【ダーマ神殿の神官長】

Last-modified: 2021-10-10 (日) 03:58:14

DQ7

過去【ダーマ地方】に登場するキャラクター。
その肩書きの通り【ダーマ神殿】の神官たちを束ねる立場で、神殿内の地位としては大神官【フォズ】に次ぐナンバー2の人物。
……だったのだが、【アントリア】率いる魔物の軍勢の襲撃により神殿を逐われ、生き残った神官たちと共に【山肌の集落】での潜伏生活を余儀なくされている。
 
性格は一言で言えば「自らの地位と保身に固執する小者」。
【カシム】が戦力を連れて戻ってきた際には魔物から神殿と大神官を守れなかったことを(自らは棚に上げて)詰り、さらにその戦力である盗賊旅人のことも言外に見下す始末。また神殿を奪われたことについても、真っ先に「自分の代での汚点になった」ことを気にするばかり。
そんな彼は仲間たちからの評価も最悪で、【マリベル】は「子供みたいに文句ばかり言ってみっともない」【ガボ】は「今まで見てきた大人の中で一番情けない」とボロクソである。【ホンダラ】の事を知っているガボがこう言うのは、ホンダラ以下だと言っているも同然の最悪の評である。
 
彼のつけている日誌には、神官が次々と栄養失調で死んでいく様を「地獄」と評し、「こんなことなら いっそ……」とかなり自棄気味になっている様子が記されている。
あまりの絶望に追い詰められているのは確かでありそこは同情できるが、まだ諦めずに希望を保ち続けている神官や親衛隊の生き残りがいる中で、それを率いる立場の彼が自暴自棄になりそれを投げ捨てようとしているのは無責任と言われても仕方がない。
また、彼より若くて体力もあるだろう部下の神官が栄養失調で死んでいるのに、神官長自身はカシムに大声で文句を言えるくらいには元気という不自然な状況から「責任者として食料の適切な分配もせず独り占めしていたのでは?」などと疑惑を持つプレイヤーも。
 
そんなふんぞり返るだけでなにもしない神官長だったが、主人公一行とカシムたちがフォズ大神官の救出に向かっている間に、【ネリス】に化けて集落に忍び込んだ【マンイーター】に食われて遺体すら残さず死亡するというあっけない最期を迎えた。
悲鳴と大きな物音が聞こえた上に、その時神官長の家にはネリス(の偽者)と廃人状態の【ザジ】しかおらず、そこで神官長が忽然と消えたとなれば明らかに異常事態なのだが、偽ネリスの言動が嘘臭いとは見られていたものの、集落に住む住人や神官たちからはそれ以上追及されることもなかった。
状況は疑わしくても、神官長の方はいなくなったところでどうでもいい、と思われていたのだろうか。実際、神官長の身を心配する声は誰からも聞かれないほど。
その後も神官長のことは話題にすら上らず、ダーマ神殿奪回後も誰一人その死を悼む様子もないあたり、人望はほぼゼロだったようだ。
 
偉そう・情けない・みっともない・小者というマイナス面の描写ばかりで、そのままいい見せ場も悪い見せ場もないままただ魔物に食い殺されて退場した、ある意味哀れな人物。
DQシリーズのこういった嫌われ役は、僅かなりとも反省する姿を見せたり、あるいはコミカルな姿が描かれる、はたまたひたすら外道を突き進む等、ただ嫌われるだけのキャラではない場合が多いのだが、神官長にはそういった救いすら一切用意されなかったため、ある意味珍しいキャラクターであると言えるかも知れない。