トマス【1】
「早く平穏な日々が訪れるようになればいいわね」 穏やかな神殿の中で、少女は祈りを捧げていた。自分の知らない地で起きているという争乱のことを想い、心が少しだけ重くなる。 |
トマス【2】
「戦いで血を流すことを正義だとは思えないの……」 武器を取り戦う者は、それぞれが己の正義を掲げ、相手をねじ伏せる。当然、戦場には多くの血が流れるが……彼女はそれを快く思わない。 |
トマス【3】
「人の進むべき道は、本当にこれでいいのかしら?」 祈りを捧げる少女は、いつも疑問に思う。同じ生ある者同士がいがみ合い争う姿は、あまりにも美しくない。手を取り合うことだけを願う。 |
トマス【4】
「長く続く戦いも、私の神が、きっと救ってくれる」 生ある者に疑問を投げかけがするが、彼女には戦う術がない。だから、自分の主とする神に祈る。昼夜を問わず、その命が尽きるまで……。 |