アグラヴェイン【1】
「おいおい、なんだよ、もう終わりかい?」 とある王都の用心棒として仕えているアグラヴェイン。主の命に従い、反逆者を見つけては闇に葬り去る。その腕は、いまだ衰えていない。 |
アグラヴェイン【2】
「なんかよぉ、空がやばい感じになってきたな……」 陽炎のようにユラユラと浮かぶ真昼の月を見上げ、アグラヴェインは嫌な予感がしていた。あのときと同じ……空の色だから。 |
アグラヴェイン【3】
「ちょっとよぉ……また俺から奪おうっていうのかよ!」 失った片目の傷跡が妙に疼くのを不快に感じながら、アグラヴェインは虚空に向けて呟く。その絶望感は、月だけが知っている。 |
アグラヴェイン【4】
「たとえ小さな希望だってよぉ、捨てちゃぁいないんだよ!」 闇に閉ざされたはずの片目から、熱いものがこみ上げてきた……。あの日流した涙の記憶は、決して消えない。 |