【過去の世界】

Last-modified: 2024-01-19 (金) 23:55:06

概要

現代よりも前の時代、過ぎ去った時代の世界。
過去に遡るというシーンはDQシリーズではDQ5で初登場し、DQ7では現代の世界と並ぶ冒険の舞台として登場している。
DQ11では過去の自分に起こったことを第三者視点で振り返るシーンが2度あるのに加えて、【サブタイトル】にもなっているように重要な位置付けであり、物語全体を3部に分けた中の最後の3分の1の舞台となる。

DQ5

過去の【サンタローズ】が登場。
青年時代後半から幼年時代、つまりストーリー序盤の頃の自分に会いに行くというもの。
幼い主人公の【ゴールドオーブ】をもらってアドバイスを伝えることが主な目的だが、生きている【パパス】に会ったり幼い頃の【ビアンカ】が読もうとしていたを読んだりと寄り道も盛り沢山。
 
リメイク版では過去の【エルヘブン】も登場する。こちらは主人公の誕生よりも更に前の時代である。
イベントを終えると、パパスからの感動の伝言を聞くことができる。

DQ6

【現実の世界】【アモール】で教会に泊まると、かつてこの町で起きた過去の出来事に触れることになる。
これは教会に住む【ジーナ】婆さんの経験した過去が悪夢として【夢の世界】で再現されたもので、血の付いた剣を洗うだけで大きな川が真っ赤に染まるなど、現実ではあり得ないことが起きているのも夢であるため。
夢の世界の事件を解決することで、現実世界のジーナに起きていた問題も解決するが、これはあくまで夢の変化が現実を生きる人の心に影響を与えただけで、実際に起きた過去が改変されたわけではない。
ただ、特にSFC版ではこの時点で「幻の大地」の正体が夢の世界であることははっきりと示されていないため、初プレイ時には本当に過去に飛んだと思った人も多いかもしれない。
 
ストーリー後半に訪れる廃墟と化した【グレイス城】の井戸に入ると、過去(滅亡前)のグレイス城を訪れて、グレイス城がいかにして滅びたかをつぶさに追体験することになる。
これはアモールと違って夢の世界ですらなく、城に残り続ける怨念や残留思念のような存在であり、何をどうしようとも滅びを回避することはできない。
イベントを終えると現実のグレイス城に戻るが、もう一度井戸に入ると同じシーンを何度でも繰り返し見られる。
 
というわけで、DQ6ではストーリー中で2回「過去の世界」を訪れることになるが、いずれも本当の過去ではなく、何らかの事情で過去の出来事が再構成された異世界である。
タイムスリップしているわけではないため、他作品のように過去に介入することで歴史を変えるようなことはできない。
特に何度も何度も繰り返し同じ過去を見られるグレイス城のイベントは、「何をどうあがいても過去は変えられないのだ」ということをまざまざと見せつけてくる。

DQ7

生まれ育った【現代の世界】よりも数百年ほど前の世界。DISC1では頻繁に現代と過去を行き来することになる。
 
現代の世界にある【なぞの神殿】にある台座を【ふしぎな石版】で埋めることで、その石版に描かれた大地(大陸・島)の過去に行くことができる。
辿り着くのは魔王【オルゴ・デミーラ】によってその大地が封印された直後かその直前の時代。
これらの大地は魔王に封印されてしまったために現代の世界には存在していないのである。
しかし、主人公たちが各大地の過去に赴き、封印の鍵となっている魔物(ボス)を倒すなどして封印を解くと、その大地の歴史が「封印された」から「封印から救われた」に変わる。
そして歴史を変えたことにより現代の情勢も変わり、現代に戻るとその大地が存在する状態になっているのだ。
 
