Aパート
男子生徒:おい、見たかよ!
男子:見た見た!
男子:何が?
男子:知らねーのか?あの外人!
男子:外人?
男子:2年A組に転校してきたんだよ!先週!
男子:グーだよなぁ!
男子:惣流・アスカ・ラングレーって言うんだってさ!
男子:マジにかわいいじゃん。
男子:帰国子女だろ?やっぱ進んでんのかなぁ?
男子:バカ言え、きっとドイツでつらーい別れがあったんだ、見知らぬ土地で傷ついた心も癒せずにいるんだよ!
男子:おおーっ!
ケンスケ:あーあ、猫も杓子も、アスカ、アスカかぁ…
トウジ:みな平和なもんや。
ケンスケ:毎度ありぃ!
トウジ:写真にあの性格は、あらへんからなぁ。
アスカ:Hello!シンジ!
アスカ:Guten morgen!
BGM:1-9R
シンジ:グ、グーテンモルゲン…
アスカ:まぁた、朝から辛気臭い顔してェ。このあたしが声かけてんのよ、ちったぁ嬉しそうな顔しなさいよ。
アスカ:で、ここにいるんでしょ、もう一人。
シンジ:誰が?
アスカ:あんたバカぁ?ファーストチルドレンに決まってるじゃない。
シンジ:ああ、綾波なら…
アスカ:Hello!あなたが、綾波レイね。プロトタイプのパイロット。
アスカ:あたし、アスカ、惣流・アスカ・ラングレー。EVA弐号機のパイロット、仲良くしましょ。
レイ:どうして?
アスカ:その方が都合がいいからよ。いろいろとね。
レイ:命令があれば、そうするわ。
アスカ:変わった子ね。
トウジ:ほんま、EVAのパイロットって、変わり者が選ばれるんちゃうか?
BGM停止
加持:少し、痩せたかな?
リツコ:そう?
加持:悲しい恋をしてるからだ。
リツコ:どうして、そんな事が分かるの?
加持:それはね、涙の通り道にほくろのある人は、一生泣きつづける運命にあるからだよ。
リツコ:これから口説くつもり?
リツコ:でもだめよ、こわーいお姉さんが見ているわ。
ミサト:むぅぅ!
リツコ:お久しぶり、加持君。
加持:やっ、しばらく。
リツコ:しかし加持君も意外と迂闊ね。
ミサト:こいつのバカは相変わらずなのよ!
ミサト:あんた弐号機の引き渡し済んだんなら、さっさと帰りなさいよ!
加持:今朝、出向の辞令が届いてね。ここに居続けだよ。
加持:また三人でつるめるな。昔みたいに。
ミサト:誰があんたなんかと!
ミサト:敵襲!?
シゲル:警戒中の巡洋艦、「はるな」より入電、「我、紀伊半島沖ニテ、巨大ナ潜航物体ヲ発見。データ送ル」
マコト:受信データを照合…波長パターン青、使徒と確認!
冬月:総員、第一種戦闘配置!
BGM:1-14
ミサト:先の戦闘によって第3新東京市の迎撃システムは、大きなダメージを受け、現在までの復旧率は26%。実戦における稼働率はゼロといっていいわ。
ミサト:したがって今回は、上陸直前の目標を水際で一気に叩く!
ミサト:初号機ならびに弐号機は、交互に目標に対し波状攻撃、近接戦闘で行くわよ。
シンジ・アスカ:了解!
アスカ:あーあ、日本でのデビュー戦だって言うのに、どーして私一人に任せてくれないの?
シンジ:仕方ないよ、作戦なんだから。
アスカ:言っとくけど、くれぐれも足手纏いになるようなことは、しないでね!
シンジ:う、うん…
アスカ:なんであんなのがパイロットに選ばれたの?
アスカ:2人掛かりなんて、卑怯でやだな。趣味じゃない。
ミサト:私たちに選ぶ余裕なんてないのよ、生き残るための手段をね。
シンジ:はっ、来た!
ミサト:攻撃開始!
