【週刊少年ジャンプ】

Last-modified: 2024-04-13 (土) 11:04:26

概要

【集英社】発行の漫画雑誌。雑誌の「ジャンプ」というと一般的にはこれを指す。
1968年7月創刊。創刊当初は隔週刊だったが、翌1969年4月より週刊となった。
 
週刊少年漫画誌として草分け的存在の講談社の『週刊少年マガジン』(以下マガジン)、小学館の『週刊少年サンデー』(以下サンデー)に対してジャンプは10年近くも後発となる(前2者はともに1959年3月創刊)。このため当時の人気漫画家を揃える事が出来ず、新人の育成を重視する方針となった。
創刊当時は『巨人の星』『あしたのジョー』の2大スポ根マンガを擁している全盛期のマガシンの足元にも及ばなかったが、スポ根ブームの終焉やマガジン、サンデーとも青年層向けに転じていったことからジャンプは少年層の支持を得て、1973年8月には発行部数で首位となる(因みに『あしたのジョー』は1973年5月に連載終了している)。
この頃には漫画家の他所への流出を防ぐために専属契約を結ぶようになり、ジャンプ出身の漫画家は契約が切れないと集英社以外の雑誌に連載を持ったり移籍できないとされる。ジャンプで漫画家デビューした【鳥山明】のDQ関連イラストを他出版社が使用できないのは、この専属契約が影響しているからだと言われている。
 
1970年代後期以降は『こちら葛飾区亀有公園前派出所(通称:こち亀)』『キン肉マン』『北斗の拳』『キャプテン翼』【ドラゴンボール】など、様々なジャンルの錚々たる人気作品が名を連ね、更なる人気を獲得し1990年代中盤まで続く「黄金時代」を築き上げた。
上記の時代は団塊ジュニアを中心とした世代が対象読者層であり、彼らはDQを含めFCプレイヤーの主力層でもあったためまさに「ファミコンとジャンプで青春を過ごした世代」と言えるだろう。
そんな「黄金時代」に比ると現在はかなり落ち込んでしまったが、今なお日本のすべての漫画雑誌において最大の発行部数を誇っている。また「黄金時代」を飾った上記作品は2000年代以降も続編やスピンオフ作品が作られているほどである。

ドラクエとの関わり

シリーズ初期より、ドラゴンクエストとジャンプは切っても切れない密接な関係にある。
1985年から【堀井雄二】をメインライターに据えて、週刊少年誌初のゲーム記事のコーナー【ファミコン神拳】を連載開始。そんな中、当時編集者であった【鳥嶋和彦】の働きかけにより、ドラゴンボールを連載中だった【鳥山明】がドラゴンクエストのキャラクターデザインに起用される。
そして1986年2月発売の11号にドラゴンクエストの記事が史上初めて紹介。記事では「モンスターデザインはなんと、あの鳥山明先生!!」という記述が強調されるとともに、ドラゴンロード(後の【りゅうおう】)を含めた7体のモンスターの原画が誌面を彩った。
 
その後堀井雄二は1988年で降板するも、DQ情報は「ファミコン怪盗芸魔団」などの後継コーナーに掲載され、1990年代半ばごろまでは「堀井雄二のゲーム大好き!」というコラムも不定期で連載された。
なおFC時代に公開されたゲーム画面は、ジャンプのものとゲーム雑誌各誌のものとで微妙に違う点があった(例えばDQ4では初期の公開画面でのパーティメンバー構成や、【ミナデイン】のダメージが違っていたりした)。
ゲーム雑誌以外で情報が公開されていた例としては、ハドソンと小学館の例があり、そこから高橋名人が誕生している。
 
平成に入るとメディアミックス展開として、DQの外伝として位置付けた読切作品『デルパ!イルイル!』を掲載。この人気を受けて2作目『ダイ爆発!!!』を経て、【ドラゴンクエスト ダイの大冒険】を連載開始。以降7年間にわたる長期連載となった。
同時期、鳥山明がキャラクター原案を担当したテレビアニメ『ドラゴンクエスト』の放映も決まり、番組(第一部)終了までの間は誌上で定期的に特集が組まれた。このアニメでは「マンガ連載 週刊少年ジャンプ(集英社・刊)」とクレジットされていたが、誌上で行われていたのはマンガ連載ではなく設定資料などの情報公開である。
 
また、『ファミコンジャンプ 英雄列伝』(1989年発売)の出来について堀井が低い評価を下したことから「それならば」と鳥嶋が続編の制作を堀井に依頼し『ファミコンジャンプII 最強の7人』(1991年発売)の監修に堀井、開発会社に当時DQ5を開発中だった【チュンソフト】を起用することになった経緯がある。
同作品は戦闘にシミュレーションアクションシステムという形式をとっているが、コマンドインターフェイスや装備システムなど随所にドラクエとの共通点が見られる。
なお発売元は両作ともバンダイである。
 
原則的にDQの最新情報は本誌でゲーム誌よりも早く真っ先に発表、その後詳細が派生誌のVジャンプに掲載されることが多い(ただし、スケジュールや誌面の都合などにより、ファミ通等に遅れをとることもある)。
ただし、明確な攻略情報は本誌には掲載されず、発売日かその前後に別途【Vジャンプブックス】として入門書のような攻略本が集英社から発売される。
とはいえ、週刊少年ジャンプに【キングアックス】の錬金レシピが掲載されたことで、【地雷錬金】にハマるプレイヤーがDQ8発売当初続出したことからも、ジャンプがDQプレイヤーに巨大な影響力を及ぼしていることが窺えよう。
 
連載されていた漫画作品の一つである『トリコ』にて、キャラバンハートの【グランドシャーク】のパクリと言っても過言ではない猛獣が読者から投稿及び採用されるという事件が発生してしまった。単行本化・アニメ化の際には、このキャラクターには前者は名称変更、アニメでは外見まで変えられた。
 
発売日は原則毎週月曜日であるが、ごく一部には規約違反を犯して前週の水曜日に売る店もあるらしい(俗に言う「早売り」)。
ネットが普及してからは「早売り」で入手した情報が拡散されがちなため、スクエニからの重要な公式発表は本誌よりも前にネットを通じて火曜日にされることが多い。
 
2016年25号には【月刊Vジャンプ】連載の【ドラゴンクエスト 蒼天のソウラ】の「特別編 子猫の小さな大冒険」が出張掲載された。
2018年7月7日には「ニンテンドークラシックミニ ファミリーコンピュータ 週刊少年ジャンプ創刊50周年記念バージョン」が発売され、上記の関連からかジャンプ漫画関連のファミコンソフトと共に【ドラゴンクエスト】もその中に収録された。