特別な例として【ルーメン地方】については大地が現代に出現しても町が封印とは別の要因で滅んでいるため、改めて過去の世界で町の歴史を変える必要がある(行動によっては歴史を変えられない場合もある)。
またDISC1の終盤では「【天上の神殿】が落下した」という歴史を変え、更に「魔王が滅んだ」という歴史を作ることになる。
このようにDQ7のDISC1は終始、「過去に遡って歴史を変える」ことが主人公たちの役割となっている。

過去の世界の特徴

過去の世界は謎の神殿から石版を揃えて赴くことになる18ある地方ごとにそれぞれマップが独立しており、異なる地方間で【ルーラ】【船】を使っての移動は不可能である。
ただし【リートルード地方】【レブレサック地方】からは、以前復活させた隣接する地方へ行くことができる。
また、基本的に石版を揃えて過去の世界に降り立った地点には【旅の扉】が出現しており、これに入ることで現代の世界に戻ることができる。
 
それぞれの過去世界はすべて同じ時代というわけではなく、数十年ほどのズレがあるものと推測できる。
例えばリートルード地方を経由して再訪できる【グリンフレーク地方】では初回訪問時から30年ほど経過していることが作中人物のセリフからわかり、【ハーメリア地方】では【ユバール族の休息地】にいた【ジャン】らしき老人(【ろうがくし】)が登場、【聖風の谷】にある日記には【ダイアラック】で子どもだった【ヨゼフ】が青年として登場したりする。
作中何度も訪れる可能性のある過去の【エンゴウ】では、再訪する度に数年から数十年の時間が経過したりもする。
 
また、過去エンゴウ編では闇の世界に封印されるのを未然に阻止した形だが、その後に過去グリンフレークを訪れた際にはエンゴウ大陸は封印されてしまったととれる話が聞ける(パミラに頼まれてエンゴウから薬の材料を買いに来ている男がいるが、大陸東側の炎の山がいつの間にか見えなくなり、エンゴウに帰れないとパニックを起こしている)ので、主人公たちは単一の時間軸内ではなく、幾つかの平行世界を渡り歩いているのかもしれない。
 
DISC2に入ると過去の世界を訪れる必要はほぼ無くなるが、見落とした【ちいさなメダル】【ふしぎな石版?】等を探す場合や、【モンスターパーク】に魔物を送還する場合には再び訪れる必要がある。
なお、神復活の儀式から【ダークパレス】に行けるようになるまでの間は、過去を訪れることができない状態になる。

時代を越えて住み着く人物

物語中には現代の世界から過去の世界に住み着いてしまう人物も現れる。
その1人は主人公の仲間である【キーファ】。現代の世界では後に彼の子孫である【アイラ】が登場し、エンディングではキーファが遺した石版に書かれたメッセージが読める。
もう1人は【化石の発掘現場】【考古学者】。現代の世界では彼の子孫のものと思しき書物が読める。彼は主人公たち以外で石版によるタイムトラベルを経験した数少ないキャラの1人である。
 
逆(過去の世界のキャラクターが現代の世界に住み着くパターン)もまたしかり。
【ガボ】は、元々過去の世界で生きてきたオオカミが人の姿になったもので、主人公の仲間となって一緒に過去と現代を行き来した後、 最終的に現代の世界に住み着く。
また【主人公(DQ7)】自身も元来は過去の世界の人物であったと言える。
物語終盤における描写によると、胎児の頃は過去の世界の海賊【シャークアイ】の妻【アニエス】のお腹におり、それが現代の世界の【マーレ】のお腹に移されたということが推測できる。
 
「過去の時代から現代まで生きていたキャラクター」という例も確認されており、【デス・アミーゴ】【3番目のエリー】【メルビン】【神さま】【オルゴ・デミーラ】、前述のシャークアイ&アニエス夫妻、【海底王】が該当する。
デス・アミーゴは弱らせたところを棺に封印、シャークアイは魔王によって船ごと氷漬けにされて封印され、現代で封印が解けた結果、現代の世界で生きることになる。
エリーは過去から現代にかけて稼働しており、懸命に【ゼボット】の亡骸にスープを運び続けていた……。
メルビンはオルゴデミーラとの戦いの最中、生きながらえるよう神さまの手によって封印された後、現代にて封印が解け、主人公一行と冒険するようになる。また、リメイク版の【若き日の英雄】の追加エピソードにて若かりし頃の彼の姿を拝めるようになった。
アニエスは海底王の手によって人魚となって永遠の命を得たことで、現代まで生き続けている。

