【星守】セバスチャン・ミカエリス【1】
「こんにちは、お嬢さん……。失礼。今は、違うのよね」 蔵に閉じ込められた少女は、美しい容姿とは裏腹の異様な目をしていた。奇声をあげ、獣の生き血を好んで飲んでいる。悪魔にとりつかれた、とうわさされるその少女の前に現れたのは、悪魔ばらいのスペシャリスト、セバスチャン・ミカエリスだった。 |
【星守】セバスチャン・ミカエリス【2】
「五百年以上生きていて、お嬢さんはないわよね。ところで、アナタの出身って……」 セバスチャンは、少女にとりついた悪魔の年齢や階級をやすやすと当ててみせた。悪魔学の知識を持つ彼女には、たやすいことだったようだ。正体を暴かれた悪魔は動揺を隠せない様子だ。 |
【星守】セバスチャン・ミカエリス【3】
「去れ悪魔! 全能なる主の名のもとに!」 少女の肉体を盾に襲い掛かってくる悪魔に、セバスチャンは神聖なる輝きを帯びた一撃を放つ。この輝きは聖なる神の矢、人の体を傷つけずに悪魔だけを打ちはらうのだ。 |
【星守】セバスチャン・ミカエリス【4】
「初めまして、お嬢さん。……私? まあ、医者みたいなものよ」 正気をとりもどした少女に、セバスチャンは軽くウインクをする。悪魔にとりつかれていた間に少女がしていた行動を、本人に悟られてはならない。それを知って傷ついた心の傷あとに新たな悪魔が入り込んでくるかもしれないからだ。 |