【……知らなかったのか…?大魔王からは逃げられない…!!!】

Last-modified: 2023-03-19 (日) 13:34:51

ダイの大冒険

【ドラゴンクエスト ダイの大冒険】の大魔王【バーン】の台詞(コミックス22巻)。
名言の多いバーンの台詞の中でも作中一、二を争うほど有名な台詞となっている。
現在ではネタとしての使い勝手の良さから、SNS等で引用されることも多い。
 
ついに主人公【ダイ】たちの前に姿を現した大魔王バーン。
大魔王は傍に【ミストバーン】【キルバーン】という大物を従えていながら2人を留め置き、自分1人で一行に相対する。そしてダイたちは一方的になぶり物にされる展開である。
仲間が次々に倒されていく中、撤退するしかないと魔法使いの【ポップ】【ルーラ】で一行の脱出を図ろうとするも、戦いの舞台【バーンパレス】には目に見えない結界が張られていたためそれは遮られて墜落してしまう。
まさかの事態に呆然とするポップ、そこへバーンが発した台詞がこれで、最後の手段であるはずの「逃走」すら叶わない状況は一行と読者に圧倒的な絶望感を与えた。
 
同じく有名な【…今のはメラゾーマでは無い…メラだ…】もこの戦いでのバーンの台詞。
そのように圧倒的な力の差を見せつけられたうえで、とどめの「大魔王からは逃げられない」。
その絶望感たるや、いかばかりか。
その後、一度はダイが再起し奮闘するもののこの戦いは結局完敗に終わり、大団円までは実にコミックス15巻分を費やすことになった。
 
なお作中ではこれまでにルーラで危地を脱する場面がたびたび登場しており、【マトリフ】がポップに最初にルーラを習得させたのも確実性の高い戦略的撤退の手札に使えるからという理由がある。
だから勝てないならルーラで逃げるというのは常道であり自然な展開のはずだった。
それを逆手に取り、「ボス級の固定敵からは逃走不可能」というゲーム内の不文律を絡めて大魔王の絶対性を端的に示した名台詞がこれである。
特に秀逸なのが最初の「知らなかったのか…?」の部分で、いわば"ドラクエの常識"である「『大魔王(ラスボス)からは逃げられない』ことも知らなかったのか?」という問いかけとしてメタ要素を意識させる仕掛けになっている。
連載時期と重なるDQ3~FC版DQ4ではルーラを戦闘中にも使えたので、これが読者のゲーム体験と重なることで無類の説得力を生んだのだ。
 
ちなみに連載当時ジャンプの担当者は「メタ的にクスッと笑えるネタは大魔王の威厳を損なう」と猛反対したらしいが、【三条陸】は「ドラクエの漫画化である以上はゲームに準拠する内容として絶対に入れたいし、メタ要素と相俟って圧倒的な絶望感を表現できる」として押し切ったという。
結果的には三条の狙いが当たり、作中屈指の名台詞として今日まで語り継がれることとなったのだった。

ダイ大コラボでの引用

【ドラゴンクエスト30周年記念プロジェクト】の一環として実施された、スマホゲー「星のドラゴンクエスト」・「DQMスーパーライト」のダイ大コラボイベント(前者2016/12~、後者2017/3~)でも登場。
公式としても「これ入れなきゃダメでしょ」というレベルにあるのだろう。使用法は以下の通り。

星のドラゴンクエスト

大魔王バーンのHPを一定量減らした時に使用する行動の際に使用。
この台詞が描かれた大魔王バーンのコマが映し出され、味方全員のCTを空にする。
コラボイベントのCMでも使用され、CMのラストにこの台詞が描かれた大魔王バーンのコマが映し出された。

DQMスーパーライト

「大魔王バーン」「真・大魔王バーン」の戦いで「逃げる」を選択した時に使用された。
ちなみに通常のボスであれば「この戦いからは逃げられない!」となる。