【にげる】

Last-modified: 2024-04-14 (日) 02:09:36

概要

逃げる。一般的には様々な意味があるが、RPGでは【戦闘】から離脱する(つまり、敵から逃げる)行為を指す。
DQシリーズの場合、味方側と敵側とでは仕様が異なる。いずれも実行すると効果音を伴い

○○○○は にげだした!

というメッセージが表示される。
この効果音は、基本的には「ダカダカダカッ」という、同じような音を3回繰り返すのだが、
作品によっては「ジャカジャカジャカッ」という雑音多めの音だったり、「タカタカタカッ」という乾いた小さめの音だったり、あるいは「ダカダカッ」と2回しか繰り返さない作品もある。
いずれにせよ、逃げるときの足音をイメージした効果音であろうことは言うまでもないだろう。
浮遊している敵や、水中にいる敵でも同様であるが、作品によっては雑音が多かったり、もしくは敵や背景のビジュアルによる視覚効果によって、バタバタ(バサバサ)と羽ばたいて逃げ出したり、バシャバシャと水音を立てて逃げ出したときの音のように聞こえなくもない。
 
戦闘システムが根本的に異なる不思議のダンジョンシリーズにはコマンドとしてのにげるは存在しないが、戦闘状態から即座に離脱する手段として【ルーラ草】などのアイテムが登場している。
逆にこのようなアイテムがない場合、原則的に「逃げる」ことはできない(斜め移動などを駆使して無理矢理逃げることができる場合もあるが、飛び道具が飛び交う深層やモンスターハウスでは期待薄)。

味方サイド

読んで字のごとく、モンスターから逃げ出すことで戦闘を回避する行動。
基本的に「にげる」コマンドとして実装され、作品によってはメインコマンドだけでなく個別コマンドとしても登場することがある。成功すると味方パーティ全員が戦闘から離脱したことになり、そこで戦闘が終了する。
DQ10オンラインとDQ11(3DS版除く)のフリー移動バトルモードではアクションによって逃走できる。
 
DQ1より全作品に登場する、由緒ある戦略であり、ピンチからの脱出、【HP】【MP】の温存、時間の節約などが主な目的となる。
作品により仕様や成功率がまちまちだが、おおむね共通する点としては、

  • 失敗する可能性がある。失敗した場合は「しかし まわりこまれてしまった!」のメッセージの後、1ターンの間こちらは無抵抗のまま総攻撃される。特に全体攻撃を放ってくる敵相手に失敗すると目も当てられない。
    【ボス級モンスター】をはじめ、イベント戦闘では必ず失敗する(一部例外あり、後述)。
  • こちらが不意を付いた場合は、確実に逃げられる。
  • 逃げる前に敵をいくら倒していても【経験値】【ゴールド】は手に入らない。

などが挙げられ、逆に作品ごとに異なる点として、

  • メインコマンドか、個別コマンドか。
  • 個別コマンドで逃げた際、他のキャラが行動できるか。
  • 失敗した場合に敵が全員攻撃してくるか、一部だけが攻撃してくるか。
  • 敵全体を行動不能にした場合、確実に逃走可能なのか。

などがある。
そのほか、成功率の計算式や関わるステータスも作品ごとに異なっている。
 
逃げるのに成功した場合、次に表示されるメッセージは基本的にないため、逃げる際に【▼】が出た時の心境は言うまでもない。

モンスターサイド

敵モンスターも逃げ出すことがある。
DQ1(FC版等)のみ仕様が他の作品と異なるので後述とし、ここではそれ以外での共通仕様について述べる。
 
敵側の「逃げる」は攻撃や各種呪文・特技と同様にモンスターの行動のひとつとして設定されており、【ターン】内で順番が回ってきた時に個別に逃げ出し、戦闘から離脱する。逃げたモンスターからは経験値・ゴールドを得ることはできない。
すべてのモンスターが自発的に逃げ出すわけではなく、行動パターンに「逃げる」が設定されたモンスターだけが逃げ出すことがある。
また、敵モンスターの「逃げる」はDQ10を除いて必ず成功する。DQ10での失敗例は【メタルトラップ】を参照。
【ときのすな】が使える作品では戦闘開始時からやり直すという形で「逃げる」をなかったことにできる。
 
