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人属性/LLR/【女騎士】デュランダル

Last-modified: 2018-03-15 (木) 02:19:09

【女騎士】デュランダル【１】

「剣よ、我を勝利へと導け」
若い女騎士には不似合いなほど、その剣は美しく神々しかった。訪れた村で輝かせていた期待の目も自分ではなく、この剣に向けられたものだとわかっている。若い女騎士は初の任務に肩を強ばらせていた。

「魔獣よ、我が剣の威にひれ伏せ」
この里を荒らす魔獣を退治するため、女騎士はひとり森の中へと分け入る。剣は鞘から抜き放っている。もし出来るのならこの剣の威容におそれをなして、森の奥へと引っこんでしまって欲しい。女騎士は魔獣に心の中でそう話しかけていた。

「恐れを知らぬ魔獣よ、我が剣のｻﾋﾞとなれ」
女騎士の願いをせせら笑うかのように魔獣は現れ、襲い掛かってきた。女騎士は、恐怖を振り払うかのように剣を振る。だが魔獣には当たらない。ﾃﾞﾀﾗﾒに振る間に刃が、硬い岩に当たってしまった。

「私ではなく、剣の勝利なのだな」
きつい衝撃と刃こぼれを覚悟した女騎士だったが、剣はﾊﾞﾀｰでも切るかのように岩を切り裂いた。さらには巨大な魔獣を、その余力だけで両断してしまう。勝利と、己の未熟さを同時に察する。この勝利はあくまで剣のもの。剣に相応しい主になることを女騎士は心に誓った。