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人属性/LLR/【星守】グラーシーザー

Last-modified: 2018-03-14 (水) 21:02:09

【星守】グラーシーザー【１】

「本当に、大したことない怪物なのね? この間はﾀﾞﾏされて大変な目にあったのよ」
ある町のｷﾞﾙﾄﾞで、剣士が怪物の討伐依頼を受けていた。携えている巨大な剣に対して小さく頼りない体。所員から手渡されている手配書には天を突くような巨人の絵が描かれている。要は、この巨人を倒せという依頼なのだろう。

「大げさに書かれているだけ、ねぇ? 見たこともないのによく言えたものね」
結局、剣士はｷﾞﾙﾄﾞの職員に言いくるめられ、その依頼を受けることになってしまったようだ。困惑と不信感に満ちた彼女の表情は、決して、見るものに成功の期待を抱かせるようなものではない。

「やだっ、またｳｿじゃない! でも……もう、やるしかないわね」
剣士の前に現れたのは、手配書通りの天を突くような巨人だった。もはやその巨人の視界内に入ってしまっていて、逃げる事はかなわない。大剣を抜いた剣士は、大きく声をあげて巨人に躍りかかる。

「証拠としてもらっていくわ。ふふ、今夜の宴はあっち持ちね」
剣士の一撃が、巨人の太腕を切り落とした。だが致命傷となったのはその傷ではない。最初の一撃で喉を突かれた巨人は、とうに絶命していた。剣士の意識はもはや巨人ではなく、自分をだまし危険な依頼を受けさせた所員をどう反省させるかにあるのだ。