モンスターが逃げるかどうかは【判断力】と密接な関係があり、例えば【メタル系】のスライムは判断力が低く設定されているため、こちらのレベルに関係なく一定確率で逃げ出すようになっている。
判断力が高いと、こちらのレベルが適正レベル帯の間は「逃げる」がキャンセルされ、こちらが圧倒的に強くなるとはじめて逃げ出すようになる(詳細はDQ2~DQ4・DQ11の項参照)。
判断力が最高の敵が逃げる行動を持っていると、他に有効な行動がない場合はすべてキャンセルされて即座に逃げ出してしまう。もちろん、「逃げる」がキャンセルされるレベルなら逃げるもキャンセルされて「通常攻撃」に切り替えてくる。
このせいでDQ9などでは【ぬすむ】のが難しいという現象が生じており、【ミイラおとこ】系統などの例が有名である。
 
【パルプンテ】の「おそろしいもの」効果や特技【みのがす】でも敵が逃亡することがある。
パルプンテの場合、敵が唱えて同じ効果が現れた場合は当然こちら側が強制的に逃亡させられる(ここでは成功率100%)。これで逃がされても【戦歴】にはカウントされないので安心しよう。
また作品によって異なるが、【ニフラム】【バシルーラ】で消したり吹き飛ばしても、なぜか逃げたような表現がされる。
 
モンスターが逃げ出した際は、2Dグラフィックの戦闘ではそのモンスターが消えるだけだが、3Dグラフィックの場合は敵が背中を見せて逃げる描写がされる。特にPS2版DQ5ではモンスターがご丁寧にも背景の道をちゃんと通って逃げる様が描かれる(【死の火山】【メタルスライム】が逃げる時によく見られる)。
 
【シンボルエンカウント】の作品では、戦闘中の行動パターンに「逃げる」を持たなくとも、フィールド上の敵シンボルが逃げる(こちらから離れていく)パターンがある。
メタル系のスライムなどはある程度の距離を逃げるとシンボル自体が消滅する。

DQ1

初代ドラクエの時点で、前出の「共通する仕様」はほぼ完成されている。
成功率には【すばやさ】のステータスと敵の守備力・敵ごとに設定された値が関与していて、基本的に強敵ほど逃亡しにくくなっている。
逃走成功率の計算式は、

逃走成功率=主人公の素早さ÷(主人公の素早さ+敵の守備力×n)
ただしnは敵ごとに値が設定されており、取りうる値は1/4、3/8、1/2、1の4種類

【主人公】のレベルが高くても必ず逃げられるわけではないが、逆に「絶対逃げられない」という仕様もできなかったらしく、すべての敵から逃亡が可能である。
ただし、【沼地の洞窟】【ドラゴン】【ドムドーラ】【あくまのきし】【ゴーレム】の3体はこちらが逃亡すると画面が切り替わって戦闘発生マスの1歩手前に戻されるので「倒さず目的地に行く」というのは不可能。
【りゅうおう】の場合はというと第一・第二形態ともに話しかける前の状態になり(「世界の半分」という話もまた行われる)、第二形態に進んでいても第一形態からやり直しになる。
どの固定敵もそうだが逃亡後再戦すると相手側のHPはリセットされてこちらが与えたダメージは消えてしまう。
 
敵側は、自分と相手の力に差があると1/4の確率で逃げるようになる。先制攻撃しておいて逃げ出すこともあるが、先制攻撃でない場合でも、こちらのコマンド入力になる前にいきなり逃げてしまうことすらある。

リメイク版

DQ4以降のエリアレベル次第で確実に逃げられる仕様が逆輸入されている。
こちらのレベルが十分でない場合の確率は、1・2回目が50%、3回目が75%、以降87.5%となる。
 
