【へんじがない。ただの しかばね のようだ。】

Last-modified: 2024-03-27 (水) 14:59:46

概要

DQ3以降のドラクエ全作とリメイク版DQ1で使われるメッセージ。
死体に向かって話しかけようとすると

へんじがない。
ただの しかばね のようだ。

と表示される、ドラクエの中でも特に有名な定型文である。
そのためか、他のゲーム作品や漫画などでパロディに使われることも。
【ぐふっ…!】と言った直後のキャラに話しかけると、この文章が表示され死んだことを示すこともある。
 
これはドラクエが他のRPGと違って【はなす】【しらべる】が別々のコマンドになっていることが大きく影響している。
というのも、他の大抵のRPGはこれらのコマンドが決定ボタンに統一されているため「死体に向かって話しかける」という概念自体が存在しない。
つまり、強制的に「調べる」方が優先されて「しんでいる…」などの無難なメッセージが返ってくるのみとなっているのだ。
一方、ドラクエシリーズでは死体に向かって「しらべる」を実行しても、

○○○○は あしもとを しらべた。
しかし なにも みつからなかった。

となることがほとんどで、調べることはできない。
また、このメッセージが出た後に死体のそばの【落書き】【手紙】を発見する場合も。
さらに、返事がないのは屍に限ったことではなく、後述するようにさまざまに改変されることもある。
なお、DQ5で【便利ボタン】が導入されたにもかかわらず、他のRPGとは違って便利ボタンでも「はなす」の方が優先される。
 
死体を「ただのしかばね」と言い捨てるところが堀井節を強く感じるメッセージ。
現代日本で死体を見た一般人は、こうも冷静に対処することは不可能であろう。
しかしDQの世界では魔物が闊歩しており、町から一歩外に出ればいつ襲われてもおかしくない。
町の中でずっと生活している一般人ならともかく、町の外を出歩く冒険者ならば襲われて死んだ旅人の死体を目にすることも多いと思われるので、惨殺死体を見ても「ただのしかばね」で済ませられるのだろう。
 
また、動いて襲い掛かってくるただ事でないしかばねが、ごくごくありふれた現実的な脅威としてうようよ闊歩する世界なのだから、死体が「ただのしかばね」、即ち無害であることを確認するのも重要な事…なのかもしれない。
実際調べることでそれがただのしかばねではない事を看破した例もある。
 
ちなみに「しかばね(屍)」という日常的には使われない文学的な表現なのは、平仮名表記で「したい(死体)」とすると「~したい」(希望の助動詞)と捉えられる恐れがあるため、と【ドラゴンクエスト名言集 しんでしまうとはなにごとだ!】において述べられている。

DQ1

明確に死亡したという根拠はなくグラフィックも他のモブキャラと同じように立った状態で手足も動いており、

*「…………

と表示される。極端なメモリ不足だったDQ1にも固有メッセージを用意した堀井ならではの芸の細かさといえよう。
 
リメイク版では、【りゅうおう】を倒した後、【ラダトーム】の町の重傷を負ったローラ姫捜索隊の生き残りに表示されるようになった。

DQ2

リメイク版を含めて、本作ではこのメッセージは登場しない。
リメイク版ではOPで死ぬ【ムーンブルクの兵士】の死体がすぐには消えなくなったが、話しかけると

兵士は 息絶えている…。

と割と普通のメッセージになっている。

DQ3

初登場。
本作で登場する「ただの屍」はすべて白骨である…と思いきや【幽霊船】で囚人の死体が1つだけ存在している。
勇者【サイモン】の遺体も、すべてこの淡白なメッセージで片づけられる。
【テドン】の牢獄にある白骨死体に話しかけると、この定型文のあとに

しかし かべに らくがきを
 みつけた。

と表示され、【グリーンオーブ】に関する重要なヒントが得られる。
このパターンは、以降の作品でも何度か踏襲されている。
 
4コマ漫画劇場2巻では、主人公の母親が主人公を起こそうとしたらこのメッセージが出て終わりという読者投稿ネタがキングスライム賞に入選した(P136)。
 
なお、FC版限定で、【幽霊船】にいる囚人姿の屍に【みずでっぽう】をかけるとなんと喋る。ゾンビになっていると考えることも出来なくはないが、普通に考えるとめちゃくちゃ怖い…

