セリフ/【心は怒りや憎しみだけじゃない いろんなものが詰まってるんだ】

Last-modified: 2023-11-14 (火) 18:14:28

KHII

ゼムナス戦1回目の後、「怒りが、足りない…。心が、足りない…」ともがくゼムナスに対してソラが言ったセリフ。CMにも使用された。

ソラ「ゼムナス──
   心は怒りや憎しみだけじゃない
   いろんなものが詰まってるんだ
   忘れちゃったのか?」
ゼムナス「ああ 残念ながらな」

 
ゼムナスが言った「心こそが力を生み出すのだ!」というセリフへの返答となっている。
ゼムナスのような相手にもこのような言葉を言うソラの優しさがうかがえる。

  • 優しく諭すようなソラの口調が印象的である。

また、「残念」と感じている時点で既に感情が芽生えている兆しはあったと思われる(人間だった頃の癖で言ったのかもしれないが)。

  • ソラ達にとって「残念」という皮肉だったのかもしれない。

KHIII

消滅時、ゼムナスに戻った感情はせっかく得た仲間を捨て駒にしたことで残った孤独からくる「さみしさ」だったことが語られた
それに対するソラの言葉と、ゼムナスの返答は、以下のようなものだった。

ソラ「それが人間だよ ゼムナス」

ゼムナス「そうか 人間か──
     人間は強いんだな」

 
KHIIの時と同じく、「」という物を理解しきれていないゼムナスに、ソラが教え諭そうとする構図となっている。

  • KHIIで心を持つが故の強さを語り、KHIIIで心を持つが故の辛さを知ったゼムナスにソラが送った言葉は、言外に「お前は人間になったのだ」と伝えるものであった。
    しかしそれに対するゼムナスの返答は、まるで「自分はそんなに強くなれない、自分は人間にはなれなかった」とでも言うかのようであった。
  • ゼムナスは「心(というか負の感情)を持つことで強くなれる」と考えていたが、実際にはそんな単純なものではない。ゼムナスとしてはこの「さみしさ」ですら苦しいのに、常に揺れ動く感情をいつも抱え、心の痛みを乗り越えながら生きている「人間」は強いんだな、ということなのかもしれない。

ゼムナスはノーバディとして生まれたためか、KHIIでは心や感情を「忘れた」としているが、むしろ「知識としては知っている」だけの様な、ある種創作におけるロボットや人形の様な理解の仕方をしている。
それに対し、ソラは「心」が重要なファクターであるキングダムハーツという作品の主人公として、「心」に対して一家言あるキャラクターである。
突然外の世界に放り出されたソラは知らないことが多く、KHシリーズはソラを通してプレイヤーにKH世界の仕組みを教える、という形式になっているため、ソラが何かを教授すると言うのはあまり見られない光景であるが、だからこそソラが誰よりも知っている「心」については教える側である。
ソラよりも様々な知識を持ちながら、「心」を知らないゼムナスというボスは、単に倒すことでソラの力を際立たせるものでなく、ソラに「心」とは何かを述べさせ、そのキャラクターを表現するためのキャラクターとも言え、それがKHIIとKHIIIのシーンにおける二人の少し不思議な関係性になっている。