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人属性/LLR/【戦乙女】ヒルド

Last-modified: 2018-03-15 (木) 01:00:41

ヒルド【１】

「戦士よ、あなたに運命の日が訪れました」
明け方見た夢の中で、ヴｧﾙｷｭｰﾚはそんなことを言っていただろうか? 子供の頃に読んだ、絵物語に登場するﾋﾙﾄﾞこそがきっと彼女なのだろう。朝のまどろみの中で、若き戦士は、今見た夢を思い返していた。

「戦士として死ぬのなら剣をとりなさい、しかし人として生きるのなら……」
夢の中でﾋﾙﾄﾞは哀しい目をして、若い戦士にそう告げてくれた。ﾋﾙﾄﾞが夢枕に現れた日に、戦士は必ず戦場で死ぬのだという。だが、戦場に出なければ……ﾋﾙﾄﾞはその選択を与えるために夢枕に立つのだろう。

「あなたには大切な人がいるのでしょう?」
夢の終わりにﾋﾙﾄﾞがささやいたその言葉が、若い戦士の耳に残った。恋人もいる、老いた親もいる。今日行くべきは戦場ではなく、彼らの元へ……ではないだろうか? 若い戦士は、そうも考えた。

「来てしまったのですね、終わりなき戦いの世界へ」
戦場で腹を刺された瞬間、ﾋﾙﾄﾞの声が再び、耳元に聞こえた。戦場で死ぬことこそが戦士の誉れ、ﾋﾙﾄﾞの夢を見るのは戦士にとっての吉兆なのだ。戦士たちにのみ、通じる価値観の中で命を終えた若き戦士は、ﾋﾙﾄﾞに手を引かれ、地上から旅立った。