【餓死】

Last-modified: 2024-03-21 (木) 04:51:47

概要

飢えて死ぬこと。
あらゆる生き物が生きていくうえでは定期的に食物を摂取してエネルギーを補給することが必要不可欠だが、それを十分に行えない場合、栄養失調により衰弱していき最終的には死に至る。
 
本編シリーズではイベントシーンに食事の映写がある程度で、一貫して食糧事情等の描写はない。
【おべんとう】【チーズ】など、どう見ても単なる食糧としか思えないようなアイテムでも、それを持っているとかいないとか、使ったとか使わなかったで何が変わるという事もない。
旅先でしばしば白骨死体を見かけることはあるが、調べたところでテンプレの台詞が出るのみで死因に言及されるケースはなく、それがモンスターの手にかかったものなのか、単純に行倒れたものなのかは不明。
まあパーティの食事事情までシステムに組み込んでしまうとゲームが複雑になってしまうため、単純に省かれているというだけで、実際は随時購入・補給しているものと想像しておくべきなのだろうが。
 
直接関係があるのは、【食料】のステータスがあるキャラバンハート、ローグライクゲームのシステムの上に作られている不思議のダンジョンシリーズ、モノづくりゲームのビルダーズシリーズ。
こちらは【満腹度】の概念がステータスとして設定されており、うまく回復させていかないと飢えでダメージを受けたり最悪餓死してしまうことがある。

キャラバンハート

キャラバンハートには【食料】のシステムがあり、これが0になるとガードモンスターのHPが減り始める。
HPも0になると全滅なので、つまりこれも一種の餓死といえよう。ただし食料0、HP1の状態で歩いても【死亡】はしない。

不思議のダンジョンシリーズ

満腹度が0%で食べられるアイテムもなくなり、それによってHPを失って行き倒れること。
 
満腹度はなにかしら行動すると減少し、【パン】等を食べると増加する。
満腹度が0の状態でさらに行動をすると今度は1ターン(1歩でも歩けばカウントされる)につき1のHPが減少していき、これによってHPが0になると「餓死」したことになる。
ちなみに満腹度0%、HP1の状態で1歩先にパンがあるときでも餓死回避はできない。パンを食べる前に1ターンカウントとHP0で力尽きる処理が優先されるからだ。
パンを目の前にして、あるいは手にしてもそれを食べる力さえなく倒れる…そう考えるとやりきれなくなる。
 
トルネコ2の【冒険の記録】には「うえて倒れた」、トルネコ3の【冒険の履歴】には「お腹が減って倒れた」と記録される。
 
なお栄養失調による体力の減少は怪我などとはまるで別物なのだが、このゲームではとりあえずどちらもHPが減るという同じ現象に統一されている関係で、怪我を治療するためのものであるはずの【やくそう】【ホイミ】などで飢えによって減ったHPも回復できる。しかし焼け石に水状態なので早急に何かしらを摂取して腹を満たさないと餓死するのは時間の問題である。
 
満腹度が0%になった際のメッセージは3段階表示で1つのメッセージ表示につき1ターンが経過するため、0%になってからHP減少が始まるまでに実質3ターンの猶予があり、メッセージがすべて表示され切ってからHPの減少が始まる。(Aボタンでメッセージを送るとその場でターン経過する。)

ビルダーズ1

本作にも満腹度の概念があり、満腹度が0になると主人公のHPが減り続け、HPも0になると餓死する。
 
【1章 メルキド編】では最初は表示されておらず飢え死にすることはないが、ストーリーを進めると空腹を感じ始めて表示されるようになり、そこから食料が必要となる。
これは満腹度のシステムや概念を理解する前に飢え死にしないための配慮、だけではなく主人公の出自に関する伏線であったことが後々明らかになる。
 
また、同章にて訪れる新メルキドの廃墟にて発見できる資料から、当時の人々が飢餓に悩まされ、それによって人の間で争いが起きて最終的に滅んだことがわかる。
当時のメルキド町長はモンスターからの襲撃から逃れる為にモンスターでさえも破壊不可能な強固なシェルターを建設し、そこに住人を避難させた。しかし魔物からの攻撃に対抗しようとあまり、建物の大きさに対して扉は小さなものが一つで窓すらなく、外に出ることも禁じて外界と完全に遮断してしまった上、食糧生産手段を持ち合わせていなかった為、食糧補給が不可能という文字通りの致命的な欠点があった。このため大量に用意していた食料も物資も次第に底を突いてしまい、餓死者を出す事に。
そして当時のメルキド町長が飢餓を防ぐ為に用意した食料とは…!?
 
「あそこにだけは行ってはいけない」「あんな場所にいるぐらいなら一人で行き倒れた方がマシ」といった脱走者のメモ、廃墟内の住民の不穏なメモ、終いには町を守る【ゴーレム】が町を守る為に中の人間を滅ぼしたこと。
……こんな状況的に餓死者の遺体や「口減らし」で始末された人が充てられた可能性が高い。
もちろん決定的証拠はない(というかCERO Zクラスでも危ういのでそんな直接的な表現入れられるわけない)のだが、一般人の彼らでは魔物など狩れないし、そもそも出られないので食糧補給も無理、文明が滅んで久しく自給自足も不可能、ましてマトモな理性など保っていない、となれば残った選択肢はそれしかない。そうならない方がおかしい。
実は外に出れば生食できる【モモガキの実】や焼けば食べられる【キノコ】はあるのだが、閉鎖空間で狂った人々のほとんどはそれすら気付くこともなかったようだ。
 
そしてそんな事態がが実際に起きてしまった事例も知られている。江戸時代中期の天明年間(1780年代)に起きた飢饉では「牛馬はもちろん犬猫、雑草、果ては人肉さえも食べた」という記録がある他、現代においても旅客機や船などの事故の生存者が救出までの間に死者の肉を食べて飢えを凌いだという凄絶な事件の記録が残されている。
大多数の人は一生経験することはないだろうが、いざ極限の飢餓状態に直面してしまった場合は、人間同士の「共食い」も選択肢足り得てしまうのである。