【鎮魂歌】

Last-modified: 2021-08-14 (土) 00:19:06

概要

読みは「ちんこんか」。DQ3とDQ11において、全滅した時に流れる曲。
後半で明らかに泣き崩れたような曲調になる前作の【レクイエム】や、物悲しいメロディで切々と訴えるような曲調の【回想】(リメイク版で追加された曲)に比べると、
こちらは気持ちを押し殺したように静かな曲である。
とても落ち着いており、まさに「魂を鎮める曲」と言える。日本人の精神性にも合う楽曲だろう。
 
構成=A:10小節、B:8小節
調=A:イ短調(Am)、B:嬰ハ短調(C♯m)
BPM=57(NHK交響楽団)
拍子=3/4
 
Aの部分は、4分音符で静かに伴奏を刻む高音部と、旋律を奏でる低音部という構成。
実際にリファレンスにされたかどうかは不明だが、ジャック・イベール作曲「15のイメージによる小組曲」の第12番「別れ」に似ている。
Aは2回繰り返される。2回目は低音弦のピチカートが加わり、8小節演奏してBヘ飛ぶ。
この部分のキーはイ短調だが、全く関係のないコードばかり使われ、最後にようやくイ短調の5のコード(E)が出現する。
 
NHK交響楽団版では鎮魂歌~ほこらと繋げる。
全滅曲~祠の曲へメドレーで繋げるようになったのは、本作から。

DQ3

前作のレクイエム同様、FC版では全滅時にしか聞けない。

リメイク版

他作品に倣って廃墟BGMとしても使われるようになり、昼の【テドン】でも流れるようになった。
夜はそこそこ活気のあった村が一夜にして廃墟と化し、この曲が流れ出すのはかなり怖い。
「いきているうちに わたしが もっているオーブを だれかに わたしたかったのに……。」
また、【性格診断】の最後の質問で自分が怪物になるパターン(GBC版を除く)や【ゾーマの城】【オルテガ】が殺されたシーンでも流れ続ける。

DQ11・DQ11S

全滅時に流れる。過去シリーズの楽曲を多く採り入れている今作ではDQ7以来4作ぶりに、全滅時にMEではなくBGMが流れるようになった。
 
【冥府】【ネルセンの迷宮】のはざまの霊道(PS4版等)でも聞くことができる。
3DS版限定で過ぎ去りし時を求めた直後、【命の大樹】【ホメロス】を倒した後にも流れる他、【時渡りの迷宮】に送り込んだ【ヨッチ族】が全員倒された時にも流れる。
また、【冒険の書の世界】のうちFC版を基にしたDQ1とDQ4の世界(DQ11Sでは冒険の書の世界・追憶の神殿全て)で全滅すると、FC版DQ3に準拠した音源のものが流れる。

ダイの大冒険アニメ版(1991)

4の全滅のテーマや3-4の祠の曲がレクイエム的な曲として扱われている。
いくつかアレンジが登場する。なんとコメディチックなのも存在する。

すぎやまこういちの「大失敗」

この曲については、すぎやまこういち自身が「大失敗」と語っている。
しかしそれは曲の出来ではなく、全滅時以外にこの曲を流すべき場面があったとのこと。
以下、その話に触れた【ドラゴンクエストマスターズクラブ】でのインタビュー記事。
聞き手は今や『ポケットモンスター』シリーズの作者として有名になった田尻智。

すぎやま それと、いまだに自分で失敗したと思うところが III にあるんですよ。
どこだと思います?
田尻 見当つきません。
すぎやま 実はね、オルテガの戦闘シーンなんです。
あれを、フツーの戦いの音楽でやっちゃったの。これをボクは大失敗だと思ってます。
あそこは、オルテガの戦闘シーンだけは、レクイエムを流すべきだったと、大いに反省してます。
田尻 あのゲームって、父の姿を追い続ける少年の姿みたいなものが投影されてますよね。
だから、あのシーンって、ホントはものすごく重要だと思うんですよ。
それなのに何気なく過ぎてしまったんですよね。
すぎやま あそこでフツーの戦いの音楽をそのままやっちゃったのは大失敗。
ただメモリー的には入らないわけだから、別の曲を作るわけにはいかないんだよね。
だからあの場面ではレクイエムを流すべきだったね。
あれだけは、しまった! と未だに思ってますよ。

SFC版とGBC版でのこのシーンには【回想】という新曲が流れるようになった。
これで過去の大失敗をリカバリーできたと思いきや、ガラケー版以降では「フツーの戦いの音楽」 に戻ってしまった。
FC版準拠にしたんだろうけど。そこは鎮魂歌にしてあげてよ。