Aパート
ゲンドウ:起動開始。
BGM:1-17R
リツコ:主電源、全回路接続。
マヤ:主電源、接続完了。起動用システム、作動開始。
マヤ:稼動電圧、臨界点まで、後0.5、0.2、突破!
リツコ:起動システム、第2段階へ移行。
オペレータ:パイロット、接合に入ります。
オペレータ:システムフェーズ2、スタート。
オペレータ:シナプス挿入、結合開始。
オペレータ:パルス送信。
オペレータ:全回路、正常。
マヤ:初期コンタクト、異常無し。
オペレータ:左右上腕筋まで、動力伝達。
オペレータ:オールナーブリンク、問題なし。
マヤ:チェック2550(ニーゴーゴーマル)まで、リストクリア。
リツコ:第3次、接続準備。
マヤ:2580(ニーゴーハチマル)までクリア。
マヤ:絶対境界線まで、後0.9、0.7、0.5、0.4、0.3、パルス逆流!
オペレータ:第3ステージに、異常発生!
オペレータ:中枢神経素子にも、拒絶が始まっています!
リツコ:コンタクト停止、6番までの回路を開いて!
マヤ:だめです、信号が届きません!
マヤ:零号機、制御不能!
ゲンドウ:実験中止、電源を落とせ!
リツコ:はい!
リツコ:零号機、予備電源に切り替わりました!
オペレータ:完全停止まで、後35秒!
リツコ:危険です、下がってください!
マヤ:オートエジェクション、作動します!
ゲンドウ:いかん!
オペレータ:完全停止まで、後10秒、8、7、6、5、4、3、2、1、0。
リツコ:特殊ベークライト、急いで!
ゲンドウ:レイ!
BGM停止
ゲンドウ:ぐわっ!ぐぅううう!
ゲンドウ:レイ!大丈夫か!レイ!
レイ:……
ゲンドウ:そうか……
リツコ:綾波レイ14歳、マルドゥックの報告書によって選ばれた最初の被験者、ファーストチルドレン。
リツコ:エヴァンゲリオン試作零号機専属操縦者。
リツコ:過去の経歴は白紙、全て抹消済み。
ミサト:で、先の実験の事故原因はどうだったの?
リツコ:いまだ不明。ただし、推定では操縦者の精神的不安定が、第一原因と考えられるわ。
ミサト:精神的に不安定?あのレイが?
リツコ:ええ、彼女にしては信じられないくらい、乱れたのよ。
ミサト:何があったの?
リツコ:分からないわ。でも…まさか…
ミサト:何か、心当たりがあるの?
リツコ:いえ、そんなはずはないわ。
アナウンス:B3ブロックの解体、終了。
アナウンス:全データを、科学技術局一課、分析班に提出してください。
シンジ:これが…僕たちの敵なのか…
リツコ:なるほどね…コア以外はほとんど原形をとどめているわ…ほんと理想的なサンプル…ありがたいわ。
ミサト:で、何か分かったわけ?
ミサト:何これ?
リツコ:解析不能を示すコードナンバー。
ミサト:つまり、わけわかんない、ってこと?
リツコ:そう。使徒は粒子と波、両方の性質を具える光のようなもので構成されているのよ。
ミサト:で、動力源はあったんでしょ?
リツコ:らしきものはね。でもその作動原理がまださっぱりなのよ。
ミサト:まだまだ未知の世界が広がってるわけね。
リツコ:とかくこの世は謎だらけよ。たとえば、ほら、この使徒独自の固有波形パターン。
シンジ:うっ。
ミサト:どれどれ?
ミサト:これって…
リツコ:そう。構成素材の違いはあっても、信号の配置と座標は、人間の遺伝子と酷似しているわ。99.89%ね。
ミサト:99.89%って…
リツコ:改めて私たちの、知恵の、浅はかさってものを思い知らせてくれるわ。
ゲンドウ:OK、いいぞ、止めろ!
冬月:これがコアか?残りはどうだ?
男:それが…劣化が激しく、資料としては問題が多すぎます。
ゲンドウ:かまわん。ほかは全て破棄だ。
男:はい!
ミサト:どしたの?
シンジ:うっ、いえ、別に…
ミサト:あのねえ、そういう顔して別に、っていわれてもね、気にかけてください、心配してください、って言われてるようなもんなんですけどね。
シンジ:あの…父さん、手に火傷してるみたいなんだけど…
ミサト:火傷?
シンジ:どうしたのかな、って思って…
ミサト:火傷って…知ってる?
リツコ:あなたがここにくる前、起動実験中に零号機が暴走したの、聞いてるでしょ?
シンジ:はい。
リツコ:その時パイロットが中に閉じ込められてね。
シンジ:パイロットって、綾波ですよね?