なおスマホ版では【竜王の城】の地下2階以降の敵からは、最高レベル(30)であっても回りこまれることがある。

DQ2

基本的に【ローレシアの王子】のコマンドで、他の二人の「じゅもん」の代わりに「にげる」が使える。
ローレシアが行動不能になると、【サマルトリアの王子】【ムーンブルクの王女】の順で【ぼうぎょ】コマンドが「にげる」に変わり、防御ができなくなる。
まあ、ローレが死んだ後に防御する作戦は考えにくいし、そもそも大抵サマルたちのほうが圧倒的なスピードで死んでいくのであまり関係ない。
FC版では、逃走成功率は66%で固定。
他のシリーズに比べるとやや高めなので、ピンチになったり、戦うのが面倒だったりした場合は逃げるのも良い。
ただし、どんなに弱い敵でも逃走成功率は66%のままなので、格下の相手に対しては逃げるよりもさっさと殲滅した方が早いことも多い。
また、何度逃げに失敗してもやはり66%のままなので、本作に限った話では無いが、本作及び前作とDQ5以降(早い話がDQ3、DQ4以外の全て)は何度逃げに失敗しても逃走成功率が100%にならず、理論上は永遠に逃げられないこともありうる。
本作では逃げそこなったときに全員がきっちり行動してくるので、数が多いと余計に厄介。
逃げ損なって【ドラゴンフライ】やドラゴンに焼き殺されるのはお約束。
なお、前作に引き続きイベント戦闘での逃亡に関しては現在のRPGの常識と違い、逃げられるものが半数近くを占める。

場所相手逃亡可否逃亡した場合の結果
【ルプガナ】【グレムリン】×2「にげる」自体はできるが即再戦
【大灯台】【グレムリン】×4アイテムを出さずに敵が消える
【デルコンダル城】【キラータイガー】×1敵は消えるが王様は怒ってなにもくれない
【ローレシア城】【じごくのつかい】×1アイテムを出さずに敵が消える
【ムーンぺタ】【べビル】×2戦闘前配置に戻る
【海底の洞窟】【じごくのつかい】×2×
【ハーゴンの神殿】1F【デビルロード】×2戦闘前配置に戻る
【ハーゴンの神殿】4F以後【アトラス】×
  • 敵が消えてしまうタイプのものは【ダンジョン】【城】に入りなおすと再度出現するので詰みになることはない。
  • 戦闘前配置に戻るタイプは話しかけると相手の匹数やHPが初期状態まで回復して再び戦闘になる。
  • 敵側の逃亡は通常もパルプンテでもこちらが撃破した場合と同じ(【シドー】のみ即再戦)。
    • だたし、当然ながら逃げられたらドロップアイテムは得られなくなる(特に地獄の使いの雷の杖)。

なお逃亡不可の戦闘は、今作では「固定敵が出てくるマスでは逃げられない」という処理になっている模様で、ハーゴン城のボスたちは確認不能だが、海底の洞窟ではじごくのつかい撃破後でもそのマスで通常【エンカウント】が発生すると逃げることができない。
 
敵側は、ローレシアの王子の【ちから】÷2がそのモンスターの攻撃力以上であれば逃げるようになる。
このため、行動パターンに逃亡があるのに攻撃力が高いゆえに(適正レベルでは)全く逃げないモンスターも少なくない。
【もょもと】プレーであれば別だが、そうでなくともFC版当時は最高レベルを目指すくらいしかやり込み要素が無かったこともあり、【デルコンダルにシドー召喚】させるときなど、強くなってから下界へ戻って来る機会があれば、意外なモンスターが逃げ出して驚いたのではなかろうか。

リメイク版

DQ1と共通でDQ4以降のエリアレベル次第で確実に逃げられる仕様が逆輸入されている。
また、イベント戦闘からの逃亡がFC版とはいろいろ変更されており、下記の表のようになった。

場所相手逃亡可否逃亡した場合の結果
ルプガナグレムリン×2通りの東の端まで移動させられる
大灯台グレムリン×4×
デルコンダル城キラータイガー×1敵は消えるが王様は怒ってなにもくれない
ローレシア城【あくましんかん】×1アイテムを出さずに敵が消え、二度と現れない
ムーンぺタべビル×2×
海底の洞窟じごくのつかい×2×
ハーゴンの神殿1Fデビルロード×2×
ハーゴンの神殿4F以後アトラス他×
  • ルプガナのグレムリンはイベント発生地点まで戻ると再び会話が始まり戦闘になる。
  • デルコンダルのキラータイガーは城を出入りするとまた戦闘できるが、ローレシアのあくましんかんは永久に消えたままになる(敗けた場合でも同様)。

