3-1 (ニュージーランド)
姫子 | キアナ少尉、ニュージーランドに到着したわね?それじゃ、任務の説明を始めるわ。 |
キアナ | ちょっと待ってよ!この前の幽霊戦艦の解析結果が気になるんだけど... |
姫子 | キアナ、任務の遂行を優先しなさい。 |
姫子 | 悪いニュースがあるわ。昨日ニュージーランドで強烈な崩壊が発生した。 |
姫子 | 今そっちはゾンビと崩壊獣だらけよ。 |
姫子 | オセアニア支部はほとんど壊滅状態で、「デザイアジェム」も崩壊の発生と同時に無くなったわ。 |
姫子 | 幸い、ハイペリオンの探査装置で「デザイアジェム」の位置は再特定出来たが... |
姫子 | 出来るだけ早くそのジェムを回収してきなさい! |
キアナ | 姫子、「デザイアジェム」って一体何なの? |
姫子 | 14年前、天命は3つの強力な崩壊エネルギーの結晶を手に入れた。そのうちの一つが「デザイアジェム」よ。 |
姫子 | 3年前、天命は極秘の研究計画を実行し、その結晶を使って律者に匹敵する武装を開発しようとしていた。 |
姫子 | 残念ながら研究は失敗し、それ以来「デザイアジェム」はオセアニア支部で保管されていたわ。 |
姫子 | 私が知っているのは以上だ。 |
キアナ | そういうことなら、急いで回収しに行こう! |
3-2 (戦艦の情報)
テレサ | キアナちゃ~ん、姫子少佐からあなたが幽霊戦艦のこと気にしてたって聞いたよ。現在の解析結果を教えてあげようか? |
キアナ | おばさ...じゃなくて!テレサちゃん~かわいい~ |
テレサ | 今なんて言った!? |
テレサ | まあいいや...分析結果によると、あの戦艦はそこまで完全に起動されていなかった。 |
テレサ | 全部で24基ある反重力エンジンの内、動いていたのは1基だけ。武器システムも全てフリーズ状態。 |
テレサ | 艦載武器が完全に起動した場合、およそ1日で北米大陸を廃墟にすることが出来るみたい。 |
テレサ | 例えば、ハイペリオンに搭載されている崩壊炉の限界出力は1380HW |
テレサ | そして、ムーンライト・スローンの崩壊炉の限界出力は12000HW |
テレサ | 実に面白い!今の天命の技術では、1500HWが限界なのよ! |
テレサ | 今のところ強度が1500HWを超える崩壊エネルギーは1種類だけ。 |
キアナ | それって...律者? |
テレサ | その通り!長空市で観測された第三律者がハイペリオンを撃破したとき放った一撃、その崩壊エネルギーが3200HW |
テレサ | だから、あの戦艦を完全に起動するには、律者のエネルギーを必要とするの、それも4人よ! |
キアナ | 夢の中の声も、鍵が4本って言ってたような... |
3-3 (運命の出会い)
芽衣 | 探測装置に表示されているのはここね。でも何も見えないわね?まさか位置特定システムのエラーかしら...? |
ブローニャ | 芽衣姉様、待ってください。 |
芽衣 | どうしたの、ブローニャちゃん? |
ブローニャ | 東50mに生命反応があるとセンサーに表示されています。 |
芽衣 | 東側...あ、見えた!車椅子に座った女の子がいるわ。危ないから急いで助けないと! |
3-4 (車椅子の少女)
姫子 | 目標を発見したようね! |
芽衣 | 目標...?私達のターゲットって「デザイアジェム」では...?見つかったのは女の子ですよ? |
姫子 | オセアニア支部からの情報によると、その子が「デザイアジェム」よ。 |
ウェンディ | あの...私はウェンディです。 |
姫子 | 説明させて。 |
姫子 | 3年前にオセアニア支部で行われていた実験で、「デザイアジェム」がウェンディの脚に移植されたわ。 |
姫子 | 崩壊エネルギーの結晶を彼女の下腿骨と結合させることで、律者に匹敵するレベルの力を得られるのでは?と期待されていたわ。 |
