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人属性/LLR/【怪誅夷】源頼光

Last-modified: 2018-04-03 (火) 18:53:40

【怪誅夷】源頼光【１】

「世に妖のうわさは絶えぬな」
いわゆる妖怪を狩るのが、源頼光の仕事である。うわさの大半は見間違いや、思い込み、人の仕掛けたｲﾀｽﾞﾗにすぎない。だが、その中に紛れるようにしてごく一握りだけ、真の妖怪は潜んでいる。

「都からの勅令か、事態は深刻なようだが、果たして本当に妖の仕業なのか」
役人たちは、頼光のように妖怪に精通しているわけではない。大捜索の結果出てきたのはﾈｽﾞﾐ一匹ということもたびたびある。眉唾物だと思いつつも、勅令である以上、頼光は旅立たねばならなかった。

「さてそなた、面妖なる姿をしているが、果たして妖か、道化ものの変装か」
現場には確かに、人ならぬ姿をしたものがいた。だが、その匂いは人間に近い。果たしてこの正体は人間なのか、人間を食いすぎて匂いが移ってしまった妖怪なのか、判別しがたいところだった。

「わしを見て震えておるか、どうやら本物の妖のようじゃの」
頼光の名は、人々の間よりも妖怪たちの間で通っている。それも恐怖の色を含んで、だという。逃げ出そうとする妖怪の背中で、頼光はゆっくりと刀を抜いた。