アスカ:じゃ、私から行くわ!援護してね!
シンジ:援護!?
アスカ:レディーファーストよ!
シンジ:ちぇ、後から来たくせに、仕切るなよな…
アスカ:行ける!
シンジ:えぇっ!?
アスカ:ぬぁぁぁぁーっ!
BGM停止
シンジ:お見事…
アスカ:どう、サードチルドレン!戦いは、常に無駄なく美しくよ!
BGM:2-5
ミサト:ぬゎんてインチキ!
BGM停止
マヤ:本日午前10時58分15秒、2体に分離した目標甲の攻撃を受けた初号機は、駿河湾沖合い2キロの海上に水没、
マヤ:同20秒、弐号機は目標乙の攻撃により活動停止。この状況に対するE計画責任者のコメント。
(リツコ:無様ね。)
アスカ:もぉ、あんたのせいでせっかくのデビュー戦が目茶目茶になっちゃったじゃない!
シンジ:何言ってんだよ、惣流が間抜けなことしただけじゃないか!
アスカ:まぬけぇ~!?どうしてグズのあんたがそんなこと言えるのよ、図々しいわねぇ!
シンジ:何だよ!焦って倒そうとするから大変なことになるんだろ!
アスカ:何よあれ、海の中でドザエモンみたいに!だっさぁ~
マヤ:午前11時3分をもって、NERVは作戦の遂行を断念、
シンジ:自分だって人のこと言えないくせに!
マヤ:国連第2方面軍に指揮権を譲渡。
冬月:まったく恥をかかせおって!
マヤ:同05分、N2爆雷により目標を攻撃、
冬月:また地図を書き直さなきゃならんな。
マヤ:構成物質の28%を焼却に成功。
アスカ:やったの?
冬月:足止めに過ぎん。再度侵攻は時間の問題だ。
加持:ま、建て直しの時間が稼げただけでも、儲けもんっすよ。
冬月:いいか君たち、君たちの仕事は何だか分かるか!?
アスカ:EVAの操縦。
冬月:違う!使徒に勝つことだ!このような醜態をさらすために我々NERVは存在しているわけではない!そのためには君たちが協力し合って…
シンジ・アスカ:なんでこんな奴と!
冬月:もういい…
アスカ:どうしてみんなすぐに怒るの?
加持:大人は恥をかきたくないのさ。
シンジ:あの、ミサトさんは?
加持:後片付け。責任者は責任取るためにいるからな。
BGM:1-7
リツコ:関係各省からの抗議文と被害報告書。で、これがUNからの請求書、広報部からの苦情もあるわよ。
ミサト:ふ~
リツコ:ちゃんと目を通しておいてね。
ミサト:読まなくても分かってるわよ、喧嘩をするならここでやれ、って言うんでしょう?
リツコ:ご明察。
ミサト:いわれなくったって、使徒が片付けばここでやるわよ。
ミサト:使徒は必ず私が倒すわ。
リツコ:副司令官はカンカンよ。今度恥かかせたら左遷ね、間違いなく。
ミサト:碇司令が留守だったのは不幸中の幸いだったけどさ。
リツコ:いたら即刻クビよ。これを見ることもなく、ね。
ミサト:で、私の首がつながるアイディア、持ってきてくれたんでしょ?
リツコ:一つだけね。
ミサト:さっすが赤木リツコ博士、持つべきものは心優しき旧友ね~。
リツコ:残念ながら、旧友のピンチを救うのは私じゃないわ。
リツコ:このアイディアは加持君よ。
ミサト:加持の?
BGM停止
シンジ:ただいまー、って言ったって誰もいない、か…
シンジ:な、何だこれ!
アスカ:失礼ね、あたしの荷物よ。
BGM:1-9R
シンジ:なんで惣流がここにいるんだよ。
アスカ:あんたこそまだいたの?
シンジ:まだって?
アスカ:あんた、今日からお払い箱よ。
シンジ:え?
