セ・リーグ6球団の順位予想を行う際の、お決まりの手法のこと。
用語の成り立ち
初出は2016年ごろ。
この前年の2015年、真中満監督率いる東京ヤクルトスワローズはセ・リーグにおける混戦を制し、2014年シーズンまで2年連続最下位ながらリーグ優勝を果たした。
ところがその翌年には例によってケガ人が相次いだ上に、前年の躍進の立役者でもあったオンドルセクがトラブルの末にシーズン途中で退団するなど投手陣が安定せず、一気にBクラスの5位に転落。その前評判がまったくアテにならない乱高下ぶりに、多くのなんJ民がスワローズの順位予想の難しさを深く印象付けられた。
その後もヤクルトは下記の通り乱高下を繰り返しており、素人のなんJ民はおろかプロの解説者の下馬評をも覆し続けている*1。
このような背景から編み出されたのが、「まず他の五球団の順位を予想し、ヤクルトは余ったところに入れる」という順位予想の手法であった。
この他にも、「ヤクルトはジェットコースターだから去年が上なら今年は下」*2「ヤクルトは1位~6位にしておけば当たる」などという、もはや予想とも呼べない予想の仕方もある。
なぜヤクルトの順位予想は難しいのか?
最大の理由として、他球団と比べても突出して多い故障者が挙げられる。
故障者は投手・野手を問わず多いため、このせいでどれだけの戦力でシーズンを戦えるか、そして最後までいけるかがシーズンに入ってみないとわからないのである。
また、基本的に打高投低のチームであるという点も考えられる。
12球団でも屈指の打者有利の球場である神宮をホームにしていることもあり、脆い投手陣を打撃陣がカバーするというチームになりやすい。
そしてシーズン開始前でもある程度は計算が出来る投手とは違い、打線はシーズンに入らないとその真価がわからない。
これらから言える事として、ヤクルトが上位に来るには投手か打線の少なくとも片方が確変を起こす必要があり*3、逆にどちらかかが凹んでしまうと下位に沈んでしまうという点も順位予想を困難にしている。*4
余談:BBAの法則
2021年シーズン頃から提唱されるようになった一種のジンクス。ヤクルトは単に不規則に成績が上下しているわけではなく、『Bクラス→Bクラス→Aクラス→…』のサイクルに従っているというもの。
実際に2013年以降はこの法則に則った順位となっていたが、2022年に連覇を達成しこの法則は破られた。しかし翌2023年は再び最下位すれすれの5位に落ち込んだため、2022年が異常値だった可能性もある。
参考記録:近年のヤクルトの順位推移
年度 | 監督 | 試合 | 勝利 | 敗北 | 引分 | 勝率 | 順位 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
2012 | 小川淳司*5 | 144 | 68 | 65 | 11 | .511 | 3 | この年を最後にDeNAと広島の順位が安定しなくなっている。 |
2013 | 144 | 57 | 83 | 4 | .407 | 6 | ||
2014 | 144 | 60 | 81 | 3 | .426 | 6 | ||
2015 | 真中満 | 143 | 76 | 65 | 2 | .539 | 1 | 前年まで2年連続最下位からのリーグ制覇。 |
2016 | 143 | 64 | 71 | 1 | .451 | 5 | ||
2017 | 143 | 45 | 96 | 2 | .319 | 6 | 球団ワースト記録となるシーズン96敗を喫する。 | |
2018 | 小川淳司 | 143 | 75 | 66 | 2 | .532 | 2 | 交流戦にてセ・リーグで唯一の勝ち越しはおろか優勝を決めた。 |
2019 | 143 | 59 | 82 | 2 | .418 | 6 | セ・リーグワースト記録タイ(引き分けなしではnpb記録)の16連敗を喫する。 | |
2020 | 高津臣吾 | 120 | 41 | 69 | 10 | .373 | 6 | |
2021 | 143 | 73 | 52 | 18 | .584 | 1 | 6年ぶりの2年連続最下位からのリーグ制覇&日本一達成。史上初となる前年最下位同士*6の日本シリーズでオリックスを破る。 | |
2022 | 143 | 80 | 59 | 4 | .576 | 1 | 2年連続のリーグ優勝でBBAの法則が途切れた。*7 | |
2023 | 143 | 57 | 83 | 3 | .407 | 5 | 最終戦で5位を勝ち取り最下位回避。 最下位となった中日とはゲーム差なし。 |
関連項目
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