【ヴィスタリア姫】

Last-modified: 2021-02-09 (火) 01:06:08

概要

Ver.4.1シナリオ【栄光の勇者と消されし盟友】に登場する人物。
1000年前の【ファルエンデ国】の姫。【勇者アルヴァン】の許嫁として、臣下の【ヤスラム】と共に【古グランゼドーラ城】に滞在している。
 
かつて【オルセコ王国】で行われた御前試合で、【盟友カミル】が誤って彼女の兄である王子を殺めてしまう。アルヴァンたっての希望によりカミルは助命されたが、その条件としてファルエンデ国王は、ヴィスタリアとアルヴァンの婚約を約束させた。
このことからカミルを憎んでいて事あるごとに辛辣な態度で接しており、【フェリナ姫】からは良く思われていない。一方アルヴァンには恋愛感情を抱いておらず、ヴィスタリア自身他に好きな少年がいたが、その少年はヴィスタリアがグランゼドーラに向かったあと、魔王軍の攻撃で落命したという。
 
カミルと共に【神儀の護堂】で禁術を捜索する際、ヤスラムを伴って強引に同行すべく現れる。
しかし、禁術を発見したところでヤスラムに化けていた【知将ジャミラス】が正体を現し、彼女は人質に取られてしまう。
その際、命懸けで自身を守るカミルの行動を見て、彼女は考えと態度を改める。
また、カミルのアルヴァンに対する秘めた想いを看破し、そのことを指摘。そのあとアルヴァンとカミルがお互いを大切に思っていることを知ると、婚約を破棄すると宣言した。
 
更にはカミルが自らを犠牲に禁呪を使おうと決意していることを察し、アルヴァンにそのことを警告するが、これが裏目に出て今度は彼に同じ決意をさせてしまう。
結果としてアルヴァンはカミルを置き去りにして【不死の魔王ネロドス】と相打ちになり、ジャミラスの奸計も功を奏してカミルはグランゼドーラ国民から裏切り者と誤解されて誹りを受け、失意のうちに帰らぬ人となった。
ヴィスタリアは二人が犠牲となる切っ掛けを作ってしまった事を強く悔やんでおり、その後は真実を後世に伝えるべく尽力したという。当初は誰もヴィスタリアの言うことに耳を貸さないばかりか中傷する有様で、それでも「(兄を失った時の自分のように)今は悲しみが心を閉ざしているだけ」として、決して諦めたりはしないと強い決意の色を見せているが、やはり並大抵の努力ではなかったであろう。
その結果、カミルの汚名は雪がれ、現代グランゼドーラ城の勇者の聖壇の記述はカミルの栄光を称えるものに変化する。
【主人公】が介入する前の歴史ではカミルは裏切り者の逆賊と伝わっていたことから、残念ながら彼女の努力は実らなかったようだ。
 
Ver.2.1の時点で「アルヴァンとカミルが愛し合っていた」という事実が判明しており、Ver.4.1でいきなり登場した「アルヴァンの婚約者」ヴィスタリア姫は、2人の仲を引き裂くお邪魔虫になるのではないかとされていた。
しかし蓋を開けてみれば、兄を殺した相手が盟友と謳われ殺せず、好きでも無い相手に嫁ぎ、好きな相手を亡くし、ようやく兄の仇を許せると思っても和解できず、自分の言動のせいで相思相愛の恋人2人を亡くし自分だけ生き残るという、ドラクエシリーズでも指折りの可哀相なお方であった。
自国も現代では滅びてしまっているが、一生を賭けてカミルの潔白を証明できたことは、非常に誇れることである。
 
髪型は縦ロールであるが、Ver.4.1の実装時点では人間のプレイヤーキャラでは再現不可能(ウェディ、ドワーフ、プクリポは可)。

【若き彫刻家の才能】

Ver.4.2で追加されたクエストにおいて、盟友像の再建のために再び古グランゼドーラ城にいる彼女のもとを訪れ、【勇者と盟友の肖像画】?を描いてもらう。
ここで彼女が絵画を嗜んでいることが判明し、部屋に飾ってある兄との肖像画も彼女が描いたものらしい。
 
クエスト【故郷は遠きにありて】同様、カミルの写真を撮る手段が無いでは無いが、手間はそちらよりもかなりかかるため、このような形になったのだろう。

【水底の待ち人】

池の底で見つかった遺体について、【水底の指輪】と高貴な身なりから、本物のヤスラムだったと確信し、【フェリナ姫】に真相を話す。カミルの潔白を証明しようとしながらもこれまで真相を話さなかった理由は、カミルから口外しないよう約束していたこともあるが、それ以上にただ真相を話したところでそれが事実であることを証明するものがなく、カミル憎しの現状では到底信じてもらえないと諦めていたためである。
しかし、本物のヤスラムの遺体が発見されたことで事実を証明できることとなり、フェリナ姫の後押しもあり二人で【ジュテ国王】に全ての真実を打ち明け、カミルの名誉が回復されることになった(同時にカミルの懸念通り一部の住人がヴィスタリアを憎むようになってしまったが)。
 
この時点で大方の目的は果たしており、自身もいずれファルエンデ国に戻るとのことだったが、名誉の回復に一生を賭けたという記述があるため、その後も疑念を持ち続けた人の説得に尽力し続けたのだろう。

命名の背景 

「超ドラゴンクエストⅩTV in 超会議2018 出張版」(2018/4/28)にて安西Dより、「名前の意味も調べてもらえたらいいかなーと思います」とのコメントがあった。
「ヴィスタリア」(wistaria)の意味は「藤色」。ちなみにWikipediaで「藤色」と調べると「藤色に関するエピソード」として『源氏物語』の藤壺女御、紫の上、等々の記述が出てくる。
おそらくは、今から1000年前に『源氏物語』を書いた「紫(=ヴィスタリア)」式部を意図したネーミングであり、「1000年前のアルヴァンとカミルの物語を現代に伝えた人物」との含意であろう。
これはVer4.1ストーリーの、「ドラクエの王道的な勇者の物語を、『周囲の人物がどのように見、どのように後世に伝えたか』という切り口から語る」という制作意図を象徴した名付けであると考えられる。