芽衣 | そう言われると、ウェンディちゃんに巨大な力があるみたいだけど...今の彼女には難しそうね。 |
姫子 | ウェンディは当時、オセアニア支部で最も優れた戦乙女だった。この世界で4人目のS級になれると期待されていたのよ。 |
姫子 | でも残念なことに、彼女にもその力を制御できなかった。 |
ウェンディ | 私の力不足で...「デザイアジェム」を制御出来なかっただけじゃなくて...そのせいで両足とも動かせなくなって... |
芽衣 | どうしてこんなことに...なんで取り出さないのよ!これのせいでウェンディちゃんは車椅子生活なんでしょ! |
姫子 | 「デザイアジェム」は極めて不安定だけど、ウェンディの体内では安定しているわ。 |
芽衣 | つまり天命は...結晶を保存するためだけにウェンディちゃんの体を器にしてるってこと!?やりすぎだわ! |
姫子 | ここでこの件を言い争っても意味がないわ。今はウェンディをハイペリオンに連れて帰りなさい。 |
ウェンディ | 帰るの...?でも私は車椅子だし...動きにくい... |
ブローニャ | ブローニャはウェンディが足手まといだなんて思いません。重装ウサギ19c、起動。 |
ウェンディ | これは...ロボット...?一瞬で出てきた...? |
ブローニャ | 重装ウサギ19c、ウェンディを乗せてください。これなら移動も楽です。 |
ウェンディ | えっ?飛び上がった! |
キアナ | すごーい!ブローニャちゃんのロボットがこんな事もできるなんて!今度は私にも試させてよ! |
ブローニャ | キアナはお断りです。 |
3-6 (熱心なブローニャ)
ブローニャ | 4分後には帰還できます。ウェンディが移動に影響していないことは証明できました。 |
芽衣 | 今日のブローニャちゃん、親切ね。 |
キアナ | ブローニャちゃんのシステムに親切っていうウイルスでも侵入したの? |
ウェンディ | あの...ブローニャお姉ちゃん、ありがとう! |
ブローニャ | どういたしまして。ブローニャがすべきことですから。 |
ブローニャ | ウェンディ、ブローニャの腿にある装甲を見ましたか? |
ブローニャ | ブローニャも昔、とある実験で両脚を傷めてしまい、しばらく車椅子生活でした。 |
ブローニャ | ですが、最終的にこの外骨格装甲のおかげで歩行能力が回復しました。 |
ウェンディ | すごい!私もいつかは治るってこと? |
ウェンディ | 自由に歩いて、空も飛べるようになる? |
ブローニャ | ウェンディならきっと大丈夫だと思います。 |
ブローニャ | 聖フレイヤ学園に戻って、脚の崩壊エネルギーの結晶を取り出したら、ウェンディもきっと歩けるようになります。 |
ウェンディ | ありがとう!本当に優しいのね。 |
3-7 (切なる願い)
姫子 | どうしたの?ブローニャから来るなんて本当に珍しいわね。 |
ブローニャ | 姫子少佐!学園に戻ったらウェンディの崩壊結晶を取り除く方法を考えましょう |
ブローニャ | そうすれば彼女の歩行能力も回復するかもしれません。 |
姫子 | (ボイス:それは無理ね。デザイアジェムはウェンディの体内でしか安定しない。)取り出してしまったら結晶は保存できなくなるわ。 |
キアナ | じゃあそんな結晶捨てちゃえばいいでしょ!まさか石ころ一つが女の子一人の幸せより重要だっていうの!? |
姫子 | 「デザイアジェム」はただの石ころじゃないわ。 |
姫子 | 結晶内の強大な崩壊エネルギーが解放されたら、一瞬でいくつもの都市が壊滅するけど...それでもいいの? |
キアナ | でも! |
ウェンディ | キアナさん、もういいの...特に受け入れたことだから... |
ウェンディ | 戦乙女である私の職責は、自分の命でより多くの人を救うこと...それが私の...職責... |
3-8 (偽装された犠牲)※CG
キアナ | ふ~う、ハイペリオンはまだなの?姫子おばさん |
姫子 | 誰がおばさんだって...? |
