arty!

Last-modified: 2019-01-24 (木) 20:44:05

概要

arty! とは、『甘えかたは彼女なりに。』(以下『甘え』)において、ある背景画像が部分的に表示されたときに見える文字列である。

全文は Count Down Party! であり、パーティー会場(体育館)の壁に架けられたパネルに書かれたもの。
その会場の閑散とした様相が(少なくともきれ生では)『甘え』屈指の名場面として扱われており、arty! はそれを一言で表す便利な言葉となった。

また、パーティーないしそれに近い語感の単語自体に反応して、artyと言われることもある。

元はヘビィさんの『甘え』枠で指摘されたのをきっかけに注目されだした。
その数日後にナニフツウさんの枠でも登場(?)を果たし、動画化に至ってしまった。

詳細

arty! そのものの初出は『部長の 甘えかたは彼女なりに。 PS4版【実況プレイ】その34 -栗沢みゆき編-』であるが、パーティー会場の背景自体は『その32』から登場している。
ここでは『その32』から順を追って解説する。 arty! のシーンだけ見たい人は【こちら】を参照。

 

(5:34~)

球技大会の次なるイベントとして、叶恵が発案したアシスト会主催「年越しカウントダウンパーティー」の当日。*1
『その32』の冒頭、準備が始まったばかりで普段通りの体育館の様子が背景に映っていた。
ナニフツウ「これ皆さん、覚えておいてくださいね、この体育館」 (0:43)

やがて浩斗(主人公)は買い出しを頼まれ、一旦この場から離れたタイミングで背景が切り替わる。(5:32~)
そこでパーティー会場へと変貌を遂げた体育館が映し出されたのだが、その実態はどうにも閑散とした印象を拭えないものだった。
ナニフツウ「誰だこの飾り付けやった奴!」

元々『甘え』は(球技大会のようなイベント中であっても)背景に人物を描き込まないスタイルであったが、それを差し引いても画面に賑やかさ?が表現されているとは言いがたい。

デフォルトの体育館からの目立った変化といえば、

  • 床に敷かれた薄い緑色のシート(土足用のシートと思われる)
  • 広々とした体育館の空間に点々と置かれた5つの丸テーブル
  • そのテーブルの上に置かれたペットボトル飲料とコップ、少量のお菓子らしい物体
  • 壇上の壁に架けられた、『Count Down Party!』と書いてあるパネル

これくらいである。*2

パネルの『Count Down Party!』は単語別に原色で塗り分けられており、どこかのOPムービーを彷彿とさせる。*3
それ自体は派手で目立つような方向性で作られたことが窺えるが、「飾り付け」といえそうなものは(少なくとも画面内には)他に全く見当たらない。

そうした背景が表示された一方、テキストでは

買い物から戻ってくると体育館はすっかり飾り付けされていて、
パーティーらしい雰囲気になっていた。

と、読者全員が首をかしげたのではないかと思うようなことが書かれている。
背景画像単体でもツッコミを入れたくなるのに、これによって完璧な二段落ちとなっている。

その後も

  • 「用意するお菓子と飲み物の量が少ないかもって話をしてたの」 - 『その32』(16:37)
  • 「この雰囲気の中で大人しくしてるほうが無理だよね。はしゃいじゃうのも仕方ない」 - 『その33』(9:47)

と、背景を踏まえたジョークではないかと思うような発言が被せられていった。

 

なお作中の話では、『その29』冒頭で飾り付けの作業要員としてりな小僧、指示役としてのはなが担当することになっていた。
のはなは元々頼りないポジション的なキャラが立っていたとはいえ、ここでは得意そうに立候補しており、当日の「パーティーらしい雰囲気」という描写も、その後の流れから主人公ひとりの主観ではなかったことが見受けられる。

しかし、この会場の風景によって「のはながまたやらかしたのか」という意味でもオチがついている。
テキストとグラフィックの乖離によって思わぬところで評判を落とすという、いわば制作上の犠牲者になってしまった。

 

飾り付けの内容についての補足になるが、『その33』 (14:25)では

「あ、そうだ! 飾り付け用の紙花ってまだあったよね?」
「あったはずですね。といっても数えるほどしか残ってないと思いますが」

と具体的な台詞が出てきている。
おそらく『Count Down Party!』のパネルを縁取っている赤い物も紙花と思われるが・・・

花の色が統一できていればベストだったのだろうが、
さすがにそこまでの用意はできなかった。

という文面がその後(15:33)に出てきたことから、パネルの縁の赤一色以外にも紙花が使われていたはずである。
つまり、画面に見えている範囲以外にも一応飾り付けがあった、ということになる。

といっても結局、目に見える飾りが(視界の広さに対して)これだけという事実は変わりない。

arty!

