剣豪 ライデン【1】
「お主が死ぬか、俺が死ぬか。二つに一つだ」 敵の剣士と向かい合い、ライデンは刀を抜いた。空は黒い雲で覆われている。一瞬の勝負だ。 |
剣豪 ライデン【2】
「……ふん、やるな」 お互いに剣を構えたまま、二人は微動だにしない。二人の額に汗が浮かんでいるのは、気温のせいではないだろう。 |
剣豪 ライデン【3】
ピシャァ! 雷鳴がとどろき、ライデンの背後に稲妻が走った。一瞬、視界が白く染まる。再び視界が正常に戻った時には、ライデンの刀が相手の胸を貫いていた。 |
剣豪 ライデン【4】
「……あんたは、逝くのが少し早いだけさ」 ライデンは刀を納めると、遺体に黙祷した。相手の姿に、自分の未来を見たのだろうか。 |