情報の扱いについて

「DQ7は石版によって過去と現代を行き来して大地を復活させるストーリーである」ことは、DQ7発売の前年に、発売前情報として【週刊少年ジャンプ】の記事で公表された。
しかし翌年になるとジャンプでもこの情報は一転して極秘扱いに変わり、過去と現代ということは伏せられた。
一旦公表したのにトップシークレットに逆戻りというのもなんだかお粗末だが、情報公開をフライングし過ぎたと思ったのか?
 
発売後も各雑誌をはじめPS版の【公式ガイドブック】でも過去と現代ということは一切書かれず、公式書籍で初めて明かされたのはソフト発売から半年ほど後の【ドラゴンクエストⅦのあるきかた】
なお3DS版では初めから過去・現代と明記されるようになった。

DQ9

【ストーリークエスト】の一つ【星のまたたき】において、過去の【天使界】に行き若いころの師匠に会う場面がある。

DQ10オフライン

DQ10では、過去や未来の世界にタイムスリップを行うことを「時渡り」と呼んでいる。
【時渡りの術】を使う一族の末裔である【主人公】Ver.1の物語中盤に、500年前の世界である【過去のオーグリード大陸】を訪れ、途絶えていた【破邪舟】の技術を復活させるために歴史改変を行う。

DQ10オンライン

ストーリー中に幾度か問題の解決に必要な情報やアイテムを求めて過去の世界を訪れる。
またVer.4のメインストーリーは終末の未来を回避するために様々な時代を巡ることになるが、過去だけではなく未来の世界も冒険することになる。詳細は「キュルルと行く世界」を参照。

DQ11・DQ11S

以下のように4度登場する。

  1. 10年前の【イシの村】
  2. 16年前のユグノア城
  3. 【主人公(DQ11)】が過ぎ去りし時を求めた先の世界
  4. 【セニカ】が過ぎ去りし時を求めた先の世界

1.と2.は一時的に訪れた後、元の時代に戻る。
3.は一度遡ると元の時代には戻れず、それ以降は実質的に遡った先の時代が「現在」となるので、見方によっては過去の世界とは言えないかもしれない。
また4.の世界は映像のみの登場で主人公が訪れるわけではない。

10年前のイシの村

序盤で【デルカダール城】へ旅立ち、【カミュ】と共にイシの村に戻ってくると、何の前触れも無く過去のイシの村になっており、何故か一緒にいたはずのカミュが消え失せ、主人公1人だけになっている。
DQ5のように過去の自分と出会う他、生前の【テオ】と出会うことで道を示してくれる。
またこの時のみ、現代では既に亡くなっている【エマ】の母親が登場する。【ペルラ】の発言から10年前だと分かる。
現代に戻るとイシの村が滅ぼされており、大樹の根が見せた過去だったことが判明する。
 
しかし、後に大樹の根を通して見る過去と決定的に違うのは、10年前に主人公が間違いなくタイムスリップしてテオに会っていることで、これは三角岩で掘り出すテオの手紙からもわかる。
この際に時を超えた理由はまったくの不明だが、後の展開のひそかな伏線ともとれる。

16年前のユグノア城

世界に異変が起きた後のシナリオで、在りし日のユグノア城を訪れるシーンがある。
【アーウィン】の記憶の中の世界で、16年前主人公が生まれた直後、どのようにしてユグノア王国が滅んだのかを追う。
なお主人公は周りの人々からは見えない状態になっているが、話しかけると気配を察知するNPCはいる。
何故かアイテムを入手したりモンスターと戦ったりといった干渉を行うことができるが、ユグノアで起きる悲劇を回避するまでには至らない。前述の10年前のイシの村と違って、実際にタイムスリップした訳ではなくあくまでアーウィンの記憶の中というのもあるが。
 