姫子 | まあいいわ。乗艦準備をして、その場で待機してなさい。 |
ブローニャ | ウェンディ...ごめんなさい... |
ウェンディ | ブローニャお姉ちゃんは何も悪くない...何も... |
姫子 | 崩壊エネルギー反応検出! |
姫子 | ウェンディの体内にあるデザイアジェムの影響か!? |
姫子 | 反応がどんどん強くなっていく...崩壊指数1500...2000...一体どうなっているんだ! |
ウェンディ | 崩壊指数2000か...これぐらいあればハイペリオンも一撃で壊せるでしょう... |
芽衣 | ウェ...ウェンディさん?何を言ってるの...? |
ウェンディ | この偽善者ども! |
ウェンディ | あなた達が憎い! |
ウェンディ | すべてが憎い! |
ウェンディ | みんなまとめてぶっ殺してやりたいほど憎い! |
ウェンディ | フハハ....アハハ....アッハハハハハ!!! |
姫子 | このエネルギー反応は...まさか既に...デザイアジェムの力を解き放ったか? |
姫子 | それとも...結晶の崩壊意志に操られていたのか? |
3-10 (去った破壊者)
キアナ | ウェンディ!...飛んでっちゃった... |
姫子 | 今は情報を早く本部に報告し、S級戦乙女を出動させて彼女を捕えないと! |
ブローニャ | ブローニャはウェンディが他人を傷付けることはないと思います。 |
姫子 | 危険は冒せない。彼女のエネルギーは律者に匹敵するのよ。 |
姫子 | それに、彼女の人格も崩壊に捻じ曲げられている可能性があるわ! |
キアナ | 私もウェンディを信じるよ! |
キアナ | 長空市の時は芽衣先輩も崩壊エネルギーに操られていたけど...最終的には自分自身の意志で崩壊に打ち勝ったでしょ! |
芽衣 | キアナちゃんの言う通り、助けてさえあげればウェンディちゃんは本心を取り戻せるはずですよ。 |
姫子 | ここの状況を本部に報告してからS級戦乙女の到着するまでには30分かかる。 |
姫子 | ちゃんと理解した?何かしたいなら、30分しかないのよ! |
ブローニャ | 姫子少佐...ありがとうございます。 |
3-12 (第四律者)
姫子 | でも悪いニュースが2つあるわ。1つは天命本部がウェンディを第四律者に認定したこと。 |
姫子 | もう1つは第四律者を捕獲するため、欧州本部のS級戦乙女がもう出発していることよ。 |
キアナ | S級戦乙女が!?なんでもないときだったら手合わせしたいな... |
キアナ | でも、今は会いたくない... |
姫子 | 今回出動しているS級戦乙女はデュランダルよ。 |
姫子 | 黒いヘルメットをかぶって巨大なランスを持っているわ。 |
姫子 | 今のS級戦乙女の中では最強だそうよ。 |
3-14 (繚乱の大地)
姫子 | さらに、もう1つ悪いニュース。 |
姫子 | 天命の衛星によると、ついさっき5隻の空中戦艦が太平洋上空を横切るのが観測された。現在位置は不明とのことよ。 |
芽衣 | 空中戦艦!?まさかネゲントロピーの部隊ですか? |
姫子 | そのはずよ。3人ともよく聞きなさい!ネゲントロピーの部隊を見かけたら、すぐに捜索は中断すること! |
姫子 | あなた達まで危険な目に合わせたら取り返しがつかないわ! |
テレサ | キアナ~今回は手を貸してあげるよ~ |
テレサ | ネゲントロピーのキツネどもがついに手を出してきたみたいね。でもちょうどいい機会かもね~。 |
キアナ | 手を貸す?一体何を? |
テレサ | ちょっとすればすぐ分かるよ。 |
3-15 (絆の道)
キアナ | ウェンディ!やっと見つけた! |
ウェンディ | どうして追いかけてきたの?殺されたいの? |
ウェンディ | さっきは逃がしてあげたのに...まさか、私を倒せるなんて思ってるの!? |
芽衣 | ウェンディちゃん、お願いだから一緒に帰ろう? |