DQ3

前作同様、先頭のキャラクターの専用コマンド。
先頭が【勇者】など「じゅもん」を使えるキャラクターの場合に「ぼうぎょ」できなくなるのも同様。
そのため【防御攻撃】の裏技を使いたいなら【戦士】【武闘家】を先頭におくと良い。
パーティーに非呪文職が一人もいないと常に先頭キャラが防御できず、やや不利である。
なお、今作ではモンスターに【モンスターレベル】が設定され、先頭のキャラよりも10以上レベルの低い敵からは確実に逃げられるようになった。
一方でステータスの割にレベルがやたら高く、雑魚なのに無駄に逃げにくいモンスターもいたりする。
【スライムベス】がその典型。
 
先頭キャラのレベルが、モンスターレベル+9以下だった場合、1回目と2回目の逃走成功率は50%、3回目は75%、4回目で確実に成功するようになる。
本作では逃げそこなったときにモンスター全員が攻撃してくるとは限らない(最低1体は行動する)。
これはリメイク版でも同じだが、行動する確率はFC版よりも高い模様。
 
ちなみに、モンスターレベルの違う組み合わせが出たとして、レベルが高い方を倒したとしても逃走判定の参照レベルが引き下げられたりはしない。
 
敵側の「にげる」も同じく先頭キャラのレベルとモンスターレベルを参照し、その差が6以上なら逃げるようになる。

リメイク版

1回目の逃走成功率が25%と低く(2回目以降はFC版と同じ)、ピンチになってから逃げる選択をするのは分が悪い。
一応DQ6以降と同様に全員行動不能なら逃走自体は可能だが、DQ3ではこちらから相手を麻痺させる手段が存在せず、ラリホー無耐性という敵はあまり多くない。
基本的には逃げずに戦った方が良いが、万が一逃走するなら、1~2ターン分の攻撃を受けることは覚悟して、早めの判断を心がけたい。

個別コマンドの数が増え、全キャラに「にげる」と「ぼうぎょ」コマンドが共存している。ただし、一人でも「にげる」を選ぶと他のキャラの行動はすべて無効になる。
上述のとおり逃走成功率が低いため、下手をすれば全滅の原因にもなりうる。
【トヘロス】の判定にエリアレベルを参照するようになったが、逃走判定はFC版と同じくモンスターレベルを参照する。
ただし、【あやしいかげ】だけは正体のモンスターレベルを参照するようになったので注意。
 
ちなみにSFC版とGBC版ではコマンドの配置が違い、SFC版では3×2の

 こうげき どうぐ 
 じゅもん そうび 
 ぼうぎょ にげる 

となっており、PS版DQ4やPS2版DQ5に受け継がれている一方、GBC版では2×3の

 こうげき どうぐ そうび 
 じゅもん ぼうぎょ にげる 

という配置となっている。
 
【AI】戦闘のあるガラケー版以降ではメインコマンドがあり、そちらに「にげる」コマンドが移った。

DQ4

第一章から第四章までと、第五章でPCが勇者単独かつ馬車がいない場合は、前作と同様に先頭キャラのコマンドとなっており、呪文使用者の場合はやはり「ぼうぎょ」コマンドが潰される。
第五章で仲間キャラか馬車のいずれかがいる場合は、ターンの冒頭にメインコマンドが追加され、「にげる」もそちらに移行する。
 
本作以降は、モンスターレベルと別に、逃げやすさの基準となるレベルがエリア毎に設定されており(→【エリアレベル】)、エリアレベル+5以上であれば確実に逃げられるようになった。
これ以降の作品では、モンスターレベルは逃走成功率と関係なくなる。
ちなみに、FC版では基準レベルに満たない場合の逃走成功率が独自の特別仕様になっており、実はレベルが高いほど逃げやすくなっていく。【トヘロス】判定といい、本作のシステムでは過渡期として次作以降にはない様々な実験的要素が組み込まれている。
とは言え、パーティーメンバーのレベルがエリアレベルより低いうちは前作と同じで、1~2回目が50%、3回目は75%であり、4回目には必ず成功する。
たとえレベル1でラストダンジョンに突入しても、逃走成功率は50%である。
パーティーメンバーのレベルがエリアレベル+4だと、まだ逃走確定ではないが1~2回目が1.5倍ほど逃げやすくなる。
はぐれメタルが狩りまくれる【王家の墓】あたりまではパーティメンバーのレベルは概ねエリアレベル以下で推移するので、序盤~中盤はこの仕様を実感することはあまりないだろう。
なお、1章~4章では前作と同じく回り込まれた際に敵が行動してくるかはランダムとなっているが、5章になると必ず全ての敵が行動してくるように変更されるので判断が遅れてから逃走失敗すると被害が大きい。
 
