書籍/【チョコボのふしぎものがたり】

Last-modified: 2023-05-08 (月) 13:26:12

作:かとうひろし
かつて月刊コロコロコミックで連載されていた漫画。
発表期間は1998年8月号~2001年1月号。
チョコボの不思議なダンジョン」を題材としている。
父のファズを探しているチョコボと世界中のお宝を探しているモーグリが一緒に旅をする。
チョコボの不思議なダンジョン2」が発売された辺りに連載されたからか途中から「2」に沿ったストーリーになっていく。
ゲーム版のポップなビジュアルを忠実に再現している絵柄もまた特徴である。

  • 作者の過去作は怪奇系超能力バトル漫画「サイファー」や高校野球漫画「駆けろ!大空」など作風も絵のタッチも本作とは180度違うものだったため、同一作者の作品であることに気付かなかった読者も多かったとか。
    • 作者は現在コロコロでは連載してないが、専門学校講師を兼任しながら漫画業界の後世育成を主に活動中。

2に沿った話にはなっているが、キャラクターの設定やストーリーはゲームとほとんど異なっている。
これ以外に「チョコボレーシング」や「チョコボの不思議なゲームカード」をテーマにした外伝もあり
ゲーム版の攻略情報を収録した公式ファンブックにゲームの設定に忠実に近い読切作品もある。
単行本は全6巻。最終巻に書き下ろしとして15年後のエピソードと、
作中に登場したモンスターをまとめた「モンスター図鑑」が掲載されている。

  • ゲーム版においては核心であった未来文明等の設定がない。
    なので、シロマも登場はするが別に重要キャラクターではなくなっており、ラスボスの設定もゲームとは違っている。
    ちなみに、この漫画のシロマは、モーグリに対してはっきり怒ったりと強気な性格で、
    ゲーム版に比べるとだいぶん印象が異なる。
  • 2シロマとレーシングシロマを足して2で割った感じという印象。
    レーシングシロマほど強気ではないが、2シロマほど儚げでミステリアスというわけでもない。普通の少女である。

当時としては珍しく、チョコボの鳴き声に「キュピ」が採用されている(『チョコボの不思議なダンジョン』のゲーム中では、チョコボには台詞がなかった)。
その為ネット上で、
「チョコボの鳴き声は、キュピ、じゃなくて、クエ、だろ」
と論争になった事がある。
それを知ってか知らずか、ラストではチョコボは大人になると、
鳴き声が「クエ」になるという設定が明かされた。
今にして思うと、鳴き声はFF7の「アキヒコォッ!」を採用してほしかった所である。実に残念だ。

因みにスクウェア曰く、チョコボシリーズでの鳴き声は「キュピ」で良いらしい。

  • 「キュピ」という鳴き声は著者・かとうひろしの考案だったそうだが、
    この後に発売された「時忘れの迷宮DS」で、チョコボが驚いた時の鳴き声が「キュピー!」と書かれるなど、
    ゲーム側にも影響を与えることになったようだ。

作者のブログによれば、一定の読者人気をキープできていたのだが、連載を終了したのはスクウェアサイドと編集部の諸事情によるものらしい。
作者としては10巻くらい出せたらいいなあ、と心密かに望んでいたんだとか。

  • 終盤の展開が駆け足に感じたがそれが原因か。
  • チョコボコレクション~時忘れまでの間はチョコボシリーズにとって暗黒期とも言える期間であり、恐らくこの辺りの事情もあるのかもしれない。人気はあったようなので続いていれば時忘れの迷宮辺りまでは漫画化されていたかもしれないと思うと実に惜しい。
  • 1999年には「レーシング」「スタリオン」など関連作が立て続けに発売されたものの、
    思ったほどの売上げが達成できなかったのか、2000年以降はチョコボシリーズの新作はもうほとんど作られなくなった。
    そして2003~2005年あたりは完全にシリーズが沈黙状態に。
    本来ゲームの販促が目的のマンガなので、チョコボの新作ゲームを出す予定がない以上、もはや連載する意味が無くなったのだろう。
    もし2000年代初頭の時期にチョコダンの第三作が出てヒットしたりして、シリーズが順調に継続できていればこのマンガも続いたのかもしれない。

この時期のコロコロ漫画は、『K-1ダイナマイト』や『スーパービーダマン』等、後半の巻の古書価が異常に高騰しているケースがあるのだが、
『ふしぎものがたり』に関しては比較的発行部数が多いのか、古本でも集めやすいと思われる。

  • 児童誌連載の漫画はとにかく代謝が早く、余程の人気かつ長期連載にならないと再版がしづらい。ゲームやアニメのメディアミックス作品はまだ知名度の関係で敷居は低い方。マイナー作品に手を出すと、かなりの出費を覚悟する事に…。
  • 2022年現在、中古価格は緩やかに上昇しており、中古でも定価とほぼ同額の価値が付いている。電子書籍化が望まれるが、版権的に厳しいか。
    コロコロのメディアミックス作品でもロックマンエグゼなどが復刊された例はあるので、本作も期待したいところだが…。
    • 電子書籍は端末と資金があれば在庫切れの心配無くすぐに買うことが出来る。…がこちらはこちらで版権や出版社の都合であっさり配信や取り扱いを取り止める事態もあり。特にメディアミックス作品は版権があちこちに関与している為、差し止めになりやすい。

ゲーム版のチョコボは鳴くだけで喋らないが、この漫画のチョコボは普通にセリフを話す。
これは「主役が喋れないとマンガにならない」というわけで作者がスクウェアに強引に認めてもらったらしい。
また、他にも作者が考案した鳴き声「キュピ」や、父親「ファズ」などの独自要素も、
登場させるにはスクウェアの認可が必要だったことが作者のツイッターで明かされている。