに歪みが出る。
  4. カラーで読み取ると、文字周り等に色ずれが出る。

第2-二-(五) 富士通(PFU)製fi-6130

2008/4/21発表。
裏当ては、白にするか黒にするかをドライバで切り替えられる。
TWAIN・ISIS™対応。
センサーはCCDで、画質は、フラットベッドスキャナーには及ばないが、プリンター型ADF付きスキャナーとしては良い方。
読取速度(A4縦)は、カラー/グレースケール共通で、300dpi両面:30枚(60面)/分。
超音波重送検知機能あり。
原稿サイズ自動検知機能がなく、切り抜き(トリミング)が必須であり、作業工程が増える。
原稿サイズ自動検知・傾き補正機能あり。
ガイドをしっかりと合わせないと傾きやすい。
原稿の紙質にもよるが、コミックなどの場合、原稿をピックアップするゴムローラーが原稿のインクで汚れやすい。このため下面(表側)の上部が頻繁に汚れることになるので注意。

  1. fi-6130 - 電脳スピーチ blog
    購入者によるレポート。
    fi-6130 で方眼紙をスキャンして歪み検査 - 電脳スピーチ blogによると、fi-6130の歪みは、下位機種よりもかなりマシな模様。

第2-二-(六) コクヨS&T製さくっとファイリングby Caminacs

OEM元はPlustek社SmartOffice PS282又はSmartOffice PS286
2007/6/8発売。
裏当ては黒。
TWAIN対応。
センサーはCIS。
読取速度(A4縦)は、グレースケール200dpi両面:12.5枚(25面)/分、カラー200dpi両面:4枚(8面)/分。
超音波重送検知機能なし。
600dpiで読み込んだ画像を拡大して見ると、ななめの輪郭はギザギザ、スクリーントーンの1点1点は丸●が四角形■に変形している。この細部の変形は、キヤノン製フラットベッドスキャナーCanoScan LiDE 200における細部の変形(前述)とよく似ている。また、薄いスクリーントーンは縞状に白飛びしている。画質が他社製対抗機種に比べてかなり劣るため、これを買うことは避ける方が良い。

  1. カラーマッチングの設定
    コミックや写真などを読み取る場合、次のようにすると、色相やコントラストなどがかなり自然になる。
    1. 標準ソフトにより読み取る場合
      「カラーマッチングの適用」にチェックする。
    2. BTScanなどのTWAIN対応ソフトから読み取る場合
      ドライバーTWAIN画面の詳細設定タブの「カラーマッチング」をsRGBカラーに設定する。
  2. 購入者によるレポート(2008/1/20、2/10)
    この購入者が上記カラーマッチングの設定をどのようにしていたのか不明。仮に初期設定のままだったとすると、色相やコントラストなどについてはかなり評価が異なるものになる点に注意。
    1. 画質
      特に薄い原稿でなければ、あまり裏写りはしない。
      グレースケールの画質は標準レベル、カラーの画質はADFのCISなのでよくない。
      上下1~2cmの歪みは出ないし、変なグラデーションも出ない。
      薄い線(細い線)が潰れる。
      薄い色が無くなる。
      薄い色のトーンや水彩系のページでは、特定間隔で色の強弱?が出る。(干渉している?600dpiで顕著)
    2. 搬送
      紙質の違う紙を300P以上流したが、特に異常なし。
    3. 黒ベタが多いページにおける留意点
      「自動切抜き」にチェックがされていると、黒ベタのところが切られる。
      「自動傾き補正」にチェックがされていると、画像が傾く。
    4. 小説に関して
      行間が狭くなったり、広がったりする。文字も横に潰れたり広がったりする

第2-二-(七) コダック製ScanMate i1120スキャナー

2008/3/26発売。
裏当ては白。
TWAIN対応。
センサーはCCD。
読取速度(A4縦)は、カラー/グレースケール共通で、300dpi両面:11枚(22面)/分。
超音波重送検知機能なし。
裏写りがi40よりもひどい。
ひどく傾く。微調整で大体まともになるが、それでも数枚傾いてた。
原稿サイズ自動検知機能あり。

第2-二-(八) コダック製イノベーション スキャナー i40(両面モデル)

2005/4/6から2005/10/23まで発売されていた旧製品。(参考:2005/10/24発売のマイナーチェンジモデルi40T)
2007/10/24現在、メーカー保証のない未開封未使用品が一万円弱~一万二千円ぐらいで販売されている。
裏当ては白。電源投入時に裏当て部分をスキャンして、それでホワイトバランスを取るようになっているらしく、裏写りを抑制しようとして裏当て部分に黒テープやカラーテープを貼ると、エラーになってしまう。
TWAIN・ISIS™対応。
センサーはCCD。
読取速度(A4縦)は、カラー/グレースケール共通で、150dpi両面:25枚(50面)/分。
超音波重送検知機能なし。
ファームウェアドライバー等ユーザーマニュアル(ガイドは日本語版あり)は、アメリカサイトから入手できる。