DQ11Sでは追加ストーリー【ロウと幸せの王国】でも過去のユグノア城が登場する。
ただし、こちらは「もし王国が滅ぼされなかったら」という仮定に基づいて作られた幻の世界であるため、厳密な過去の再現というわけではない。

主人公が過ぎ去りし時を求めた先の世界

ストーリー終盤の舞台で、本Wikiでは公式表記に従って「過ぎ去りし時を求めた後」と表記している。
 
【魔王ウルノーガ】を倒すと【命の大樹】が復活し【ロトゼタシア】に平和は戻るものの、仲間だった【ベロニカ】をはじめ魔王によって多くの尊い命が失われてしまった。
そこで古代の記録から時間を巻き戻す方法を知った主人公は、現代の世界の仲間たちと別れ、【忘れられた塔】【時のオーブ】を砕いて一人だけで過去に遡る。サブタイトルにある「過ぎ去りし時を求める」とはストーリー内ではこの行為を指している。
DQ5のように過去の自分に会いに行ったり、上記の2つの例のように第三者視点で過去を見たりするのではなく、自分自身の人生をある時点からもう一度やり直すことになる。
 
遡る先は命の大樹が破壊される前の、【聖地ラムダ】から【始祖の森】へ向かう日。遡る年月は少なくとも数ヶ月となる。
同じく時を超えた【魔王の剣】を手に、前回は命の大樹で敗れた相手【ホメロス】に今度は勝利し、ウルノーガが魔王化することも阻止した結果、命の大樹崩壊による世界荒廃は起こらずに済む。
そのおかげで歴史は大きく変わり、ベロニカのみならず、元の時代で失われた【神の民】たちや【ニマ大師】【ヤヤク】【ハリマ】親子などの命も救われる。
しかし良いことばかりではなく、邪神の魂も密かに主人公と一緒に時を遡っていたことと、ウルノーガがいなくなったことにより新たな脅威【邪神ニズゼルファ】も生まれることになる。
また、全ての命が救われるわけではなく、【ホメロス】はもちろん、歴史を変えても変わらず命を落とす運命の人もいる。
 
人間で時間を遡るのは主人公のみなのだが、一部の登場人物(仲間や、命を救われた人物が主)の会話では「以前にもこんなことが…」と、世界荒廃が起こった時代のことをあたかも覚えているかのような発言が時々見られる。
以前に入手した重要アイテムを迷いなく再入手したり、【ケトス】を見ても全く驚かない主人公を見ていぶかしがる描写もある。
 
主人公が時を渡ったことは並行世界か、あるいは過去改変かでファンの間で議論され、2017年9月29日に行われた【ドラゴンクエストXI カウントダウンカーニバル番外編~ネタバレするとはなにごとだ!~ネタバレイトショー】では本作のタイムパラドックスについてのプレイヤーからの疑問が取り上げられた。
それに対して【堀井雄二】の回答は

ボク的にはね、なんとなく、歴史は収縮するっていうか、一個にまとまっていくのかなって

というものだったが、

けっこうそういう解釈もあれば別の解釈もある。お客さんいろいろな解釈で想像したり妄想したり楽しんでるんで、すべて否定するつもりはない

【内川毅】が付け加えている。
しかし、後述のセニカの件も含めていくつかの疑問や不満・批判点も生まれており、このページにもそれに関する執筆者の様々な意見が書かれていた。
 
