【神々の遺産】レギンレイヴ【1】
「あれに見えるが名高き青の騎士か。うわさ通り、できそうだ」 戦場で大剣を振い、紅血の嵐を巻き起こしている青い鎧の騎士。彼に向かってレギンレイヴは静かに歩き出した。大剣を怖れて逃げてくる兵士の集団と交錯するが肩を触れ合せることもなく、迷いを断ち切った目で歩み続ける。 |
【神々の遺産】レギンレイヴ【2】
「貴公を勇者と認め、ヴァルハラへと導こう!」 叫ぶなり、レギンレイヴは青の騎士に向かって飛んだ。トビウオのように鋭く、白鳥よりも華麗な飛翔。その両手には二本の短剣が光っている。 |
【神々の遺産】レギンレイヴ【3】
「重く鋭い剣だ。ヴァルハラにいる古き勇者たちにも引けを取らんな」 青の騎士はレギンレイヴの一撃を、その大剣で弾き返した。だが、レギンレイヴも姿勢を崩すことなく、ふわりと着地する。二人の戦いは苛烈を極めた。 |
【神々の遺産】レギンレイヴ【4】
「最期に天を見た、か。……そこが貴公の次なる戦場だ」 レギンレイヴが真上に短剣を投げ放つ。落ちてくる剣に、青の騎士は一瞬、気を取られた。次の瞬間、青い鎧の間から紅血が染み出す。レギンレイヴがもう片方の短剣を鎧の隙間に差し込んだのだ。ヴァルハラの勇者の列に、新たなひとりが加わった瞬間だった。 |