伊東一刀斎【1】
「刀を抜くということは、命のやり取りがしたいのだな?」 柄に手をかけ、一刀斎が不敵に笑う。五対一の状況だが、一刀斎の表情に焦りはなかった。 |
伊東一刀斎【2】
「手当が早ければ、あるいは命は拾えるかもしれんぞ」 一刀斎の手が動いた、と思った時にはもう刀は鞘に収まっていた。一拍おいて、相手の腕がポトリと地面に落ちた。 |
伊東一刀斎【3】
「人ならざる者、か。おもしろい。俺の剣がどこまで通じるか試すとしよう」 眼前に現れた異形の怪物を見ても、一刀斎は表情を変えない。むしろ、嬉しそうにすら見える。 |
伊東一刀斎【4】
「くくっ、これほどの相手と刀を合わせるのは初めてだ。本気で、いくぞ」 壮絶な表情に、口だけが笑いの形を作る。一刀斎の刀が、人には見切れぬスピードで舞う。 |