DQ4(FC版)
データ上にのみ存在する【没モンスター】。
【リバイアサン】という大仰な名前からどんないかついモンスターなのかと思いきや、何とただの【おおみみず】の色違いである(リバイアサンは海に住む蛇、あるいは竜の姿の怪物とされることが多い)。
ミミズ(を乾燥させた漢薬)のことを「地竜」とも言うので、ある意味ドラゴンではあるのかもしれないが、さすがに【ドラゴンキラー】の特効を期待するには無理がある。
もしかしたら容量等の都合から大ミミズのグラを流用しただけで、内部的な設定では【タイラントワーム】並みの超特大サイズだったのかもしれない。
が、外見よりもステータスの微妙さや、特殊行動は仲間を呼ぶ(同種)だけ、という事実もあって名前負け。まさに「嘘、大げさ、紛らわしい」である。
そもそも元ネタの「リヴァイアサン」は海の怪物なのでわざわざ「マリン(marine=海の)」と形容詞を付ける必要もない。なにかと胡散臭い名前となっている。
見るからにヘボヘボに見えるが実は内部データでのステータスは意外と高く…
ステータス | 数値 |
---|---|
最大HP | 90 |
攻撃力 | 65 |
守備力 | 30 |
素早さ | 41 |
…と、実際に出現する本作の海棲モンスターと比べると総じて高め。攻撃力は海棲モンスターの中で最も高く、見た目ほどヘッポコでもなかったり。しかもそれでいて最大6匹まで出現。
ただし【ザキ系】以外の耐性が軒並み無耐性又は弱耐性というザル耐性で、複数攻撃呪文であっさり一網打尽にできる。
仲間を呼ぶ頻度が高いとしても、ただ戦闘が長引いてMPを消費させるだけのウザイ系モンスター程度にとどまっただろう。そう考えるとやっぱり微妙で結局「リバイアサン」などと大仰な名前を与えては勿体無いことにかわりない。
一応経験値は94と高めで仲間を呼ぶことから、出ていれば稼ぎモンスターになった…と思うだろうが【せいすい】でメタル系狩り放題だった当時、ロクに見向きもされなかったと思われる。
色は鮮やかな水色。ちなみに現実のミミズにもシーボルトミミズというこいつに負けず劣らずの鮮やかな青いミミズが存在する。
リメイク版では【たこまじん】ら多くの海棲モンスターと共にボツから復活し、正式出演を果たした。
たださすがにこの名前はないだろうということなのか、コイツだけ【マリンワーム】と改名して登場した。
ちなみにFC版では片仮名の「ワ」は使えないので実はこの名前での登場は不可能。それでも「おおうみへび」や「マリンドラゴン」など替わりになりそうなものはいくらでもありそうなので、やっぱり「リバイアサン」に拘りがあったのだろうか…
内部データではドロップアイテムは【やくそう】。ステータスといいコレといい名前以外には拘りが全く感じられない。
ちなみにおおみみずは後の作品で超巨大化している。
アレほどの巨体であればこの名前を冠していたとしてもさほど違和感はなかったかもしれない。
まあ、それでもステータスがコレではでかいだけのデクの坊もいいとこだが。
余談だがファイナルファンタジーシリーズでは1988年12月に発売されたFF2からリバイアサン(【リヴァイアサン】)が登場、あちらではその名に恥じないインパクトを放った。
もしこの名前のままで出てきたら、それらの印象とあまりに違いすぎてFC雑誌等の読者投稿欄でネタにされたことだろう。
この名前に拘る理由があるとしたら、取るに足らないザコに付けてネタモンスターに仕立て上げようとしたとか……?
そしてDQにもリバイアサンが実に24年の時を越えて登場したのだった。