  1. [Kodak スキャナプロパティ]ダイアログボックスの設定
    1. ダイアログボックス内左端のカメラ選択ボックス内(表面(カラー)、裏面(カラー)、表面(白黒)、裏面(白黒))でチェックしたものが出力される。
      ダイアログボックス内右側の設定は、チェックしたもの全てについての共通設定ではない。例えば、表面(カラー)と裏面(カラー)をチェックして両面出力する場合、表面(カラー)について設定した後、裏面(カラー)をクリックして選択し、裏面(カラー)についても個別に設定する必要がある。
    2. コミックを読み取る場合、画像タブのカラーテーブルをピクチャ(初期設定ではピクチャ付きテキスト)に設定すると、グラデーションが自然になる。
  2. 出力トレイの設計が悪く、排紙角度が適切でないため、画像下部に紙折れ変色が発生する。
    出力トレイ上に排紙受け台を設置し、排紙角度を調節することで変色が抑えられる。
    1. 排紙受け台設置画像1
    2. 排紙受け台設置画像2
    3. 排紙受け台設置画像3
  3. 紙端から2~3cmぐらいまでの描画が、かなり歪む。
    次のような対策をしてみると一応改善するが、よい解決法は確立していないので、各自で工夫して、よい方法が見つかったら発表してほしい。
    1. 対策説明画像
    2. 対策前後比較画像
    3. 耐久性に難あり。
      キズもつくだろうし、充填剤も剥げそう。そもそも一冊持つのか?
    4. お手軽感無し。
      加工はけっこう難しいし、時間もかかる。
  4. 内部清掃のための解体方法(メーカー非公認。自己責任で。)
    自炊方法-スキャン第2-六-(二) スキャナー内部の汚れを読むこと。

第2-二-(九) エプソン製ES-D200

2010/7/22発売。
裏当ては不明。
TWAIN対応。
センサーはCCD。
原稿搭載枚数は、最大75枚。
読取速度(A4縦)は、カラーで、300dpi両面:10枚(20面)/分。
超音波重送検知機能なし。

  1. 紹介記事
    【PC Watch】 エプソン、実売4万円台のA4シートフィードスキャナ「ES-D200」 ~A4フラットベッドスキャナ2機種もモデルチェンジ

第2-三 関連スレ・参考サイト

第3 機材自作

第3-一 デジカメでのブックスキャン方法の試行錯誤(非解体スキャン方法)

開いたページにアクリル板又はガラス板を押し付けて、そのページを平面にする装置を組み立てる。

第3-二 手作り全自動ブックスキャナ

レゴで、解体していない本のページをめくる装置を組み立てる。

第3-三 自動スキャンマシン 試作02型 作ったよ! - 花夢電科雑多log

レゴで、ADF(原稿自動送り装置)を組み立てる。
以前に作ったLEGOで自動スキャンマシンを自作するの次世代版。

第3-四 接写用三脚+デジタルカメラ

接写用三脚
無反射ガラス
ブッククリップ
本の撮影面を押さえるには無反射ガラスを乗せたりブッククリップで端を挟んだりするとよいかもしれない。
撮影した画像は、PDFDietなどで加工する。

第4 その他のスキャナー

大体は、本を解体せず、デジタルカメラで撮影するような仕組み

第4-一 Atiz社製V字型クレードル

2台のデジタルカメラで撮影する。

  • Atiz.JP
    Atiz.JP は、Atiz Innovation,Inc.が開発・製造する商品の情報を提供するWebサイトで、Atiz社の日本総代理店 安全貿易有限会社が運営している。

第4-一-(一) BookSnap

1,595ドル
(参考:Atiz BookSnap 家庭用「自炊」クレードル - Engadget Japanese)

第4-一-(二) BookDrive DIY

4,995ドル

&flash(http://www.youtube.com/v/BfVyfRARuts,425x350,bgcolor=#fff);

第4-二 キルタス社製自動ブックスキャナAPT BookScan 2400RA

株式会社ブライトホープ | APT BookScan2400 RA

第4-三 A3対応 カラーオーバーヘッド スキャナー / ブックスキャナー(BookShot1200G)

イメージングのベストパートナー:株式会社マイクロテック

第4-四 旭光精工(キョッコウセイコウ)株式会社製上向きブックスキャナー

上向きブックスキャナー|製本機・ブックスキャナー等のオフィス機器 旭光精工

第4-五 コニカミノルタ製ブックスキャナ(EPICWINシリーズ)

ブックスキャナー | コニカミノルタ

第4-六 ION製ブックセーバー

ブックセーバー | ION
アメリカのアマゾンで$189.99で売られている。
2011年10月26日現在$149.99にディスカウントされた。
http://www.amazon.com/Ion-ISC02-Document-Scanner/dp/B004Y5APCU/ref=sr_1_1?ie=UTF8&qid=1318992761&sr=8-1
日本では、ION代理店のホームページによると近日発売予定とのことである。
諸事情により開発製品化中止とのこと。
http://www.ionaudio.jp/newgear2011/

&flash(http://www.youtube.com/v/TQ3XJtuGT5I,425x350,bgcolor=#fff);


&flash(http://www.youtube.com/v/annCmIa-a08,425x350,bgcolor=#fff);

第4-七 YANKO DESIGN製スキャンボード

SCANBOARD | YANKO DESIGN

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*1 A版やB版の縦横比は、√2:1(白銀比)になっている。ちなみに、新書版の縦横比は、1.618:1(黄金比)になっている。
*2 白飛ばしについては、自炊方法-加工第3-二-(二)-3.紙質(紙の質感。印刷がない部分)の処理の目標(白飛ばし)を読むこと。
*3 ADFとは、Auto Document Feederの略