FC版では戦闘中に8回逃げると【会心の一撃】を連打できる【8逃げ技】が有名。
逃げられない戦闘の仕様と、当時の窮屈なプログラムを逆手に取ったバグ技である。
 
敵側は本作以降、概ねこちらの逃走が100%成功となるレベル以上で逃げるようになる。

リメイク版

FC版と違って第一章からメインコマンドとして「にげる」がある。
また、1章~4章でも回り込まれた際に必ず全ての敵が行動してくるように変更されている。
PS版のみ、メインコマンドに加えて個別コマンドにも「にげる」が全キャラに備わっており、それぞれの順番が回ってきた時に逃走を試行できる。詳しくは【個人逃げ】を参照。
同じくPS版に限り、【馬車殴り】という裏技がある。
また、行動不能の敵しかいないと確実に逃げられる仕様が逆輸入されている。
 
また【戦歴】システムが導入され、いままでに逃げた回数が記録されるようになった。
そのためこだわるプレイヤーは「にげる」0回でのクリアを目指したりもする。

DQ5

ゲームの最初からメインコマンドで「にげる」を選べるようになった。
こちらのレベルが十分でない場合の確率は、確率は1・2回目が50%、3回目が75%、以降87.5%となる。
前作とは違い、4回逃げても確実に逃げられるとは限らない。というより、確定逃げは存在しない。
以降の作品でもレベルが十分でない場合は基本的にはこの確率が採用されている。
本作では回り込まれた場合は必ず全ての敵が行動してくるので、馬車がある場所はともかく【馬車】が入れないダンジョン内では3人(リメイク版では4人)PTということもありリスクが高まりやすい。
なお【魔物のすみか】にいる【キラーパンサー】とのイベント戦闘では、【ビアンカのリボン】を持っていない場合の救済措置として、逃げることができる。
 
本作の【ミニデーモン】などは【呼ばれてどこかへいく】という、逃げたと同じ扱いの特殊行動を取る。
 
PS2版に限り、またも個別コマンドの「にげる」が登場。
DQ4ともども、DSリメイクの際に個別コマンドの「にげる」は削除された。

DQ6

今作から、「敵が全て行動不能な場合は確実に逃走が成功する」ようになった(【アストロン】は例外)。
今までは「敵が全く動けないにもかかわらず回り込んでくる」という、物理的に訳のわからない事態も起こっていたが、今作以降はそのようなことはなくなった。
 
また、戦闘に参加しているキャラの中に【レンジャー】★3以上がいると、1回の「逃げる」で逃走判定を2回にすることができる。
レンジャーによる逃走判定は、通常の逃走判定に失敗した時に追加で発生する。
成功率は、【熟練度】★3~4は25%、★5~7は50%、★8は87.5%。
通常の逃走判定に失敗した場合でも、上記の確率で失敗を覆し、逃げることができるようになるのだ。
レンジャーの数少ない長所である。
 
SFC版では逃げ損ねたとき必ずしも全ての敵が行動するわけではないが、リメイク版では必ず全ての敵が行動する。
リメイク版では敵の出現数が増えているので逃げ損ねるとかなり危険になった。特に、【オニオーン】などの脆いが攻撃力の高い敵は逃げるよりも倒してしまったほうが安全である。
 
本作の敵側の逃走判定は【エリアレベル】【モンスターレベル】の低い方を参照する。
主人公のレベルがエリアレベルとモンスターレベルのどちらか低い方+3以上から逃走をキャンセルしなくなる仕様で、これにより同じエリアでもモンスターごとに逃げ始めるレベルに差があることがある。
具体的には例えば【山肌の道】では、【ぶちスライム】【ファーラット】【ねずこうもり】はいずれもLv4から逃げ始めるようになるが、【トルッカ】周辺ではねずこうもりはLv5から、【きりかぶこぞう】はLv7から逃げ始める。

DQ7

特に変わった仕様はないが、【マチルダ】とのイベント戦闘は、戦いたくない場合には逃げることでイベントを進めることもできる。【海底のゴースト】【チビィ】の場合は逃げることができないので注意。
なお、PS版では、「にげる」とは厳密には異なるが、【モンスターずかん】で討伐数を999匹でカンストさせると、そのモンスターを含むエンカウントの際には×ボタンで戦闘を強制終了させることができる。
999回倒せば【神さま】も1ターンキルできる。ただし、リメイク版では削除されてしまった。
 