芽衣 | ここはとても危険なの。天命本部からS級戦乙女が捕まえに来るし、ネゲントロピーの部隊も到着しちゃう... |
ウェンディ | S級戦乙女...律者に匹敵する力を持つと讃えられている戦乙女のこと? |
ウェンディ | いいわ!試させてもらう!私の力が、S級戦乙女を超越しているかどうか! |
キアナ | あなた私より傲慢なのね...私とやり合おうだなんて! |
キアナ | さっきはうっかりしてただけよ!本気を出したら律者を倒すなんて簡単なんだから! |
ウェンディ | (※ここだけ律者から元の姿に戻っている)ブローニャお姉ちゃんを悲しませたくないからあなた達とは戦えない...追いかけてこないで! |
芽衣 | また飛んでっちゃった... |
3-16 (誤りの導き)
姫子 | ウェンディは見つかった?もう時間はないわよ... |
姫子 | あと2分でS級戦乙女がニュージーランドに到着するわ!ネゲントロピーの空中戦艦ももうすぐ着くはずよ。 |
キアナ | ああもう!間に合わない! |
テレサ | S級戦乙女とネゲントロピーの部隊のことは心配しないでいいよ。 |
芽衣 | まさか学園長...S級戦乙女の待機命令を出せるんですか? |
テレサ | 残念ながらあたくしにその権限はないのよ。でも彼女たちの位置を知る権限ならある。 |
キアナ | まさか... |
テレサ | 正解!公共チャンネルでS級戦乙女の位置を実況したわ。 |
テレサ | ネゲントロピーの通信システムは進んでいるから、実況放送は傍受されるはず。 |
テレサ | そしたらキツネたちは、S級戦乙女に奇襲をかける選択をするはず! |
キアナ | なるほど!道理で遠くから爆発音が聞こえるのね! |
テレサ | 自軍の人を売るのはいささか不本意だけど、S級戦乙女はそう簡単に負けないわ。 |
テレサ | ネゲントロピーの連中が時間稼ぎをしてくれるといいね~ |
キアナ | よし!次は私達の番よ! |
3-18 (功虧一簣)
ウェンディ | しつこい!それならあなた達を懲らしめてやるわ! |
キアナ | ふん!それはこっちのセリフよ! |
芽衣 | ウェンディちゃん...信じて!あなたは崩壊エネルギーに侵食されて、自分を見失ってるだけよ! |
ブローニャ | キアナ、待ってください。ブローニャはウェンディと少しお話がしたいです。 |
ウェンディ | 来ないで!嫌よ!話なんてしたくない!ブローニャお姉ちゃん来ないで! |
ブローニャ | ウェンディを見ているとブローニャは思い出します...孤児院にいた頃、ゼーレという子がいました。 |
ブローニャ | ゼーレはウェンディみたいに強くて優しい子だった。 |
ブローニャ | ゼーレも一度は崩壊に意識を操られましたが、最後は打ち勝ちました。 |
ブローニャ | ブローニャが改造手術を受けたときも苦しかったんです...今でも... |
ブローニャ | ですが、一筋の希望さえあるなら前を向くべきです。ブローニャにはウェンディの苦しみが分かります。 |
ブローニャ | ...だから、ブローニャは苦痛に耐えているウェンディの強さもよく分かります。 |
ブローニャ | だから、諦めないでください!ブローニャはずっと信じています! |
ウェンディ | (※元の姿に戻っている)わ、私...ブローニャお姉ちゃんを信じる... |
ウェンディ | ブローニャお姉ちゃんが私を信じてくれるなら...私も自分を信じてみたい! |
芽衣 | 良かった!ウェンディちゃんの意識が回復したみたい。 |
キアナ | ふぅ...ほっとしたぁ。ぐずぐずしてないで、早く一緒にハイペリオンに帰ろう! |
キアナ | 私たちはみんなすごい戦乙女だから、もし崩壊に操られてたらすぐにでもやっつけちゃってたよ~ |
ブローニャ | ウェンディ、安心してください。ブローニャと一緒に帰りましょう。 |
ウェンディ | そうだ!ブローニャお姉ちゃん。またあのロボットに乗りたいんだけどいいかな? |