(4:33~)

パーティーも終わりに近づき、やっと一息つけるようになったアシスト会の面々。

浩斗とみゆきは『ひと目がつかずボケーっと出来る場所』を求めて体育館の2階へと移動する。(3:24)
それに伴って、暗転を挟んだ後に背景画像が右上の方をズームアップした状態に切り替わった。*4
すると、先程まで画面左上に位置していた『Count Down Party!』のパネルがみきれよう状態になるが、この時点ではまだ Party! の部分まで映っている。

そのもう少し後、浩斗がみゆきの隣に腰を下ろしたところで、背景がもう1段階ズームアップされる。(4:33)
これによってパネルがさらにフレームアウトし、見える部分が arty! だけになってしまった。

身構えていたであろう視聴者たちのコメントを見て背景のそれに気付いたナニフツウさんは噴き出しつつも「artyってこれだったのか!」と腑に落ちた様子。
ナニフツウ「閑散としたパーティーのことを『arty』って言う、みたいな感じなんすかね」 (5:24)

 

前述の通り、arty! はこの数日前、ヘビィさんの『甘え』枠の時点で注目を浴びていた。

おそらくパーティー会場の背景が出た時点から話よりも背景から目が離せない状態になっていた視聴者によって、まず『arty!』が指摘された。
さらにその放送中、英単語としての arty を調べた視聴者から「芸術まがいの」といった意味であることが告げられた。
流石に制作者が意図的に仕込んだとは考えにくいが、「この会場のことかよ!」というツッコミ待ちの可能性も否定できない。

かくして arty! は、このパーティー会場の様子を一言で表す用語として確立してしまった。
それどころか、人によっては『甘え』という作品全体を象徴するキーワード的な地位にまでなっているのかもしれない。

ちなみに、英単語の arty の意味をもう少し詳しくいうと「芸術(美術)への興味関心・憧れが強いが、流行を追うばかりで、本質的な意味では理解していない」といったニュアンスであり、やはり良い意味ではない。
雑に「これ芸術点高いすね」と言うような文脈では使えるかもしれないが、本物の芸術に対して使うには不適切である。

その後

みゆき編の次周にあたる、叶恵編の序盤でのこと。
『その43』 (14:31)にて「アシスト会メンバーの打ち上げ」という文字を見るなり「お、パーティーするかい?体育館をパーティー会場にしようぜ」と反応するナニフツウさんだったが、流石にこの時は体育館の出番とはならなかった。

ところがその後、『その46』 (26:36)辺りの流れから、このルートでもアシスト会主催のパーティーを開くことが決定。
ナニフツウ「またやるのかい にいちゃん!」
名目上は「クリスマスパーティー」と丸かぶりは避けられているものの、期待と不安が膨らむ展開の幕開けである。

『その47』 (4:48)にて、パーティーの飲食物を参加者が持ち寄るのはどうかという話になった際、澄香(すーちん)から

「期待しすぎると、食べ物が不足するお寒いイベントになるけどね」

との補足が入る。
arty! の時はおそらく持ち寄りではなかったが、「食べ物が不足」した場合の光景としては十分に予習済みであった。

また、『その48』 (11:35)で当日の会場が体育館であることが明言されると、ナニフツウさんは「えっと?会場、体育館。まあそうだよね、そうだよね?」と、その辺りのキーワードを確かめるように食い付いていた。

erry Xmas!

(0:08~)

叶恵ルートのクリスマスパーティー当日。
会場(体育館)の様子が映し出されると、そこには arty! とだいたい一緒な光景があった。

クリスマスツリーがあるにはあるのだが、広い体育館の中で画面奥に配置されているため映りが小さく、ツリーの飾り付けも赤系の色が乏しいため絶妙に物足りない。
また、arty! にあった丸テーブルが今回は置かれておらず、広々とした空間を演出している。
そのためメッセージウィンドウを消すと、画面のおよそ5分の2は土足用シートの薄緑色に覆われた殺風景な床が占める。
(ただし、丸テーブルの代わりとして画面右方に長テーブル&飲み物は置かれている。)

前回の『Count Down Party!』の位置には相変わらずパネルがあり、Merry Xmas ! とオレンジで書かれている。
画面右上に見える2階からは一応パーティーらしい飾りが吊り下げられており、arty! との差別化がなされている。
(差別化の意図があったのかはともかく)その飾りを arty! にも流用して良かったのではないかという疑問も湧いてくるが、どちらにせよそれだけではあの会場の空虚感は補い切れなさそうだ。
なお、壇上に置かれたスクリーン?も arty! との違いだが、これは後の展開で実際に使われている。