リメイク版では個別コマンドに「にげる」があるが、個別逃げはできず選んだ瞬間即座に逃走を実行する。
早い話がリメイク版DQ3と同じ仕様である。ボス戦でコマンドミスすると悲惨なことになるので注意。

DQ8

今作では【おどかす】が登場したが、おどかしても絶対逃げてくれない敵もおり、逃げない弱い敵との戦闘が面倒な場合はやはり逃げるを選ぶ事になる。またおどかすは判定を一匹ずつ行うので多くの敵が出たら逃げるを選んだ方が早く済む。
逃走の成功率はかなり高く、逃げ損ねても全ての敵が必ず行動するとは限らないため、逃げるリスク自体はシリーズを通しても低いほうである。
スマホ版以外ではリメイク版DQ4同様、戦歴で逃げた回数が記録されるうえ、逃げてばかりいると【トロデ】に突っ込まれる。
 
ちなみに逃げると実際にキャラたちが走って逃げるアニメーションが表示される。逃走に失敗した場合はそれを遮るようにモンスターたちの正面の映像に切り替わる演出。
海上の戦闘では、【船】の甲板に乗り込んできた敵に対して、甲板上で走って逃げるというアニメーションとなってしまっており、どう見ても根本的な解決になっていない。
何年も前から先行して戦闘中に味方を表示するシステムを採用していた他RPGでもこの手の矛盾は見られ、うまく表現するのは難しいようだ。
 
先述した「おどかす」コマンドが成功すれば、モンスターが逃げ去っていく。この場合、【アイテム】を落としていく場合もある。
またNPCとして参戦(?)する【チャゴス】はモンスターと同じく行動としての「にげる」が設定され、2ターン目で必ずこの行動をとる。実行するとチャゴス自身のみが戦闘から離脱する。
 
余談だが、本作の世界では年末に「スタコラ逃げ逃げ大賞」なる賞の受賞者発表があるらしく、逃走回数が最も多かった者が受賞できるのだという。そんな不名誉な賞など出来れば貰いたくないものであるが、そもそもドラクエのゲーム内ではいくら宿に泊まろうが年末を迎えることがないため、主人公達が何度逃走しても賞を貰えることはない。

DQ9

成功率が全体的にかなり低く設定されるようになった。
まず、1回目はほぼ成功しないと思っていい。
さらに、失敗しやすいハードルも大きく上昇。相手がよほど格下でもない限りは失敗しやすい。
例えばクリア前の適正レベル帯だと、全員【盗賊】【レンジャー】などでもよく失敗する。クリア後限定の地域や、中レベル以上の【宝の地図】の洞窟に至っては、全員Lv99であっても逃げにくくなっている。
そして、新ステータス【きようさ】が成功率に関係しているらしいが、あまり効果は実感できない。
おそらく【シンボルエンカウント】制が導入されたため、「逃げたきゃフィールドで逃げろ」ということなのだろう。
しかし、そこら中にいる完全追尾型の敵に目をつけられたらまず逃げ切れないので、戦闘を避けたければ【せいすい】【ステルス】に頼るしかない。
格下だと敵シンボルがこちらを避けるようになるため、格下と無駄に戦うことは少なくなるのが救い。
なおシンボルエンカウントではない海上ではお察し。
 
前作と違って味方が逃げるアニメーションは表示されない。実行すると下画面の全員の作戦欄に「にげる」と表示される。
 
今回は戦歴には記録されないので、いくら逃げても大丈夫である。
ストーリー中のみ、【サンディ】から逃げ&全滅0で賞賛されることはある。

DQ10オフライン

キャラの移動による逃走ができない点以外はPS4版DQ11と同じ仕様。
戦闘開始時に逃走に失敗すると一方的に攻撃を受ける一方、ターン途中でさくせんウィンドウを呼び出して逃走に失敗した場合は、そのキャラの行動が一回パスになるが、次も味方側の行動が続く場合は敵の攻撃を挟まずに連続で逃走を試行できる。
また今作では不意をついた時でも逃走失敗することがあり、この場合は先制攻撃ターンが無駄にはなるが、一方的に攻撃を受けるターンは挟まない。
 