ブローニャ | いいですよ。重装ウサギ19c、起動。 |
カカリア | ブローニャ...親愛なる我が娘よ...今すぐ第四律者を回収しなさい。 |
カカリア | 第四律者は重要な実験サンプルなのよ。回収できなければ殺してしまいなさい。天命の手に渡らせるわけにはいかない! |
ブローニャ | ...い...いやです。 |
カカリア | ほほー、あなたったら自我の意識が強くなってきているみたいね。 |
カカリア | ですが抵抗は無意味...最高権限指令! |
カカリア | 第四律者を倒せなくとも引き留めておきなさい!主力部隊がもうすぐ到着するわ。 |
ブローニャ | 最高権限指令入力。重装ウサギ19c、狙撃モードにチェンジ、第四律者を攻撃。 |
キアナ | やめて、ブローニャちゃん! |
ウェンディ | ブローニャお姉ちゃん!どうして私を攻撃するの!? |
ウェンディ | まさか...さっきの話は全部嘘だったの...?私...もう...誰も信じられない! |
(クリア後CG) | |
ウェンディ | あぁ...しつこい |
キアナ | ふふん!粘り強さこそ私の長所よ |
キアナ | まだまだいけるわ |
カカリア | 残念ですが...これ以上は待てません。 |
カカリア | 全戦術機甲、ステルス解除!目標、第四律者! |
ウェンディ | うわぁー! |
芽衣 | そんな...律者を一撃で倒すなんて! |
カカリア | 新しい戦術機甲...なかなかのものではないか。 |
カカリア | 彼女を弱らせたあなたたちに感謝せねばならないな。 |
カカリア | おっと...忘れるところだった...ここにもうひとり律者がいることを。 |
カカリア | ブローニャ、我が娘よ |
カカリア | 第三律者を捕獲しなさい! |
キアナ | なにぃ!? |
ブローニャ | はい...お母様 |
キアナ | 芽衣先輩!ブローニャちゃん! |
芽衣 | どう...して...? |
ブローニャ | 雷電芽衣の捕獲、完了しました。残り一名 |
ブローニャ | ...周囲に天命部隊を確認...接近中です。 |
カカリア | ふん!命拾いしたな...全軍帰投せよ! |
芽衣とウェンディはネゲントロピーに攫われてしまった。 | |
後から駆けつけた姫子は、キアナしか救出することができなかった。 | |
悔いながら聖フレイヤ学園に戻ったキアナは、芽衣救出作戦を練り始めた。 |
※功虧一簣(こうきいっき)=積み上げてきたものを、些細な1つの失敗で台無しにすること。
S3-1 (崩壊の町)
姫子 | 学園長...「デザイアジェム」は一体どこから来たものなんですか? |
姫子 | A級戦乙女の権限でも、データベースから関連するデータを見つけられませんでした。 |
テレサ | 好奇心は猫を殺すって言うのよ...それでも知りたいの? |
姫子 | もちろんです。かわいい部下たちが関わっているからには、たとえ学園長を脅迫してでも真相を知らねばなりません! |
テレサ | しょうがないわね...教えてあげる。実は14年前のことよ。 |
テレサ | 「デザイアジェム」を含む4つのジェムの起源は全て同じ。 |
姫子 | 14年前って...まさか!第二律者と関係が? |
テレサ | そうよ。14年前に、第二律者がシベリア全体を虚数空間に巻き込んだ。 |
テレサ | その時作戦に参加したA級戦乙女は5人ともそこで戦死したの。 |
テレサ | S級戦乙女のセシリアでさえも第二律者を倒せなかった... |
姫子 | しかし...私達は最終的の勝利しています。いったいどうやって第二律者を倒せたのですか? |
姫子 | そして「デザイアジェム」と一体どんな関係が...? |
S3-3 (崩壊の器)
テレサ | 第二律者との戦いでは、わずか30分でセシリア以外は全滅した。 |
テレサ | 本当はあたくしも指揮官の身分を捨て...セシリアと進退を共にしたかった。 |