リメイク版

【テドン】の地下室に置かれた【棺桶】を調べられるようになっており、

○○○○は そっと
カンオケのなかを のぞいてみた……

死んでいるような…
生きているような… しかし やはり
ただの しかばねのようだ…。

と表示される。昼と夜で村の様子が一変するテドンだが、これは昼も夜も変化しない。
夜に調べてカラッポにでもなっていればさらに恐ろしいが……。
薄暗い地下室で、ロウソクの火が揺らいでいて、さらに棺桶の中をそっとのぞいた程度では、中の者がかすかに動いたように見えたとしても気のせいだと判断するのが自然かもしれない。
 
ちなみに、これが唯一【しらべる】コマンドで表示される「ただの しかばねのようだ」である。

DQ4

第一章の【湖の塔】【ピサロのてさき】を倒した後、倒れている【ライアン】の同僚の【戦士】に話しかけるとこのメッセージが出て、これに続いて

ライアンは とものことばを
おもいだした。

というメッセージに続いて彼の残した言葉がリピートされる。
 
第四章の【アッテムト】の毒沼の中にある白骨死体(【ルナ】【ピピン】の父親)に話しかけると、これに続いて

しかし そのてには
てがみが にぎりしめられている。

というメッセージに続いて中身を読むことが出来る。
ちなみに、例によってこの死体を調べようとしても調べられず、この手紙を読むことはできない。
 
第四章クリア直前に【キングレオ城】で倒れている【オーリン】に話しかけるとこのメッセージが出るが、彼は第五章になるとなぜか生きている。きっと仮死状態で伸びていたのが死んだと誤認されるくらいの状態だったのだろう。
また、倒した後の【エスターク】に話しかけてもこのメッセージが表示される。どう見ても只事ではないしかばねだが。
このエスタークも後付け設定とはいえDQ5では生存しており、DQ4の死亡判定は結構いいかげんである。
また、「…と おもったら がいこつの おばけだった!」というパターンなども存在する。
 
なお、初めて「へんじがない~」の類型が登場。
第二章の【テンペ】では、生け贄の籠に話しかけると、籠がこちらを向き、

へんじがない。
だれも のっていないようだ。

と表示される。
しかし、同じく空の乗り物である第五章の【砂漠の宿屋】【馬車】に話しかけると、

だれも のっていない。

と表示される。上記と同じメッセージの流用はされていない。
しかし【リバーサイド】に係留されている船では、同じメッセージが使われている。
一方で、【女神像の洞窟】の中の大男が乗ってきたとみられる船に話しかけても

そのほうこうには だれも いない。

と表示される。もっとも、しっかりこちらの方向を振り向くのだが。
 
第五章では、【ソレッタ】に何故かひとりだけ全く動かない【農夫】がいるので話しかけると、

へんじがない……。

というメッセージが出る。
こんなところに死体が!?と思わせておいて、

ただの かかし のようだ。

というオチ。
心臓に悪い。
これはのちにDQ9で復活したが、グラフィックが明らかに案山子なので当時のインパクトは全くない。
 
また、【大灯台】でルーラで頭をぶつけるマヌケなミニデーモンは、頭をぶつけたあとに話しかけると

へんじがない。
きを うしなっているようだ。

となる。

リメイク版

【エッグラ】【チキーラ】の前に転がっている【タマゴ】に話しかけると

返事がない。
ただのタマゴのようだ。

と表示される。
近くには他にもいくつかタマゴが転がっているのだが、それらはそれぞれ
「ただの温泉タマゴ」「ただのゆでタマゴ」「ただの味付けタマゴ」「ただの生タマゴ」らしい。なんかシュール。
温泉タマゴ、ゆでタマゴ、味付けタマゴ、生タマゴが別にあるなら、「ただのタマゴ」ってなんなんだろう。
もしかすると食用の未受精卵が「ただの生タマゴ」で食用の物ではなくヒナを孵すのが目的の受精卵が「ただのタマゴ」なのかもしれない。

DQ5

SFC版での【工事中の神殿】では、流れ作業で動いている奴隷に話しかけると

返事がない……。
どうやら 話す気力も ないようだ。

と表示される。
 
【大神殿】で白骨死体となった【ヨシュア】が有名で、ダイイングメッセージも表示される。
同じく大神殿で妻の石像に話しかけた時には

返事がない。
ただの石像のようだ…。

と表示される。
やっと見つけた妻がただの石像と言われてしまうのは切なく、早く助けてあげたくなる。
一応その後

しかし 石像はあまりに
○○○○にそっくりだった!