今作では逃走成功の判定はレベルとは無関係な模様で、格下の敵でも失敗することがある一方、格上の敵からでも成功率は高い。
なお逃走した場合は今当たった敵シンボルがそのまま残るため、すぐにそのシンボルから離れないと無敵時間が終わった瞬間に再び戦闘になってしまう。
 
また今作は戦闘突入時にバトルメンバーのテンションが増えるので、ボス戦などに備えてテンションをためておきたい場合に「にげる」とエンカウントを繰り返すという、いわゆる「ぶつかり稽古」テクも使える。
戦闘開始時に逃げられれば【スーパーハイテンション】になった後の手数も消費せずに済むが、失敗すると一番手のキャラの行動が一手分消費されてしまうので、一番手になりやすい【ヒューザ】などのキャラはSHTになったらスタンバイメンバーにしておくのが望ましい。
 
無印版DQ11同様に【逃げられない】のしばりプレイを設定できる。

Ver.2

偽りのピラミッドと、大ボス級モンスターの君臨する【創生の邪洞】【魔幻宮殿】【悠久の回廊】では「にげる」が使用できない。
該当フロアに入ると画面下部にメッセージで「このダンジョンでは モンスターから逃げられません。」と表示される。

DQ10オンライン

リアルタイムかつキャラ移動可能な戦闘システムとなった本作では、エリア外に動くことで逃げる仕様になり、コマンドとしては削除された。
呪いにかかっている状態など一部の例外を除けば確実に成功する。逆にその例外に当てはまっている場合は確実に失敗する。
詳しくはDQ10大辞典:【にげる】を参照。

DQ11

従来と同じくパーティ全体で戦闘から離脱するためのコマンドで、個人逃げはできない。
ボス戦などのイベント戦闘で選択しようとすると「この戦いからは逃げられない」と表示され、「にげる」を実行することができないようになった。
例外として序盤の【ブラックドラゴン】からは確実に逃げられ、【連武討魔行】ではこのコマンドを選択することでリタイアが可能。全員が行動不能系の状態異常になっていない限りは確実に逃げられる。
今作は戦歴ではカウントされず、それに関係した【称号】も存在しない。
また、無印版ではしばりプレイ【戦闘から逃げられない】というものがある。これを設定しているとイベント戦闘・通常戦闘に拘らず「にげる」を実行できない。
 
DQ9同様、成功率はかなり低く設定されている。
本作では確実に逃げられるかどうかの判定にレベルは関係なく、きようさで判定されている模様だが、その基準も異常なまでに厳しく設定されている。【まめちしき】には「きようさが高いほど逃げやすくなる」との記述があるが、全員レベル90台であっても比較的序盤の敵からすら逃げられないことがあり、詳細な判断基準は不明である。
しかも、本作は中盤以降の敵のすばやさと使用呪文・特技の威力が全体的に高めに設定されている上(【公式ガイドブック】に記載されている目標レベル前後では素早さの高い【カミュ】【マルティナ】ですらよく抜かれ、【ロウ】・マルティナ加入辺りからは雑魚の最大火力が当たり前のようにボスを上回るようになる)、回り込まれた際に必ず全ての敵が行動してくる仕様であるため、適正レベルなら押し切ればあっさり倒せるような敵でも逃げ損ねると範囲攻撃や状態異常連打で圧殺されるというケースが少なくない。
この雑魚の火力の高さは、しっかり戦って雑魚敵の強さを基準にレベル上げをしていればボス戦を楽に攻略出来るようにという意図的な調整なのかもしれない(本作の前年に発売されたDQMJ3でも、本作同様にボスよりも雑魚の方が火力が高めに設定されている傾向があった)。
低レベルプレイとは逆の意味でレベルのありがたさを実感できるだろう。
 
敵側は、こちらを強いと見なして逃げるようになるレベルが強さの割に全体的に低めに設定されており、敵が逃げるのを目にする機会が多くなった。
本作は「敵が逃げるようになるレベル < プレイヤー側の逃走が確実に成功するようになるレベル」になっており、プレイヤー側が逃走に失敗した際に回り込んで来た敵が逃げるという訳の分からない現象が頻発する。
【ネルセンの迷宮】に出現するオーク・強は時々2回行動するが、その場合は2回目の行動で必ず逃げるという特殊な行動パターンが組まれている(3DS版で確認)。