リツコ:碇司令が彼女を助け出したの。過熱したハッチをむりやりこじ開けてね。
シンジ:父さんが?
リツコ:手のひらの火傷は、その時のものよ。
女子:いけいけいけいけーっ!
女子:いけヒデコーっ!
男子:させるかぁーっ!
男子:ああー!
男子:惜しい!
男子:次、決めてくぞーっ!
男子:おー!
女子:やだ、スケベーっ
女子:エッチぃー
トウジ:みんな、ええ乳しとんなあ。
女子:なんか、鈴原って、目つきやらしー!
女子:碇くーん!
トウジ:お、センセエ!なに熱心な目で見てんのや。
シンジ:いや、別に…
ケンスケ:綾波かぁ?ひょっとして!?
シンジ:ち、違うよ!
ケンスケ:まったまた!あ・や・し・い・な!
トウジ:あ、綾波の胸、綾波の太もも、綾波の
トウジ・ケンスケ:ふ・く・ら・は・ぎ!
シンジ:だから、そんなんじゃないって。
ケンスケ:だったら、何見てたんだよ。
トウジ:わしの目はごまかされへん!!
シンジ:どうしてあいつ、いつも一人なんだろう、って思ってさ。
トウジ:へ?
ケンスケ:ハァ?
トウジ:ああ、そないいうたら、1年のとき転校してきてから、ずぅっと友達いてないなあ。
ケンスケ:なんとなく、近寄りがたいんだよ。
トウジ:ほんまは性格悪いんとちゃうか?
ケンスケ:EVAのパイロット同士だろ?シンジが一番よく知ってるんじゃないの?
トウジ:そりゃそうや。
シンジ:ほとんど口、聞かないから…
アナウンス:EVA初号機は第3次冷却に入ります。第6ケイジ内は、フェーズ3(スリー)までの各システムを落としてください。
マヤ:先のハーモニクス、およびシンクロテストは異常無し、数値目標をすべてクリア。
オペレータ:了解。結果報告は、BALTHASARへ。
マヤ:了解。
オペレータ:エントリープラグのパーソナルデータは、オールレンジにてMELCHIORへコピー。データ、送ります。
オペレータ:MELCHIOR了解、回路接続。
オペレータ:第3次冷却、スタートします。
マヤ:CBL、循環を開始。
オペレータ:廃液は、第2浄水システムへ。
オペレータ:各蛋白壁の状態は、良好。各部、問題なし。
オペレータ:零号機の再起動実験まで、-1500分です。
リツコ:何よ、これー!
BGM:1-8
ミサト:カレーよ。
リツコ:相変わらず、インスタントな食事ねえ。
ミサト:お呼ばれされといて、文句を言わない。
シンジ:ミサトさんは?
ミサト:あはっ、私はねー…ヘッヘェ、ジャーン!ここに入れちゃって!どっぶゎ~っと!
シンジ:本気…ですか?
ミサト:やーねー、いけるのよー。
シンジ:じゃあ…
ミサト:最初っからカレー味のカップ麺じゃね、この味は出ないのよ~。
ミサト:いっただきまーす!
ミサト:スープとお湯を、少な目にしておくのが、コツよー。
シンジ・リツコ:う…ぐっ…
リツコ:これ作ったの、ミサトね!
シンジ:はい…
ミサト:分かる~?
リツコ:味でね!
リツコ:レトルトを原料に、よくここまで…
リツコ:今度呼んでいただけるときは、シンジ君が当番のときにしていただけるかしら?
ペンペン:クウッ…クゥウウー……クワッ…クギュウウウウウ……(ぱたん)
シンジ:ん?
リツコ:シンジ君、やっぱり引っ越しなさい!がさつな同居人の影響で、一生を台無しにすること無いわよ。
シンジ:もう慣れましたから…
ミサト:そ~よ~、リツコ~。人間の環境適応能力を侮ってはいけないわ~。
ミサト:大体引っ越すったって…あら…シンちゃん…も一本お願い!
シンジ:はい。
ミサト:手続き面倒よ。シンジ君、本チャンのセキュリティーカード、貰ったばっかりだもの。
BGM停止
リツコ:あ、忘れるところだったわ!
リツコ:シンジ君、頼みがあるの。
シンジ:なんですか?
リツコ:綾波レイの更新カード。
リツコ:渡しそびれたままになってて、悪いんだけど、本部に行く前に彼女のところへ届けてくれないかしら。
シンジ:はい。
シンジ:…
ミサト:どーしちゃったのー?レイの写真をじーっと見ちゃったりしてー。
シンジ:あっ、わっ、いや…
ミサト:ひょっとして、シンちゃん…
シンジ:ち、違うよー!