というフォローが入る。さすがに妻の姿を忘れていたわけではなかったようだ。

DQ6

【地底魔城】にマップチップとしてガイコツが一つ存在するが、調べると

どうやら 人間の骨では ないようだ
ほとんど くずれかかっている。

と表示される。
これが何の死体なのかは最後まで不明。
 
【マウントスノー】で凍りついた住民に話しかけると

返事が ない……。 冷たく
こおりついて いるようだ。

と表示される。
 
【天馬の塔】の最上階にあるペガサスの像に話しかけると、前作の妻の像と同じように

返事が ない……。
ただの 石ぞうのようだ……。

と表示され、直後に【ファルシオン】が実体を取り戻すイベントが起きる。
この際、多くのプレイヤーが便利ボタンを押すだろうが、コマンドとしては「しらべる」ではなく、「はなす」でないとイベントは起きない。
ただし、この後狭間の世界の魔物とのボス戦があるので手負いの状態でイベントを進めないように。
レベルが低いと苦戦を強いられやすい。
 
【牢獄の町】【アクバー】を倒した翌日、石にされた住人たちに話しかけると

返事が ない……。

と表示される。後に続く言葉が無いことが、事態の深刻さを物語っている。
 
【嘆きの牢獄】では魔物の死体があり、話しかけると

返事が ない。
ただの しかばねのようだ。

死体は ボロボロに くちはてている。
かなりの時が すぎているようだ。

と表示され、「死体」という言い回しと併用されている。
恐らく、漢字が使えるようになったためだろう。
同じく嘆きの牢獄では、地下で捕らわれている【マサール】に話しかけると

返事が ない。
しかし 死んでは いないようだ。

と表示され、その後イベントに進んでいく。

DQ7

神父の姿で獲物を待ち構えている【さんぞくマージ】に話しかけると

へんじがない。
だが しんではいないようだ。

というメッセージが出る。
返事がないので仕方なく立ち去ろうとすると、いきなりいちゃもんを付けてくる山賊四人衆との戦闘になる。

リメイク版

【シンボルエンカウント】の3DS版では、「返事がない~」のメッセージが出るとモンスターのシンボルが消える。
ただし、イベント以外でダンジョン内の骸骨を調べてもメッセージが出る事が無くなったので、有効に使える場所は皆無。
 
【モンスターパーク】ではトクベツなモンスターの【しりょう】がこの言葉を否定している。

DQ8

返事がない。
立ったまま気絶しているようだ。

という派生メッセージが登場。
【モグラのアジト】の最深部で【ドン・モグーラ】のリサイタルに(強制的に)招待され、
阿鼻叫喚の苦しみの中で嘆き悶える【モグラの子分】の中に一匹だけ微動だにしない者がおり、彼に話しかけるとこう表示される。
思わず吹き出したプレイヤーも多いだろうが、ドン・モグーラのモグラの【芸術スペシャル】(下手の横好きの歌)は
敵味方関係なく混乱の効果なので、早く倒さないと本当にこちらも屍になりかねない。
 
なお本家のメッセージはレオパルド襲撃時【法皇の館】で聞くことができ、倒れた兵士に話しかけるとこのメッセージが出る。

3DS版

思い出アルバムで「返事がない~」のフレームを使うことができる。

DQ9

【病魔パンデルム】を封印した後、【ベクセリア】に戻り【エリザ】に話しかけると

返事がない。
エリザは息をしていないようだ。

と出る。
初対面のときから咳込んでいて怪しい雰囲気がしていたエリザだが、意気揚々と戻ってきていきなりこのメッセージが出るので普通にビビる。
ナレーターのあまりの冷静さ、無情さに呆然とした人多数。
 
ちなみに【サンマロウ】のイベントをクリアした後、【マキナ】のベッドに寝かされている人形に戻った【マウリヤ】を調べると、

人形はもう動かない。

と表示される。
どことなく物悲しさや虚無感が漂う秀逸なメッセージ、エンディングの一面と合わせて意味深である。
ここで、「『返事がない~』じゃないのかよ!」と思った人はかなり重症。

アギロホイッスルで行ける竜のしっぽ地方の高台の洞窟の最奥に骸骨が立っている。調べると

返事がない。
ただの しかばねのようだ……。

と表示される。
余談だが、WiFi通信による追加クエスト「ホネサウンド!」を受注できる状態だと、この洞窟の入口付近にもう一体の骸骨が出現する。そしてこの骸骨は意気揚揚と話し出し、クエストを頼んでくる。

