人属性/LLR/【英雄提督】フランシス・ドレーク

【英雄提督】フランシス・ドレーク【１】

「帝国の状況を調べろ」
ﾄﾞﾚｰｸは部下に命じた。数年前までは、強国に囲まれた小国だったある国が、ｸｰﾃﾞﾀｰにより帝国主義化、国家予算のほとんど全てを軍事増強に注ぎはじめた。準備が整い次第周囲の国々へ攻め込もうとしているのは明らかだった。

「さっさとｶﾀをつけたほうがいいな……」
ﾄﾞﾚｰｸは部下達のﾚﾎﾟｰﾄを一読すると帝国を壊滅させるために全ての私財を動員し暗躍することを決意した。帝国は研究者を集め、大陸を一撃で焼き払えるほどの終局魔術の開発に乗り出していることがわかったのだ。これは、己の生命と財産を守るための投資だ。

ﾄﾞﾚｰｸは自らの軍勢と潤沢な資金を使い、きわめて汚い手段で帝国の経済活動を妨害した。ﾃﾛ･強奪･詐欺に大規模な技術者の拉致。えげつない妨害により帝国は貧窮し、追い詰められていった。そして当然、皇帝は打開のための次の策、領土拡大･他国への侵略を画策しはじめたのだ。

「我が艦隊に優る敵なし。これからは我が帝国の時代となる」
帝国と周辺国との戦争は数年の後に終結した。犠牲者の数は決して少ないとは言えない。太陽の沈まぬ帝国と呼ばれていた敵国からは、悪魔の化身を指す「ﾄﾞﾗｺ」の名で呼ばれるようになった。