【Wii版】

Last-modified: 2023-09-17 (日) 02:49:13

概要

2012年8月2日に発売された。DQ10最初の対応プラットフォーム。
2008年12月10日に「WiiにてDQ10が開発中である」ことが【堀井雄二】の口から明かされ、その後2011年9月5日の「誕生25周年 ドラゴンクエスト新作発表会 ~いま開かれる新たな扉~」にて正式発表。そして2012年2月23日から応募当選者にのみ行われてきたベータテストを経て発売された。
ゲーム機がかなり普及していたこともありWii版のユーザーは多かったが、2017年11月15日をもって惜しまれながらも本作のサービスが終了した。詳しくは後述。

Wiiとは

任天堂が2006年12月に発売したゲーム機。読みは「ウィー」。
DVD相当の光ディスクドライブと無線LAN(Wi-Fi)によるネットワーク機能を持つ。縦長の無線コントローラー「Wiiリモコン」と片手デバイスを合わせた「ヌンチャク」により独特のプレイ体験をもたらし、国内累計1200万台を越える大ヒット機となった。
反面、同世代の他機種に比べ内蔵ストレージはフラッシュメモリ512MBのみと少なく、映像出力はHDに対応していない。
黒色の本体セットにDQ10とUSBメモリー、クラシックコントローラPRO、1000円分のプリペイドカードを加えた同梱版も発売された。
 
前世代機ニンテンドーゲームキューブの互換機能を持ち、GC用ソフト・コントローラ・メモリーカードが使用できる。またWiiソフトにはGCコントローラで操作できるものもある。
このため、Wii発売後に投げ売りされていたGCソフトと周辺機器が売れ出す現象が起き、さらに流通在庫の枯渇したGCコントローラはWiiに合わせた新色が生産・発売された。
 
DQシリーズではその操作を生かしたゲームとして【ドラゴンクエストソード 仮面の女王と鏡の塔】が2007年に発売され、これ以外にはバトルロードビクトリー、当時開発中だったDQ10のプロモ映像も収録したDQ1・2・3移植版も発売された。
 
DQXTV番外編「プロデューサー夜話~bar miyake」(2017年11月2日)によると、本作の機種選定ではPlayStation 3も候補にあったが、堀井雄二の「(PS3は)高い」という意見がWii決定の大きな理由のひとつとなったという。

特徴

MMOに必須の大容量ストレージ(データ保存領域)が内蔵されていないため、USBフラッシュメモリーをWii本体に挿す必要があった。一回ディスクの中身をUSBにインストールしたら、以降はディスクレスで遊べる。
Wii版にダウンロード版は存在せず、インストール用ディスクを収録したパッケージ版のみ供給された。なおオールインワンパッケージの発売はVer.1+2のみ。Ver.1・オールインワンのいずれもディスクは2枚組のため、インストール途中でディスクの交換作業もあり少し手間。画面にはディスク交換・インストール終了までの目安時間が表示される。
 
USBメモリーは16GB以上の容量が必要となる。インストールに際し型番やメーカーを限定することはないが、公式サイトでは動作確認品の販売メーカーを公開するとともに各社へのリンクを貼っていた。
DQ10発売に合わせたスクエニライセンス品として、HORIからはドラキーTシャツの特典コードを同梱した特別デザインのUSBメモリーが発売された。
DQ10とUSBメモリーのセット販売版、さらにWii本体とのセット版には任天堂製の「Wii USBメモリー」(型番:RVL-035)が同梱された。Wii用周辺機器となり表向きの対応ソフトはDQ10のみだが、パソコンなど他の機器でも使用することができる。
 
Wii版の利用券は【Wii U版】/【Windows版】/【Nintendo Switch版】に使いまわしできたのも特徴。
画質は解像度808×456(16:9ワイド画面設定の場合)、30fps。Wii自体の解像度は854×480だが、DQ10では画面周囲に無描画部があるため、実際の解像度はひとまわり小さい。
性能の限界で画質は荒くメッセージウィンドウも大きい。ワイド画面設定ではメッセージウィンドウや文字類、画面右下のメンバーリスト、地図は横に引き伸ばされた状態で表示される。
コントローラはWiiリモコン+ヌンチャク、Wiiリモコン+クラシックコントローラPROに対応している。初期モデルのクラシックコントローラも使用できるが、形状やZL・ZRボタンの位置からDQ10には適さない。
また、Wiiリモコン単体やゲームキューブコントローラには対応していない。
アップデートの仕様は他機種と異なり、オンラインモードのメニューに入る際【Love Song探して】のBGMとともに自動実行された。
 
テレレーで有名だった【シンセサイザー音源】を聞けたのはWii版のVer.1まで。Ver.2をインストールすると他機種同様オーケストラ音源にアップデートされる。

問題点

DQ10発売の年末に後継機Wii Uの発売が控えていたハード末期のため、サービス当初はさほど問題にならなかった「Wiiというハードの限界」が徐々に見え始めてしまう。主に、

  • 有線化してもボトルネックになるネットワーク接続。
  • 外付けのため遅いUSBメモリーと、非常に長いインストールやアップデート時間。
    • インストール・アップデートの際、USBメモリーの断片化により容量不足のエラーが発生することがあった。
    • 任天堂から配信された「USBメモリー修復プログラム」にて改善できたが、時間がかかる上に修復中は当然DQ10をプレイできない。
  • メインメモリの制約とグラフィック性能の低さ。ユーザーイベントで十数人集まっても6~7人しか見えない。
    • さらに、これに合わせるために他ハードでのグラフィックレベルを上げられない。

一番下についてはVer.3.5.8で一応の解決をみたが、影響は大きく開発・運営上の限界が刻々と近づいていた。
そして…

Wii版のサービス終了

2017年2月のDQXTVにて、Wii版はVer.3期間終了をもってサービス終了と告知された。理由は主に

  • 数世代前の旧式ハードという開発上の足かせ
  • ハードの販売元である任天堂のサポート終了による開発機材の枯渇

の2点であると番組内で語られた。
後者の方が影響が大きく、ハード発売から10年以上経過し任天堂の開発サポートも終了しており、開発キットの新規調達ができず実機検証が行えなくなってしまう。さらに任天堂のサポートがないということは、クライアント側のシステム起因のセキュリティ上の不具合があっても修正・回避困難を意味するので、(クライアント側を信用していない設計であるとはいえ)MMORPGであるDQ10としては容認できないことであり、泣く泣くサービスを終えることとなった。
 
Wii版ユーザーへの対応として、【Nintendo Switch版】への無料アップグレードキャンペーンが期間限定で行われたほか、終了直前の2017年10月18日~11月15日までは利用券が切れていてもWii版のみ無料でプレイできた。
 
そして2017年11月16日午前0時00分、Ver.3の終了(メンテナンス開始)とともにサービス終了。
同時にWiiポイントによる利用券購入やヌンチャクといったWii版絡みのサポートも終了した。
同日、オンライン接続を必要としない【オフラインモード】の仕様変更により、サポート対象外にはなるがWii版のみこのモードがプレイ可能となっている。
 
なお、DQ10利用券購入の窓口だったWiiショッピングチャンネルも2018年3月27日にWiiポイントの追加が終了、2019年1月31日には各種コンテンツ購入も終了した。未使用のWiiポイントの払い戻しは2019年2月20日~2019年8月30日まで実施された。
以降は購入済みコンテンツと修正プログラムのダウンロードのみとなり、時期未定ながらWiiショッピングチャンネルの完全終了もアナウンスされている。
 
5年間頑張ってくれたWii版に感謝。