そして(3:02~)では、arty! の時と同じように背景にズームが掛かり、パネルの文字が erry Xmas ! だけ見える状態になった。
こちらは arty! 程のインパクトは無かったようだが、カウントダウンパーティーに対するクリスマスパーティーの通称として「erry」や「erry Xmas」が与えられた(?)ことになる。

追想編

叶恵ルートを終えて次の周(朋美ルート)に進んだナニフツウさんだが、『その52』 (14:38)ではアシスト会室での打ち上げ中でも「お菓子とジュース」という文面に反応したり、『その55』 (9:56)で背景画像に差分が発生した中庭を見て「ここのベンチにさ、ジュースとお菓子置こうぜ」と言い出したり、ことあるごとにパーティー会場を思い出していた。
また『その58』 (9:48)にて、アシスト会メンバー内のクリスマスパーティーの話にもかかわらず「うちでやんの?体育館使えよ!」と返しており、arty! の爪痕の深さを窺わせた。

用法・用例

『甘え』のパーティー会場をナニフツウさんが雑談放送などの背景として度々利用するため、arty! とコメントされる機会は多い。

表記については「arty!」「arty!」「arty」といったように微妙に振れ幅があるが、あの会場を目の当たりにしたときの衝撃から、感嘆符(!)にこだわりをもって入力されることも多いと思われる。
arty! における y と ! の間の微妙なスペースを意識するなら、全角の「!」を使った方が効果的かもしれない。

他にも単にパーティーの意味で使われたりするが、どちらかというとパーティーという単語から反射的に arty! が頭に浮かんだのを表に出しているだけかもしれない。

(18:21~)

『DJMAX RESPECT』(通称:まくす)放送でナニフツウさんが『Ya! Party!』という楽曲を初めて選んだ際、「あ、これartyじゃん!」と反応。
この例は英語表記に ! が付いている点に加え、そこがタイトルの末尾になっており、かなりポイントが高い。

ちなみに、この曲のBGA*5は飲食店で働くキャラクター達が主役で、Ya! Party! というのはその店名の様子。
飲食物は足りているが、強いて言えば人手が不足していそうである。

会場として

『その32』 (7:44)にて、ナニフツウさんは「これねー、色々使える一枚絵ですねー。私これ、雑談放送の一枚絵にしたいから、これセーブしとこうか」と言って、パーティー会場の背景が表示された最初の場面のセーブデータを作成。
そのデータは実際に何度も活用されることになった。

『甘え』本編プレイ放送の開始時や終了時のみならず、

  • フツウのざつでぇん(雑談)放送の背景
  • ゲストを迎えた『甘え』対談の背景
  • 全く別のゲームの振り返り雑談放送の背景
  • 音楽大会の二次会の会場

と多目的ホールのように扱われている。

それらが動画化された場合、やはりサムネは「会場」の背景が選ばれる傾向にある(必然的にそうなってしまうとも言える)。
もっとも、それらは基本的に複数のパートに分かれており、画面に変化があった場合はそちらが選ばれていることもあるので、会場で全サムネ統一されているわけではない。

上記が会場サムネの例である。
他の動画はコミュニティ限定公開のものが多いため、各マイリストへのリンクを記載する。


ちなみに『Merry Xmas !』の場面もセーブされているが、上記の通り呼び出されるのはもっぱらarty会場の方である。

余談:モヘ会2018

ナニフツウさんによると、2018年のモヘ会では飲食物を買いすぎて大量に余らせてしまったらしく、そこは反省点だったとのこと。
実際、アシスト会の「あらかじめ用意する食べ物は少なめにしておいて、必要に応じて後から買い足す」というやり方は正しかったのかもしれない。

関連項目


*1 「年越し」とあるが、そもそも大晦日ではなく終業式の日に開催された様子。『その34』(11:48)に『多分正月まで寝込みます』という発言があることからも、大晦日より数日前であることが窺える。
*2 他にも、壇上にスタンドマイクと2台のスピーカーが設置され、夜になったため上方にある大きな窓のカーテンが閉められており、他の小窓からも日光が差し込まなくなっている、という変化がある。
*3 余談だが、Count Down までの部分に対して Party の部分は字間が詰まっている点も指摘されている。最後の ! の手前で逆にスペースが余ってしまった点といい、手作り感の演出かもしれない。
*4 実際、右上には奥側から登って来るであろう空間が描かれているが、ズームした上でも画面の占有率が低いため若干分かりにくいかもしれない。さらに、その後に表示されるイベントスチルでは、2階にいる間の出来事のはずなのに1階に立っているようにしか見えないというツッコミ所があり、「体育館の2階」という要素もまた一つのネタとして確立している。
*5 Back Ground Animationの略。