悲劇的な結末を回避するという点ではリメイク版DQ4の「6章」と度々比較されることもあるが、あちらは「プレイヤー目線でラスボス戦前の時点から別のシナリオを作る」、つまりリセットを行うのは操作するプレイヤー自身であり、「6章」はエンディング後の続きではなくラスボス戦前から分岐するifストーリーと言える。
対し、本作は「ラスボスを倒した後の物語の中で」「主人公という登場人物が時を巻き戻す」、つまり初回エンディング後の明確な続きとなっており、リセットという行為が物語の中でシナリオとして行われていることが大きく異なる点である。

魔道士ウルノーガ戦まで

主人公の状態・能力と所持金、冒険の各種実績(【戦歴】【旅のおもいで】【クエスト】【ウマレース】【連武討魔行】【カジノ】【ちいさなメダル】【うちなおしの宝珠】【ゴールド銀行】【ヨッチ村】関連)は遡る前のものがそのまま引き継がれる。
アイテムに関しては主人公の持ち物はそのまま。遡る前の仲間キャラが持っていたアイテムは自動的に【ふくろ】に入り、消費・素材アイテムと装備品(壊れてしまう【勇者のつるぎ】以外)が全て引き継がれる。
【だいじなもの】も、そのほとんどが引き継がれるが、ストーリー攻略に関わった【山門のカギ】【禁足地へのカギ】【ガイアのハンマー】【天空のフルート】【聖なる種火】は時を越えられない。世界に異変が起きた後になる際にひっそりと消えていた【マーメイドハープ】や、異変後に入手した【デルカダールのカギ】は時を越えられる。
【ルーラ】の行き先は遡った先の時点で行けた場所に限定され、【ドゥルダ郷】【神の民の里】は無く、【イシの村】【最後の砦】にはなっていなく、世界に異変が起きた後にはなくなっていた【デルカダール城下町】もある。また、船入手後に訪問が任意のデルカダール城下町と【導きの教会】などは異変が起きる前に登録していなくてもこのタイミングで自動登録される。
 
一方、再会した仲間たちの状態や所持アイテムは、

のものに戻される。
遡る前の時代で拡張されていた分の【スキルパネル】も過去を訪れた時点では利用できず、当然【グレイグ】も仲間になっていない。は手に入れている状態なので使えるが、天空のフルートが無いので【ケトス】は呼べない。
なお、この現象を利用した【アイテム増殖・保持技】がある。
 
世界各地で出現するモンスターも【強モンスター】や異変後に新登場したモンスターのいない初期のものになっている。
異変後の【覇王斬】習得イベントの仕様も鑑みて、モンスターの討伐数を増やすやり込みを行う場合はこのタイミングで行うと良いだろう。
そうでなくとも、大体のザコ集団が覇王斬1発で面白いように消し飛んでいくので、後に控える【魔道士ウルノーガ】戦がもし不安ならばここでレベル上げをしておくのも良い。
 
聖地ラムダから始祖の森の間の区間は、全ての宝箱の中身が復活しており再度中身を入手できるが、それ以降の世界に異変が起きた後に開けた宝箱は、何故か復活せず開いたままになっている。
始祖の森でのイベントは以前と同じであるので閲覧済みの状態になっていてスキップが可能だが、ベロニカ・セーニャの台詞をもう一度噛みしめるならば敢えてスキップせず観ておくと良い。一方命の大樹で起こるイベントは時を遡ったことによる改変が起こるのでスキップ不可能。
 
なお、この時点での世界は物語初期とほぼ同じだが、完全に世界の状態が同じという訳ではなく、

など、異変前の同じ時期にはない変化もみられる。


●DQ11S
再加入時にその時の見た目装備も引き継がれる。
一方、ベロニカ以外の再加入時の経験値は後述のグレイグも含めて上記のものと一致しないことがある。乗り物によるモンスターの蹴散らしで得た経験値が関係しているようだ。
また、遡行時点でウマレースのプラチナ杯が選択可能になっている。