テレサ | でも、オットー爺様に止められた。 |
姫子 | オットー大主教? |
テレサ | そうよ。あの方はたとえあたくしが行っても何の役にも立たないとお考えだった... |
テレサ | それで...崩壊核分裂ミサイルで、第二律者を攻撃せよと命令を受けた。 |
姫子 | 崩壊核分裂ミサイル...一発で戦車型崩壊獣を100体殲滅できるが、爆発した地区の汚染が深刻になるという兵器ですよね!? |
テレサ | ミサイルは第二律者に全く効かなかった。爆発する前に第二律者が全てのミサイルを虚数空間に転移させたの。 |
テレサ | セシリアはその一瞬の隙を突き、自らを犠牲にして第二律者のコアを破壊した。 |
テレサ | その後、律者のコアが砕けて4つのジェムになった。 |
姫子 | 「デザイアジェム」は律者のコアの一部分だったのですね。 |
テレサ | そのとおり!だけど、ジェムを回収する時に事件が起きた。 |
S3-5 (現実の拒絶)
姫子 | 学園長、その事件というのは? |
テレサ | 14年前、あたくしの部隊が第二律者の亡骸を回収しに向かった時見つけたのが4つに砕けた律者のコアだった。 |
テレサ | それから奴らが現れた...我々より優れた空中戦艦でね! |
テレサ | ネゲントロピーとその指導者である第一律者に出会ったのはその時が初めてだったの。そして、彼らの目的も第二律者だった。 |
姫子 | しかし、「デザイアジェム」は天命が所有しています。なぜネゲントロピーは奪い去らなかったのですか? |
テレサ | それもこれもオットー爺様の計略で、その時戦力をほぼ失っていた天命がネゲントロピーに勝てる可能性はなかった。 |
テレサ | しかし、ネゲントロピーは第二律者のコアが4つに分裂していたことを知らなかったの。 |
テレサ | それで真実と真相を隠しながら、あたくしたちは第二律者の亡骸とジェムを1つだけ引き渡した。 |
テレサ | そして、見つけたのはこれで全部だと嘘をついたの! |
S3-7 (ウェンディを探す)
姫子 | 学園長...そのネゲントロピーが奪っていったジェムというのは? |
テレサ | 気になる? |
姫子 | もちろんです。「デザイアジェム」の中に律者の力が隠されているとしたら、奪われたジェムも同様のはず... |
姫子 | そして部下の中にちょうど、律者の力を持つ者がいます。 |
テレサ | おそらく少佐の推測どおりよ。奪われたジェムは「コンケストジェム」っていう、雷の力を持つものよ。 |
テレサ | 天命は律者の力を人間の体内で復活させる方法を研究しているから、ネゲントロピーもきっとしているでしょう。 |
テレサ | そして彼らは既に成功しているはず。 |
姫子 | 雷の力...芽衣...? |
テレサ | 全てあたくしの推測だけど。もし本当に芽衣だとしたら、なぜネゲントロピーは彼女を逃がしたのか? |
テレサ | そして、どうして芽衣はネゲントロピーのことを何も知らないの? |
テレサ | 謎が多すぎる!この話は内密にね! |
S3-11 (テレサの介入)
テレサ | 先ほどデュランダルと通話したよ。 |
姫子 | どうでした? |
テレサ | 彼女の位置座標は取得出来ました。 |
姫子 | 本当に騙しやすいことで...さすがは正直者で有名な戦乙女。 |
テレサ | 仕方ないよ、全てはキアナたちの時間稼ぎのため... |
姫子 | しかし...彼女の位置を敵に暴露するなんて...デュランダルは少なくとも私達の友軍なのですが。 |
テレサ | あんなうるさい小娘は友軍なんかじゃない!昔はあの子のせいでどれだけ苦労したことか... |
テレサ | それに、どのみちネゲントロピーは撃退するから、デュランダルに手助けしてもらおう。 |
テレサ | 位置を暴露したってネゲントロピーに少し情けをかけただけよ! |
テレサ | なにせあのデュランダルは化物なんだから。 |