アスカ:ミサトは私と暮らすの。まぁ、どっちが優秀かを考えれば、当然の選択よね。ほんとは加持さんといっしょの方がいいんだけど。
アスカ:しっかし、どうして日本の部屋って、こう狭いのかしら。荷物が半分も入らないじゃない。
シンジ:あ、わぁぁー!
アスカ:おまけに、日本人てどうしてこう危機感足りないのかしら?よくこんな鍵のない部屋で暮らせるわね。信じられない。
ミサト:日本人の心情は察しと思いやりだからよ。
シンジ・アスカ:ミサトさん…
ミサト:お帰りなさ~い、さっそくうまくやってるじゃない。
シンジ・アスカ:何がですか?
ミサト:今度の作戦準備。
シンジ・アスカ:どうして?
BGM停止
BGM:1-10R
ミサト:第7使徒の弱点は1つ!
ミサト:分離中のコアに対する二点同時の荷重攻撃、これしかないわ。
ミサト:つまり、EVA2体のタイミングを完璧に合わせた攻撃よ。
ミサト:そのためには2人の協調、完璧なユニゾンが必要なの。
ミサト:そ・こ・で、あなたたちにこれから一緒に暮らしてもらうわ。
シンジ・アスカ:えぇ~っ!?
アスカ:嫌よ!昔から男女7歳にして同衾せず、ってね!
ミサト:使徒は現在自己修復中。第2波は6日後、時間がないの。
アスカ:そんな、無茶な~
ミサト:そこで、無茶を可能にする方法。
ミサト:二人の完璧なユニゾンをマスターするため、この曲に合わせた攻撃パターンを覚え込むのよ。
ミサト:6日以内に、1秒でも早く!
シンジ・アスカ:はぁ…
アスカ:ぷいっ!
BGM停止
Bパート
トウジ:しかし、シンジの奴どないしたんやろ?
ケンスケ:学校を休んで、もう三日か。
トウジ:あれ?イインチョやんか。
ヒカリ:3バカトリオの二人…
トウジ:なんでイインチョがここにおるんや?
ヒカリ:惣流さんのお見舞い。あなたたちこそどうしてここに?
ケンスケ:碇君のお見舞い。
トウジ:なんでここで止まるんや?
ケンスケ:なんでここで止まるんだ?
ヒカリ:なんでここで止まるのよ?
シンジ・アスカ:はーい!
トウジ:う、う、裏切りも~ん!
ケンスケ:またしても今時ペアルック、イヤ~ンな感じ!
シンジ・アスカ:こ、これは、日本人は形から入るものだって、無理矢理ミサトさんが…
ヒカリ:ふ、不潔よっ!二人とも!
シンジ:誤解だよ!
アスカ:誤解だわ!
ヒカリ:誤解も六階もない~!
ミサト:あら、いらっしゃい。
トウジ:ん?これは、どういう事か、説明してください。
トウジ:そうならそうと、はよ言うてくれたらよかったのに。
ヒカリ:で、ユニゾンはうまく行ってるんですか?
ミサト:それが見ての通りなのよ…
トウジ・ケンスケ・ヒカリ・ミサト:はぁ~…
アスカ:当たり前じゃない!このシンジに合わせてレベルを下げるなんて、うまく行くわけないわ!どだい無理な話なのよ!
ミサト:じゃ、やめとく?
アスカ:他に人、いないんでしょ?
ミサト:レイ。
レイ:はい。
ミサト:やってみて。
レイ:はい。
アスカ:…
トウジ・ケンスケ・ヒカリ・ミサト:おぉ~!
ミサト:これは作戦変更して、レイと組んだほうがいいかもね。
アスカ:ええっ…もう、イヤッ!やってらんないわ!
シンジ:あっ…!
ヒカリ:アスカさん!
トウジ:鬼の目ェにも涙や。
ヒカリ:い~か~り~く~ん!
シンジ:はぁ?
ヒカリ:追いかけて!
シンジ:え?
ヒカリ:女の子泣かせたのよ!責任取りなさいよ!
シンジ:あのぉ~
アスカ:何も言わないで!
