佐々木小次郎【1】
「まだだ……もっと速く剣を……」 刀を正眼に構えて、佐々木小次郎はじっと目をつぶった。その刀は小次郎の身長ほどもあり、並みの剣士では鞘から抜くことすら苦労するだろう。 |
佐々木小次郎【2】
「いつか、あの男と戦いたい。その日までに、剣を磨かねば……」 宮本武蔵。天下にその名を轟かせた剣豪と立ち会うことが、佐々木小次郎の悲願である。 |
佐々木小次郎【3】
「飛ぶ鳥を剣で切ることができれば、人を斬ることなど造作もない」 その思いから、小次郎は一心不乱に剣を振り続けた。そして生まれたのが秘剣・燕返しである。 |
佐々木小次郎【4】
「ついに完成したぞ! この燕返しなら、あの男にも勝てる!」 跳ね上げた剣が、燕をまっぷたつに切り裂いた。間合いの外からこの速さで斬りつけられれば、躱すのは至難の業だろう。 |