ミサト:まったまた、テレちゃったりしてさ。レイの家に行くオフィシャルな口実ができて、チャンスじゃない!
シンジ:からかわないでよ、もう!
ミサト:ウフフフフ、すーぐむきになって、からかい甲斐のある奴ー
リツコ:ミサトと同じね。
ミサト:がぁ!
シンジ:僕はただ…同じEVAのパイロットなのに、綾波のことよく分からなくて…
リツコ:いい子よ。とても。あなたのお父さんに似て、とても不器用だけど。
シンジ:不器用って、なにがですか?
リツコ:生きることが…
Bパート
シンジ:ごめんください…
シンジ:ごめんください。碇だけど…綾波、入るよ。
シンジ:………綾波のかな?
注)風呂場からレイが裸で出て来る
シンジ:いや、あの……僕、別に…
注)シンジは誤ってレイを押し倒してしまう。
レイ:どいてくれる?
シンジ:あ、あの…
レイ:何?
シンジ:え、いや、僕は…その…僕は、た、頼まれて…つまり…何だっけ…カード、カード新しくなったから、届けてくれって(ゴクリ)だから、だから別にそんなつもりは…
シンジ:リツコさんが渡すの忘れたからって…ほ、ほんとなんだ。それにチャイム鳴らしても誰もでないし、鍵が…開いてたんで…その…
注)レイはシンジを無視し、家を出て、NERV本部へと向かう。シンジもそれを追いかける
アナウンス:セントラルドグマは現在開放中です。ルート3へは、第4直通ゲートを利用してください。
シンジ:これ、綾波の新しいやつ…リツコさんに頼まれて…
シンジ:さっきはごめん…
レイ:何が?
シンジ:あの、今日、これから再起動の実験だよね。今度はうまく行くといいね。
BGM:1-5
シンジ:ねえ、綾波は恐くないの?またあの零号機に乗るのが。
レイ:どうして?
シンジ:前の実験で、大怪我したんだって聞いたから…平気なのかな、って思って。
レイ:あなた、碇司令の子供でしょ?
シンジ:うん。
レイ:信じられないの?お父さんの仕事が。
シンジ:当たり前だよ!あんな父親なんて!
シンジ:う…あの…(パン!)
(ゲンドウ:レイ、大丈夫か、レイ)
(リツコ:その時パイロットが中に閉じ込められてね。碇司令が彼女を助け出したの。過熱したハッチをむりやりこじ開けてね。掌の火傷は、その時のものよ。)
BGM停止
ゲンドウ:レイ、聞こえるか?
レイ:はい。
ゲンドウ:これより、零号機の再起動実験を行う。第一次接続開始。
リツコ:主電源、コンタクト。
マヤ:稼動電圧、臨界点を突破。
リツコ:了解。フォーマットをフェーズ2へ移行。
オペレータ:パイロット、零号機と接続開始。
オペレータ:回線開きます。
オペレータ:パルスおよびハーモニクス正常。
オペレータ:シンクロ、問題なし。
オペレータ:オールナーブリンク、終了。
オペレータ:中枢神経素子に、異常無し。
オペレータ:再計算、誤差修正無し。
マヤ:チェック2590(ニーゴーキューマル)まで、リストクリア。
マヤ:絶対境界線まで、後2.5、1.7、1.2、1.0、0.8、0.6、0.5、0.4、0.3、0.2、0.1、突破。ボーダーライン、クリアー。
マヤ:零号機、起動しました。
レイ:了解。引き続き、連動試験に入ります。
冬月:碇、未確認飛行物体が接近中だ。
冬月:おそらく第5の使徒だな。
ゲンドウ:テスト中断、総員第一種警戒態勢。
冬月:零号機はこのまま使わないのか。
ゲンドウ:まだ戦闘には耐えん。初号機は?
リツコ:380秒で、準備できます。
ゲンドウ:出撃だ。
リツコ:はい。
ゲンドウ:レイ。再起動は成功した。戻れ。
レイ:…
BGM:1-3
シゲル:目標は、塔の沢上空を通過。
マコト:初号機、発進準備に入ります。
マコト:第1ロックボルト外せ。
シンジ:解除確認。
マコト:了解。第2拘束具、外せ。
オペレータ:了解。
シゲル:目標は芦ノ湖上空へ侵入。
マコト:EVA初号機、発進準備よろし!
ミサト:発進!
シゲル:目標内部に高エネルギー反応!
ミサト:なんですって!?
シゲル:円周部を加速、収束していきます!
リツコ:まさか!
ミサト:だめ!よけて!
シンジ:え!?
シンジ:うわああああああ!
ミサト:シンジ君!
BGM停止