端角中飛車対策

Last-modified: 2014-12-05 (金) 16:49:15

端歩には端歩の原則
後手番初手△3四歩の原則の例外
角を攻める
先に竜を作らせない

 

▲9六歩△9四歩▲9七角△6二銀▲5八飛△9五歩

 相手が▲9六歩と突いて端歩を伸ばしてきたら、端歩には端歩の原則より、後手は△9四歩と突いて端歩を受ける。端歩には端歩の原則は、後手番初手△3四歩の原則よりも優先される。この段階では、相手が端角中飛車で来るのかはわからない。▲2六歩~▲2五歩~▲2六飛を狙っているかもしれない。相手が▲9七角と覗いて▲5三角成を狙ってきたら、▲5三角成を防ぐために、後手は△6二銀と上がる。相手が▲5八飛と回って中飛車(端角中飛車)にしてきたら、角頭に隙ができているので、後手は△9五歩と突いて角を攻める。隙ができているときに隙を攻めるのは、後手番初手△3四歩の原則よりも優先される。これ以降の後手の方針は、角を攻めること。角がいなくなれば、端角中飛車はただの中飛車になる。△9五歩に対しては、▲5六歩▲9五同歩▲8六角が考えられる。

▲5六歩△9六歩▲8六角△8四歩▲5五歩△8五歩▲7五角△7四歩

 相手が▲5六歩と突いて飛車先の歩を伸ばしてきたら、角を攻める方針より、後手は△9六歩と取り込んで角に当てる。相手が▲8六角と上がって角取りをかわしてきたら、角を攻める方針より、後手は△8四歩と突いて飛車先の歩を伸ばして次の△8五歩を狙う。相手が▲5五歩と突いて飛車先の歩をさらに伸ばしてきたら、角を攻める方針より、後手は△8五歩と突いて飛車先の歩をさらに伸ばしつつ角に当てる。相手が▲7五角と上がって角取りをかわしてきたら、角を攻める方針より、後手は△7四歩と突いて角に当てる。△7四歩に対しては、▲5四歩▲6六角▲5七角▲4八角▲5三角成が考えられる。途中、△8五歩に▲5四歩の変化もあるが、△8六歩▲5三歩成△8七歩成と進んで、だいたい同じ展開になる。と金ができているぶん、後手の方が有利だと思う。

▲5四歩△7五歩▲5三歩成△8六歩

 相手が▲5四歩と突いて角取りに構わず攻めてきたら、角を攻める方針より、後手は△7五歩と取り込んで端角中飛車をただの中飛車にする。相手が▲5三歩成と成り込んできたら、攻め合いを目指すために、後手は△8六歩と突いて飛車先の歩交換を狙う。これ以降の後手の方針は、先に竜を作らせないこと。△8六歩に対しては、▲6三と▲5二歩▲6二と▲8六同歩▲4三と▲5四歩が考えられる。

▲6三と△5二歩▲6二と△6二同飛▲5三歩△4二玉

 相手が▲6三とと寄って空き王手をかけてきたら、王手を受けるために、後手は△5二歩と打つ。相手が▲6二とと取り込んで銀を持ち駒に加えたら、6筋の歩がなくなったので、後手は△6二同飛と応じて飛車の利きを敵陣に直射させる。相手が▲5三歩と打って竜を作ろうとしてきたら、先に竜を作らせない方針より、後手は△4二玉と上がって危険な5筋から少しでも離れる。△5三同歩と応じてしまうと、▲5三同飛成で竜を作らせてしまう。

▲5二歩成△5二同金右▲5四歩△6七飛成▲5三銀△3二玉

 相手が▲5二歩成と成り込んで王手をかけてきたら、先に竜を作らせない方針より、後手は△5二同金右と応じる。△5二同飛と応じてしまうと、▲5二同飛成△5二同金右▲8二飛で竜を作らせてしまう。相手が▲5四歩と打って垂れ歩を放ってきたら、竜が作れるので、後手は△6七飛成と成り込む。相手が▲5三銀と打って王手をかけてきたら、「玉の早逃げ八手の得あり」の格言より、後手は△3二玉と寄って王手をかわす。

▲5二銀成△5二同金▲5三歩成△5七歩▲6八飛△5六竜

 相手が▲5二銀成と成り込んできたら、取らないと金も取られてしまうので、後手は△5二同金と応じる。相手が▲5三歩成と成り込んできたら、飛車の利きを遮断するために、後手は△5七歩と打つ。相手が▲6八飛と回って竜に当ててきたら、相手の飛車と後手の竜の交換はどう考えても損なので、後手は△5六竜とかわす。△5六竜とかわすことで、相手に竜を作らせてしまうことになるが、後手もすでに竜を作っているので問題ない。△5六竜に対しては、▲5二と▲6一飛成が考えられる。

▲5二と△6七歩?

 相手が▲5二とと取り込んで金を持ち駒に加えたら、竜を作らせない方針より、後手は△6七歩と打って飛車の利きを遮断する。△6七歩に対しては、飛車が逃げる手と▲4一金(詰めろ)が考えられる。△6七歩に対して▲4二金は、△同銀▲同と△同玉で、相手の攻めは切れている。

▲8八飛△5二竜?

 相手が▲8八飛と回って飛車取りをかわしてきたら、相手の攻めを切らすために、後手は△5二竜と引いてと金を消す。ここまで来れば、相手の攻めは完全に切れてる。ということで、端角中飛車側も考える。▲8八飛と回って飛車取りをかわすのではなく、飛車取りを無視して▲4一金と打って詰めろをかけたらどうだろうか。

▲4一金△6八歩成?▲6八同銀△5二竜?▲4二金打△4二同銀?▲4二同金△4二同竜?

 相手が▲4一金と打って詰めろをかけてきたら、居玉がたたって飛車を取った手が王手になるので、後手は△6八歩成と成り込む。相手が▲6八同玉と応じれば、△6七銀▲5九玉△5八飛▲5八同金左[▲5八同金右]△5八同歩成▲5八同金右[▲5八同金左]△5八同銀成までの詰み。相手が▲6八同銀と応じてきたら、相手の攻めを切らすために、後手は△5二竜と引いてと金を払いつつ金に当てる。相手が▲4二金と打って王手竜取りをかけてきたら、慌てず騒がず、後手は△4二同銀と応じる。相手が▲4二同金と応じて再び王手竜取りをかけてきたら、慌てず騒がず、後手は△4二同玉と応じる。相手は居玉なので、竜は5筋にいたほうがいい。ここまで来れば、相手の攻めは完全に切れてる。ということで、端角中飛車側も考える。▲5二とではなく、▲6一飛成と成り込むのはどうだろうか。

▲6一飛成△5三金

 相手が▲6一飛成と成り込んできたら、と金を消すために、後手は△5三金と上がる。△5三金に対しては、▲8一竜▲4一金▲6二竜▲7二竜が考えられる。

▲8一竜△6七角

 相手が▲8一竜と桂馬を補充してきたら、6筋から飛車がいなくなったので、後手は△6七角と打って詰めろをかける。△6七角は、△5八銀▲6八玉(▲同金左[▲同金右]は、△同歩成▲同金右[▲同金左]△同角成で詰み)△6九銀成▲同玉△5八歩成▲同金△同竜の詰めろ。