PS4版・DQ11S(3Dモード)

戦闘開始時のメインコマンドと、途中で呼び出せる「さくせん」ウィンドウにコマンドが搭載されている。
コマンドの「にげる」の他、フリー移動バトルに設定している場合はDQ10のように戦闘エリアを示す白線の外までキャラを移動させることでも逃げられる。逃走不可の場合はエリア境界のラインが赤色で示される。
逃げる際には「この戦闘から逃げますか?」と確認メッセージが出る。逃走するとキャラが逃げるアニメーションは無く、戦闘画面が霞んだのち、成功ならば移動画面に遷移するという演出である。

3DS版・DQ11S(2Dモード)

DQ4~DQ9と同様、メインコマンドに搭載されている。逃走の確認メッセージは連武討魔行でのみ表示され、それ以外ではコマンドを選択すると即逃走を実行する。
 
全ての敵が眠っていると100%逃げられ、敵に取り囲まれていても確実に成功する。ところが、メタル系など敵側に逃げ去った者が発生した場合は、残っている敵を全て眠らせても逃げられないことがある。全ての敵が眠ることによる100%逃げ成功が適用されなくなるようだ。
また、相手にメタル系がいると極めて逃げにくくなる現象が確認されている。
 
逃走失敗した場合でも【ゾーン】の突入判定が行われ、かつ既にゾーンに入っている者はゾーンの持続時間が消費されないため、前述の逃げにくい仕様を逆手にとって、複数のキャラをゾーンにしたければ【エンカウント】→にげるを繰り返すと楽。
特にパーティメンバーが4人しかいない状態で【月下乱舞~ガッと来る衝撃】【騎士の誇りを取り戻せ】をクリアしたい場合には必須の技である。
 
3DS版3Dモードで逃走成功した際には逃げるアニメーション演出がある。
敵を取り囲んだ時には先制同様100%逃げられる。逆に取り囲まれた場合は成功率が下がり、代わりにゾーン突入率が上がる。

モンスターズシリーズ

作品によっては、逃走成功率にこちらの強さが一切関係しないものがある。
【格闘場】や通信対戦では「にげる」コマンドが「きけん」に置き換えられる。また、DQMJ3ではボス戦でも「にげる」コマンドが「全滅する」に置き換えられるようになった。
 
【にげあしさいきょう】および【にげあし】の特性を持つモンスターを連れていると必ず逃げることができる。
 
ジョーカー以降では、【メタル系】【ふくぶくろ】などが逃げるときに土煙(?)が舞う演出がついた。忍者が煙玉を使ってドロンするのを想像すれば分かりやすいだろうか。効果音は「パタタタタタ……」と足音のような感じ。

DQMSL

上述した「個人逃げ」しか出来ない。1回あたりの成功率はかなり低く設定されているが、この作品は6体パーティなので2ターン目までにはほぼ逃げられる。
逃走成功率はこちらの強さに関わらず一定で、弱い敵が相手でも確実に逃げられるようにはならない。

バトルスキャナー

指定ターン以内に敵を倒すことができないと逃げられてしまう。
こちらから逃げることはできない。

ビルダーズシリーズ

一部の敵が、特定の条件を満たすと汗のエフェクトを出しながら逃げ出すようになる。

星ドラ

メタル系モンスターが逃げることがある。
こちらから逃げることはできない。

ドラけし!

所謂「リタイア」であり、現在のステージを中断してマップに戻る。当然使った道具やスタミナ、ドロップアイテムは戻らない。
後にスタミナを消費し、ステージをリスタートする「やりなおす」も追加された。

ライバルズエース

ソロバトルアドベンチャーの敵の【メタルスライム】【はぐれメタル】が使用する敵専用の【テンションスキル】
使われると30%の確率で逃げられてしまう。また、逃げるのに失敗した場合もテンションが2上がるため次のターンにまた使用されてしまう。
そのためメタル系のスライムを倒す場合はテンションスキルを使わせないような工夫が求められた。

ダイの大冒険

ゲーム中の仕様を逆手に取ったメタ台詞として【……知らなかったのか…?大魔王からは逃げられない…!!!】というものがある。
詳しくは当該記事を参照。

蒼天のソウラ

15巻第八十話「ソウラは逃げだした! しかし…」が本編のテキストを使ったタイトルとなっている。