概要
存在は確認できるのだが、実際には出現しない【モンスター】。
出現しない理由はさまざまであり、中には「没」という表現が適さないものもいるが、とりあえず通常の手段ではゲーム中でお目にかかれないモンスターの総称ということになっている。
没モンスターの一覧はこちらを参照。
もともと登場させる予定だったものを没にしたものかどうか、ゲーム内に実際にデータが残っているかどうかでいくつかに分類できる。
- パターン1
登場させるつもりでモンスターを作成していたが、何らかの理由により登場しない事になってしまい、イラストやデータの残骸だけが残されたというパターン。
存在が判明する経緯もさまざまで、単純に後の世での解析によって見つけられる場合もあれば、雑誌等の事前情報でイラストやドット絵が公開されていたのに登場しなかった、設定資料集などで没モンスターの一部がユーザーに公開されるようになったという場合もある。- パターン1-1
容量不足。FC~SFC版あたりの頃であれば一番よくあるパターン。
基本的に設定イラストのみでモンスターデータ自体が存在しない、もしくはドット絵のみなどでパラメータなどの設定が不十分になっている。
容量に問題がなくとも、納期の都合などでデータを設定しきれなかったパターンもあり得る。
また、【ユニコンラット】のように名前だけ変更して登場しているパターンもある。 - パターン1-2
設定ミス。普通に登場させるつもりで、データも設定済みであるにも関わらず、出現地域の設定のし忘れ、間違って出現率を0%にしてしまった、など。
このパターンではモンスターデータ自体は行動パターンも含めてしっかりと設定されていて、出現させれば機能するにも関わらず仕様上出現することがない。
場合によっては容量や納期の都合によりシナリオやマップ、あるいはエンカウントテーブルの一部が削除された結果、そこに登場する予定だったモンスターも日の目を見ることが無くなったという可能性もある。前者と後者のどちらの事情であったかはプレイヤー側は判断できない。 - パターン1-3
その他外部の事情。
特殊なケースで、【GBC版DQ4の没モンスター】がこれに当たる。
容量不足でも何でもないが、事情により企画自体が没になったことで新モンスターも没になった。
DQMSLでは、初期の頃の公式のお知らせに「今後実装予定のモンスター」が掲載されたことがあるが、その内の十数体が何らかの事情により実装されず没になってしまった。
DQ11では、転生元の出現場所の関係(序盤過ぎる、同じエリアに転生モンスターが2種類出てしまう等)で没になったと思われる【転生モンスター】が数体存在する。
また、政治的・世間的な事情による配慮でモンスターが没にされることもあり得る。今のところはDQ8の【ニガニガー】がこれに該当すると考えられる。
近い例としては同じくDQ8で【さつじんき】がモンスターのコンセプトはほぼそのままに名前だけ【ごろつき】と変更された例がある。
すでに登場している中で【しりょうつかい】系統が外伝作など他の作品に出番がないのも似たような事情が考えられ、今後リメイクで削除、あるいはデザイン変更がなされる可能性もある。
- パターン1-1
- パターン2
最初から登場させる予定がなかったものが、何らかの形でモンスターとしてユーザーの目に触れてしまったもの。- パターン2-1
デバッグ用モンスターの残骸。
目的とする部分のデバッグに必要のない部分は適当に設定されている場合が多く、名前や姿は滅茶苦茶なことが多い。
デバッグに使われない【ダミーデータ】もこれに近い。下手に削除して予期せぬバグを誘発するよりもデータ上は残しておいて登場させないようにする方が安全という事情がある。
当然ながら解析でないと見つからないが、【きせきのつるぎが敵として出現するバグ】(このバグで出る没モンスターはいない)のような仕様外のバグで表に出ることはあり得るかもしれない。
【NPC行動用モンスターデータ】のようにシステム上必要なデータであっても没モンスターと誤認されることがある。 - パターン2-2
ただのイメージイラスト。
【キーファ】と【ヘルジュラシック】が戦うイラストが載っているPS版DQ7【取扱説明書】や、DQ2の絵なのに背景にDQ1のモンスターや【ひとくいそう】・【つちわらし】などの1にも2にも登場しないモンスターがいるGB版DQ1・2の【パッケージイラスト】、【スライムベホマズン】や【ダックスビル】がいるDQM1のパッケージイラスト、【バンパイア】や【げんじゅつし】などのシルエットが載っているDQM1の取扱説明書、【がいこつ】がいるDQ11Sの【ボイスドラマ】の一枚絵のように、この手のイラストはゲーム内容との整合性よりもイメージを優先して描かれる。
開発中、つまりゲームの仕様が確定する前に描かれることがほとんどであり、発売後であってもゲーム内容を把握していない人が描いていることが多いため、そもそも登場させる予定のないモンスターが描かれていることがある。
- パターン2-1
このうち、パターン1、パターン2-2については名前すらも不明であるタイプも多い。
前者で有名なのは【鳥山明 ドラゴンクエスト イラストレーションズ】や【ドラゴンクエストモンスターズ 20thアニバーサリー モンスターマスターメモリーズ】に掲載されている名前のない没モンスター、後者で有名なのは様々なイメージイラストで登場する色違いスライムら(後の【ライムスライム】や【ピーチスライム】等)や、DQ1のパッケージイラストにて【主人公(DQ1)】と戦っている青い二足歩行のドラゴン、SFC版DQ5のパッケージイラストにて【主人公(DQ5)】の杖の上に留まっている小型のドラゴン等だろうか。
FC版DQ4は特に、パターン1-2のデータはあるのに出てこないといった没モンスターが多い。
FC版DQ4の没連中はリメイク版で【しじん】以外全て正式に出現するようになっているので、出せなかったことは開発スタッフにとって不本意なことではあったようだ。
また、同じくFC版DQ4の没モンスターのうち、【じごくのざりがに】・【シャークマンタ】・【たこまじん】・【ピラニアン】の4匹は、【海鳴りのほこら】から出た瞬間のみ実際にエンカウントすることができる。
普通にプレイしていればまず出会わないままゲームが終わるのだが、ともかくゲーム中で実際に出会う手段があるのだからと、この4匹を没モンスターに含めるかどうかでは一部で意見が分かれる。
【ドラゴンクエスト25thアニバーサリー モンスター大図鑑】ではPS版からの追加モンスターという扱いになっている。
なお、しじんを別にすれば、FC版DQ4の没モンスターはいずれも水棲モンスター(実際、リメイク版ではいずれも海上で出現している)で、強さも概ね本編の海上で登場するモンスターと【滝の流れる洞窟】で登場するモンスターの中間に位置している。
このことから、本来DQ3と同様に海上に複数の出現パターンを設ける予定だったものが、何らかの理由で出現パターンを1つにしたために、これらのモンスターの出現場所がなくなったのかも知れない。
なお、没モンスターが後に本編に採用されることもあり、【サウルスロード】などはこうした復活組の1匹である。
最近ではDQ10のイメージイラストに乗っていたモンスターがDQMJ3で【ノチョーラ】として採用されている。
『鳥山明 ドラゴンクエスト イラストレーションズ』にはこれら没モンスターの原画および情報も数多く含まれている。