DQ10オフライン

【ジャイラ密林】の北西部(地図座標B-4)遺跡にある骸骨を調べると

返事がない。
ただの しかばねのようだ……。

と表示される。
傍らに遺品である剣と手帳を持ったこの骸骨、生前はいかなる人物で何故ここで息絶えたのかは、オン版のとあるクエストで明らかになっている。

DQ10オンライン

HP0になったプレイヤーに話しかけるとこのメッセージが表示される。
 
また、無料体験版でプレイ中のプレイヤーキャラは不特定多数へのチャットが制限されるのだが、この状態のキャラを他のプレイヤーキャラがチェックすると

へんじがない。
無料の 体験版のようだ。

という注意書きが表示される。
詳細はDQ10大辞典:【へんじがない ただのしかばねのようだ】を参照。

DQ11

2Dモードの【荒野の地下迷宮】の最深部や、【冒険の書の世界】【バラモス城】(地下1階のベッドと、その後のバラモス城の玉座の2箇所)に骸骨が横たわっており、調べると「返事がない。ただの しかばねのようだ……。」というメッセージが表示される。
 
DQ11シリーズにおいては「ただの屍のようだ」が見られるのは以上だけだが、以下のような派生版が多数存在する。

DQM2(PS版)

派生も含め、幾つかの【ふしぎなかぎ】の世界で登場する。

  • かなしみのかぎ」の世界のボスの城の白骨死体を調べると「返事がない……。ただのしかばねのようだ。」と表示される。
  • 「こおりのかぎ」の世界の町では自分そっくりの氷の像を作って厄払いする「氷祭り」が行われており、この像に話しかけると「返事がない……。どうやら 氷の像のようだ。」と表示される。
  • であいのかぎ」の世界の町と城では住人が氷漬けにされており、話しかけると「返事がない……。どうやら 凍りついているようだ。」と表示される。

DQMSL

マップ上の骸骨をタップするとこのメッセージが表示される(一部、タップしても反応が無いものもある)。

ビルダーズ1

【骨】の説明文が「へんじがない ただの しかばねとなった ホネ」である。
 
また、2章では【ウルス】の近くにいる倒れている人たちに話しかけると「返事がない。しかし… 得体の知れない 力を感じる。ただの しかばねでは ないようだ……。」と表示され、これから敵となりそうな気配を漂わせている。
同じく2章で旅のとびら・赤の先にいる動かなくなっている【キラーマシン】に話しかけると「返事がない。ただの 鉄クズのようだ。」と表示される。鉄クズ以外のたとえはなかったのだろうか。
3章では旅のとびら・青の先の大陸にある魔物の拠点に転がっているあらくれの死体を調べるとこのメッセージが出る。
宝箱を前にして息絶えている死体もあり、案の定中身は【ひとくいばこ】である。コイツに噛み殺されたことはまず間違いは無いだろう。

ビルダーズ2

本編開始直後、ハーゴン教団の船上で【がいこつ】とのバトル後にがいこつと話すと表示されるが、「なーんちゃって!」と一旦復活した後また崩れ去る。嵐が来た後にもう一度話すと「こんなただのしかばねに構わず船倉に逃げろ」と自虐ネタまで披露する。
船が難破した後は【からっぽ島】に漂着した水死体たちを調べると表示される。そして波にさらわれて死体は消えてしまう。死体は船の牢屋に捕らわれていたビルダー二人と恐らくは乗組員のスライム一匹。調べずとも翌朝になれば消えており、やはり流されてしまったのだと思われる。
【少年シドー】と出会う前にこの浜辺にいくと、気を失った【ルル】を調べたときにもこのメッセージが表記されるが、彼女はまだ生きているので波にさらわれない。
また【破壊天体シドー】の廃墟に打ち捨てられた【キラーマシン】を調べると、前作同様「ただの鉄クズのようだ」と表示される(【キラーG】を除く)。

余談

当辞典の発祥となっている5ちゃんねる(元・2ちゃんねる)のFF・ドラクエ板の名無し表記、
「名前が無い@ただの名無しのようだ」も、もちろんこれが元ネタとなっている。
 
2017年5月26日発売の『ドラゴンクエストふくびき所スペシャル~家じゅうまるごとドラゴンクエスト!編~』では、リビングで賞B『フロアマット全4種』のひとつとして「しかばね」(ドット絵柄で一辺約30cmのマット)がラインナップされていた(残り3種は【階段】【すべる床】【毒の沼地】)。