作品/【チョコボの不思議なダンジョン】

Last-modified: 2023-05-28 (日) 14:02:31

概要

ローグライクゲーム「不思議のダンジョン」シリーズのFF版。
「チョコボの不思議なダンジョン」初代作にしてチョコボシリーズ全体の初代作。
PSでの初の不思議のダンジョンだった為、期待した人も多かったと思われるが、システムは全く異なった作品。
スクウェアとバンプレストが共同開発しており、監修はチュンソフトの中村光一。

  • FFキャラのSD化デザインのノウハウを得るために、SDヒーローで有名だったバンプレストの力を借りることとなった。
  • 「不思議のダンジョン」シリーズだが、「チョコボの不思議の~」では「の」が重複するため「チョコボの不思議"な"ダンジョン」となった。
    • このためか一本の細い糸の先に獲物がかかっていることを祈りながら手繰り寄せていけるような痺れる難易度を求めるローグライクゲーム愛好家たちの間では、本編が非常にぬるい本シリーズは「不思議ダンジョンは不思議ダンジョンとは別」ということで分けられていたりする。
      • 本家の不思議のダンジョンの(シレンシリーズの)難易度のインフレが激しく、N64のシレンの時点で初心者お断り同然の物であり、チョコダンはローグライクゲーを全くプレイしたことがない初心者向けという意味合いが強かったんだろう。
      • そのライト向け要素の最もたるものが「レベル持ち越し」と「装備品の保護」。本家不思議のダンジョンではゲームオーバーになるとこの両者も没収されてしまうが、本作においては装備していないアイテムの没収に留まっている。本家の要素はゲームの緊迫感を生むにも一役買っている一方で特にライトユーザーにとってはモチベーションに深刻なダメージを与える要素でもあったのである。

主人公にチョコボを据えており、またターン制とFFのATBシステムをミックスした
TATB(ターンアクティブタイムバトル)という独自のシステムを採用している。
元出が5からの敵が多く、隠しボスも5から登場している。

  • PS初のローグライクゲームとしては本作よりも先に「王宮の秘宝テンション」という作品が出ている。(知る人ぞ知るク○ゲーなのだが…)
  • 可愛らしくデフォルメされたキャラクターやモンスターたちが特徴的。
    全体的な雰囲気もコミカルであるが、風の音だけが響く謎のフロアや、やけにホラーなクリアムービーなどいくつか不気味な要素も含んでいる。
  • 新魔法ディムフィラネスなど、本シリーズオリジナルの設定も存在するのだが、残念ながら本編シリーズには全くといっていいほど取り入れられていない。

後に発売されるトルネコ2の繋ぎになるかならなかったくらいの作品。
難易度的には本家不思議のダンジョンよりもぬるめといわれる。
しかし、アイテムがフロアごとに入手確率が設定されているため、入手場所を知らないと手に入らないものが多い。
また、特典の不思議なデータディスク目当てに買った者も少なからずいた様子。
CMは複数のVerがあるが、マリオカートのCMもやった故人広川太一郎氏のVerもある。

  • そのCMの一つにクリスマスパーティーで七面鳥の丸焼きが出されてそれを見たチョコボが涙を流すというものもあった。それを当時「めっちゃシュールやな」と他人事で眺めていた一人の女性はのちにこのシリーズに深く係ることとなるのだった。

PS時代に多かった、どこかで見たことのある作品をチョコボ主体にして作ったゲームの一つ。
当時は家庭用のローグライク作品が珍しかったため、よく不思議のダンジョンシリーズと比べられる。
家庭用のローグライクゲーは全体的に簡単なものが多いが、その中でもこのシリーズは特に簡単。

とはいえ、作品の出来自体は決して悪くないので、ライト層向け。

  • 当時PS作品の4大マスコットとして扱われていたが、チョコボだけスクウェア出身と言うこともあり浮いていた。

なぜチュンソフトがトルネコの次にチョコボで不思議なダンジョンを作ったのか不思議。まだエニックスとは合併前だったはずなのに。

  • チュンソフトはトルネコの次に風来のシレンシリーズを制作していたはずだが。
    • なお現在は版権を売却したためチュンソフト(現:スパイク・チュンソフト)はトルネコシリーズを作成できない。(ちなみに「ヤンガスの不思議なダンジョン」制作はDODシリーズを作っていたキャビア。)

クリアの難易度はライト向けではあるが、やり込み要素を考えると一概にライト層向けとは言えない。
後のシリーズに受け継がれるLvシステムではあるが、クリア後にLV制を解除することも可能だし、通路を歩いていただけなのに画面の端に移っていた部屋からメテオをぶち込まれるのは誰しも経験するところ(後者はローグライクゲーあるある)。
最終ダンジョンの深さは9999Fもある。しかもそれより深く潜ろうとすると壁にめり込むという達成感ぶちこわしの仕様。
まぁ、開発者もそこまでやり込まれると思っていなかったんだろうが。

  • シレンでも9999階まで到達可能なシリーズが登場しており
    ヤンガスではその1/10の999階まで到達可能。

ちなみにゲーム開始をしてからアトラがいったん家に入って出て行ったあとにアトラがいつもいるタンスの左の方を調べると、中村光一さんの張り紙メッセージが読める。
内容は以下のとおり

ようこそ!
こうりゃくのポイントは、本やツメ、クラを
上手に育てることです
ムリをしてつっこまずにテレポカードで村へ
帰ってLVをあげましょう
       かんしゅう 中村光一 より

2010年8月25日、ゲームアーカイブスに配信された。


攻撃時にモンスターの名前が表示されないのでシリーズのファンじゃないと分かりにくい


ダンジョンは「カミラパパから生まれたダンジョン」「アトラから生まれたダンジョン」「かかしから生まれたダンジョン」の3つが存在する。
ゲーム中では名称が存在しないため、攻略本では便宜上のタイトルが付けられている。

  • デジキューブ版ではこれといった名前は付けられていない。
  • Vジャンプブックス(集英社の攻略本)では前2つはそれぞれ「ファーストダンジョン」「セカンドダンジョン」と名付けられている。「かかしから生まれたダンジョン」は紹介されていないが、Vジャンプブックス派からは便宜上「サードダンジョン」と呼ばれている。
  • 解体真書(アスペクトの攻略本)ではそれぞれ「第1ダンジョン」「第2ダンジョン」「第3ダンジョン」と名付けられている。
    • バンダイから発売されたカードダスでもこの「第◯ダンジョン」の呼び名が採用されている(75番のデビルチョコボや105番のクリシェールの説明欄より)。
    • ワンダースワン版の取扱説明書の30ページでもこの「第◯ダンジョン」の呼び名が採用されている。

ワンダースワン版

後にワンダースワン(モノクロ)で「チョコボの不思議なダンジョン for ワンダースワン」も発売。
こちらの発売元はスクウェアではなくバンダイ。
モノクロながらBGMなどの再現度はよく、ゲーム内容もほぼ忠実に移植されている。
……のだが、珍妙なバグが多い。中にはデータ消失を引き起こす致命的なものまである。


WS版はワンダースワン本体との同時発売でローンチソフトだったため、
「本体発売に無理矢理間に合わせたせいでバグが多い」ともよく言われる。
なお、1年後にはチョコボカラーの本体同梱限定版も発売された。