アスカ:分かってるわ。私はEVAに乗るしかないのよ。
アスカ:やるわ、私。
アスカ:こーなったら、何としてもレイやミサトを見返してやるのよ!
シンジ:そんな、見返すだなんて…
アスカ:なぁ~に甘い事言ってんのよ!男の癖に!
アスカ:傷付けられたプライドは、10倍にして返してやるのよ!
シンジ:…
BGM:1-22
BGM停止
アスカ:ミサトは?
シンジ:仕事。今夜は徹夜だって、さっき電話が。
アスカ:じゃあ、今夜は二人っきり、ってわけね。
アスカ:これは決して崩れる事のないジェリコの壁!
シンジ:はぁ…
アスカ:この壁をちょっとでも越えたら死刑よ!子供は夜更かししないで寝なさい!
アスカ:どうして日本人は床の上で寝られるのかしら、信じらんない。
シンジ:はっ!
アスカ:んっ…
アスカ:ママ…ママ……
シンジ:…自分だって子供の癖に…
ミサト:やっだ、見てる!
加持:誰が?
ミサト:誰って…
ミサト:もう、加持君とは何でもないんだから、こういうのやめてくれる?
加持:でも、君の唇はやめてくれ、とは言わなかったよ。
加持:君の唇と君の言葉、どっちを信用したらいいのかな?
BGM:1-7
リツコ:はい。
ミサト:あ、ありがとう…
リツコ:今日は珍しく素面じゃない?
ミサト:う、うーん、ちょっち、ね…
リツコ:仕事?それとも、男?
ミサト:う…いろいろ。
リツコ:ふーん。まだ好きなのかしら?
ミサト:ぶっ!変な事言わないでよ!誰が、あんな奴と!
ミサト:はぁ…いくら若気の至りとはいえ、あんなのと付き合っていたなんて、我が人生最大の汚点だわ。
リツコ:私が言ったのは加持君が、よ。動揺させちゃった?
ミサト:あんたねぇ~!
リツコ:怒るのは図星を突かれた証拠よ。
ミサト:むぅぅ…
リツコ:今度はもう少し素直になったら?8年前とは違うんだから。
ミサト:変わってないわ。ちっとも。大人になってない。
ミサト:さぁ~て、仕事仕事!明日は決戦だもんねぇ~!
BGM停止
BGM:2-12
シゲル:目標は、強羅絶対防衛線を突破。
ミサト:来たわね、今度は抜かりないわよ。
ミサト:音楽スタートと同時に、A.T.フィールドを展開。後は作戦通りに。2人とも、いいわね?
シンジ・アスカ:了解!
シゲル:目標は、山間部に侵入。
アスカ:いいわね、最初からフル稼動、最大戦速で行くわよ!
シンジ:分かってるよ。62秒でケリをつける。
シゲル:目標、0地点に到達します!
ミサト:外電源、パージ。
ミサト:発進!
BGM:2-7
BGM停止。
マヤ:EVA両機、確認!
ミサト:あっちゃぁ~
リツコ:無様ね。
アスカ:ちょっとぉ~っ!あたしの弐号機に何てことすんのよ!
BGM:1-9R
シンジ:そんな!そっちが突っ掛かってきたんじゃないか!
アスカ:最後にタイミング外したの、そっちでしょ!普段からボケボケっとしてるからよ!昨日の夜だって、寝ないで何してたの!?
シンジ:今日の戦いのためのイメージトレーニングだよ!
アスカ:嘘ばっかし!寝てるすきに私の唇奪おうとしたくせに!
シンジ:…ずるいよ、起きてたなんて!
アスカ:ひっどぉ~い、冗談で言っただけなのに、ほんとだったの!?キスしたのね~!
シンジ:してないよ、途中でやめたんだよ!
アスカ:エッチ!チカン!ヘンタイ、信じらんない!
発令所職員:アハハハハ…
シンジ:そっちこそ、寝言と寝相が悪いのが悪いんじゃないか!
冬月:また恥をかかせおって…
BGM停止