邪神復活後

魔道士ウルノーガ討伐後に邪神復活のイベントが起こると、【バクラバ石群】の上空に【黒い太陽】が出現し、モンスターの生息分布が変わる。同時に、フィールドのBGMが【勇者は征く】から【冒険の旅】に変更される。
ここでこちらの時間軸のグレイグが仲間に加わり8人パーティとなるが、彼のレベルは異変後と同じ36、【初期装備】【デルカダールメイル】のみで【デルカダールの剣】【グレイグの大剣】【誓いのペンダント】などは持っていない。
 
ダンジョンも含めた各地には新たなモンスターが現れると共に、各地の在来種の約半数(以前に強モンスターになっていない種)は邪神の影響を受けた【邪モンスター】となる。
また、魔王誕生による異変と同様に、代表的なもので【ビーライダー】【ブラッドポリス】【シャドーサタン】【ライオネック】【イビルビースト】【エビルホーク】【ダークジャミラ】など在来種が上位種に置き換わっている例も見られる。
 
邪神が現れた後はすぐに【ケトス】が手に入り、神の民の里から必須のシナリオ(戦闘なし)を進めていくとやがてケトスの能力が覚醒し、邪神に挑めるようになる。
神の民の里では、世界に異変が起きた後のシナリオ中に得た分の仲間たちの能力上乗せやスキルパネルの拡張(シルビア、グレイグ除く)、ルーラの行き先の復元などが【イゴルタプ】によって行われる(詳細はイゴルタプの頁を参照)。
 
また、ケトスを入手すると同時に各地で邪神出現による異変が発生し、それを解決するなどのミッションが発生する。人物から依頼を受けてボスを倒すことなどで報酬が得られる。
さらにケトス覚醒後は【バンデルフォン王国跡】の地下の扉の封印が解かれ、【ネルセンの迷宮】にも挑めるようになる。
これらはすべて任意であり、やり残しているミッションは【海底王国ムウレア】での報酬である【女王の愛】を使えば教えてもらえる。
シルビアとグレイグのスキルパネルも、この任意のイベントの一つをこなすことで拡張される。
 
過ぎ去りし時を求めた後のシナリオでは、新たに訪れる町や城、ダンジョンなどというものは神の民の里・ネルセンの迷宮・【始祖の森・北の高台】以外には存在せず、各サブイベントでは既存のダンジョンにもう一度潜るという形になる。ネルセンの迷宮も今までに登場した地形の再利用という形になっており、完全な新規マップは神の民の里と始祖の森・北の高台のみとなっている。
 
過ぎ去りし時を求める前の世界荒廃後に勇者たちが起こした出来事は、こちらでは全く起きていないことになっている。
そのため主人公(プレイヤー)目線では、【アーウィン】の魂の成仏、シルビアの父【ジエーゴ】との再会、カミュの妹【マヤ】の救出をもう一度見ることになる。
 
この邪神復活後の世界は、物語初期の世界の状態と異変が起きた後の世界の状態をミックスし、それに加えて双方にもない邪神復活に伴う新たな変化も起きた状態になっている。
以下では邪神復活イベント直後に起こる、地形や町・ダンジョンの変化(シナリオに関わるもの以外)を記載する。
 
物語初期と同じ点

異変が起きた後の世界と同じ点

邪神復活後のみに起きる変化

セニカが過ぎ去りし時を求めた先の世界

邪神を倒した後の真の【エンディング】で、【勇者のチカラ】によって【セニカ】が元の姿を取り戻し、チカラを貸されたセニカは主人公と同じく、時のオーブを砕いて時を遡る。
そしてその先で、望んでいた勇者【ローシュ】との再会を果たす。
このとき彼女が遡る時間は主人公が遡った時間よりもはるかに長い、何百年単位の時間とみられる。
 