姫子 | その言い方からすると...かなり彼女に恨みがあるようですね。 |
S3-13 (残り時間わずか)
テレサ | ふふん!いいでしょ!S級戦乙女を騙して少しだけど時間を稼いだよ。 |
キアナ | すごーい!テレサちゃん愛してる~! |
テレサ | それはそうと、早くウェンディを見つけないと! |
キアナ | S級戦乙女と会えなくて内心ちょっと残念だけどね... |
テレサ | 今の間抜けなあなたじゃ、彼女との訓練で殺されてしまうわ。 |
キアナ | え?訓練で死ぬってどういうこと? |
テレサ | この世に本物の変態がいるとしたら彼女のことよ。 |
テレサ | 天命にいる3名のS級戦乙女の内2名は、驚異的な天賦の才能を持っているけど、彼女だけは圧倒的な努力家だよ。 |
テレサ | 他2人のS級戦乙女が1回で出来ることを、彼女は10回も20回もやらないと身につかない... |
テレサ | それを100回やるのが彼女よ。 |
キアナ | でも彼女が一般人なら100回やっても無意味でしょ! |
テレサ | 少なくとも彼女自身が努力型だと思っているから、「努力次第で何でもできる」って考えてるの。 |
テレサ | 例えば、あなたが理論試験の成績が不合格だったと彼女に伝えれば、彼女ならきっと毎日26時間勉強させるでしょうね。 |
テレサ | 問題を出し続け、あなたが試験の要点を覚えるまで見張り、模擬試験をさせるでしょう! |
キアナ | はぁ...そんなの悪夢としか思えない!じゃあやっぱり会いたくない! |
キアナ | 私はテキストを見るだけでこの世界に生まれたことを後悔するんだから... |
S3-14 (迷子の風)
テレサ | うわあ...どうしよう... |
キアナ | どうしたの? |
テレサ | デュランダルから、もうネゲントロピー部隊を撃退したって通信が入ったのよ。 |
姫子 | 流石はS級戦乙女ですね... |
テレサ | あたくしにだけ現在位置を教えたのに、なぜネゲントロピー部隊に襲撃されたのかと聞かれたよ。 |
芽衣 | だから学園長、騙すのは良くないですって! |
テレサ | と、とにかく!合理的な説明を考えないと!さもなければ...! |
キアナ | さもなければ? |
テレサ | まだ彼女は報告に行っていないはずだけど...絶対に丸一日お説教されるよ! |
姫子 | ふむ。私には関係ないと思いますが。 |
テレサ | 逃げられると思うの?姫子少佐~ |
S3-15 (雨にも負けず)
テレサ | どうしよう...デュランダルを騙せる口実を思いついた? |
芽衣 | 学園長、1つ思いつきました。「天命組織内にネゲントロピーのスパイがいて、位置情報を漏らした」というのはどうでしょう? |
テレサ | ダメ!それじゃ天命内部が混乱しちゃう! |
ブローニャ | ブローニャの案は... |
ブローニャ | 「ネゲントロピーが今回の崩壊を招いた目的そのものが、S級戦乙女を狙撃することだったため、彼女が到着してすぐマークされた」というものです。 |
テレサ | かなり合理的な感じね!でも、S級戦乙女をターゲットにするには今回のネゲントロピー部隊では戦力が足りなすぎる...やっぱりバレちゃう。 |
キアナ | じゃあ、やっぱり私のアイディアで! |
キアナ | デュランダル部隊が実際に通ったルートは、かの有名なゴールドコースト観光コースだったの! |
キアナ | だからネゲントロピーの部隊はただの観光に来てて...偶然デュランダルと出くわしちゃったんだ!って言えば通るよ! |
姫子 | そんな口実、ワラジムシでさえ信じないわよ。 |
テレサ | いや...いけるかも!ファンタジーっぽいけど明らかな論理の破綻はない...試してみよう。 |
姫子 | どうでした学園長、うまくいきましたか? |
テレサ | 信じてくれた!まさか正直すぎる余りおバカ同然なのかしら |
キアナ | デュランダルは話のわかる人だと思ってたよ!いいお友達になれるかも~ |