以前、主人公が時のオーブを砕いて過去に戻る際、当時時の番人だったセニカは「全てが過去に巻き戻る」と説明し、ストーリー(これまでのあらすじ)でも「全世界ごと時を巻き戻すことになる」と説明されている。
しかしこの場面では、セニカがオーブを砕いても、主人公たちの世界の時は巻き戻らなかった。
主人公とセニカが時のオーブを砕く行為によって生じる結果がなぜ異なったのかについては作中で一切説明がなく、大きな疑問を残している(前述のネタバレイトショーでの堀井雄二や制作スタッフの回答もセニカの過去への遡行については触れていない)。
セニカが過去へ戻ったことにより現世に何かしらの影響が起こったのかは不明だが、少なくとも主人公たちの世界はそのままでストーリーが進み、命の大樹で【勇者の剣】の奉納が行われる。

蒼天のソウラ

2つの目的で主人公の【ソウラ】とヒロインの【アズリア】が500年前の過去の世界をロールプレイングゲームとして体験する事となる。
ソウラは【潮龍ホルヘイズ】の力で、アズリアは【魔公子イシュマリク】【エクステンション・ライン】の力で過去体験を行った。
過去は当時の時代を知る物品により再現されるものなので偽証はできないが、極端な行動をとっても魔術により補整され、物語が進むように調整されている。
過去の世界には異なる性別・異なる種族で行くことができるため、ソウラは【プクリポ】、アズリアは【ウェディ】でRPGを始めた。
余談だがその他メンバーの種族変更がWEB公開の「特別編・夏の種族入れかえ大作戦!?」で描かれている。
 
過去の世界の体験は【ルシナ村】の開祖となった【真の太陽(ヴェリタ・ソルレ)】【太陰の一族(グルヤーン・イル・イシュ)】との戦いを体験する事で、ソウラには過去の因縁を正しく知る機会を、アズリアには魔族側への理解と同情を得るために行われた。
しかし、同種の力を使った魔術を同時期に使った為か、エクステンション・ライン同士の力が共鳴してオン・ライン状態となり、本来であれば漏れる事がなかった【イシュナーグ海底離宮】の情報が流出してしまった事により【トーラ】が離宮に潜入。
その潜入を【コシー】【ワーシュ】が看破した事からアズリアのRPG体験は中断となり、ソウラだけが歴史の真実の目撃者となり両陣営の結末を正しく知る事となった。
 
ソウラにとってはそれだけではなく、ルシナ村に伝わる「渦潮剣術(スケルマ・デル・トルピーネ)」を先達から学ぶ機会にもなり、レベルアップの機会にもなっていた。

勇者ヨシヒコと導かれし七人

ラスボス「魔王ゲルゾーマ」を倒す手段を求めて、第12話(最終回)にて、過去のカボイの村に辿り着く。
神社の岩にはゲルゾーマを倒せる「本物のトドメの剣」が刺さっており、ヨシヒコ達はこれを持って帰り、代わりに今持っているいざないの剣を刺しておくことにした。
この時刺しておいたいざないの剣が、『魔王の城』の第1話の勇者を探す儀式にてヨシヒコに抜かれた(というかヨシヒコの番の時に倒れた)ことで、ヨシヒコは冒険に出ることになり、そしてヨシヒコの愛剣として使われていく。
また、このタイムトラベルによって、村人達はグルであり、ヨシヒコはバカでその気になる性格であることを利用して

  • 剣が岩から抜けないふりをする
  • ヨシヒコが抜く番になったらヒモで引っ張る

という方法でヨシヒコが冒険に出るよう罠を仕掛けていたことが判明する。
 
トドメの剣がありながらもゲルゾーマ戦においては劣勢であったが、過去からやってきたヨシヒコが参戦したことで状況は一転することになる。
 
ゲルゾーマ戦の後は記憶を消し去り、元いた『魔王の城』の時代(『導かれし七人』の舞台よりずっと過去の世界)に戻るはずだったものの、ヨシヒコは仏のうっかりで記憶が消えていないまま(俗に言う【強くてニューゲーム】)元の時代に戻されてしまった。