【魔皇姫】エリファス・レヴィ【1】
「……実に退屈だ。刺激が欲しい」 それがエリファス・レヴィの口癖だった。のちにこの時代における最高の魔術学者と呼ばれることになる人物である。若き日のエリファスはいわゆる魔術マニア。早熟の天才で、当時に使われていた魔術はすべて極めてしまっていた。 |
【魔皇姫】エリファス・レヴィ【2】
「そうか。私の求めた答えは、一行目にあったのだ!」 とうに読みつくしてしまった魔術の教本を手慰みにめくっていたエリファスは、突然、どの本にも前書きに「古代の魔術」という文言が使われていることに気づき、叫んだ。教本においては内容に触れられていない「古代の魔術」を、エリファスはひも解き始めた。 |
【魔皇姫】エリファス・レヴィ【3】
「古きをたずねて新しきを知るというが……これは、まるで別物ではないか」 古代魔術に触れたエリファスは、現在の魔術がいかに簡略化され、その代償として弱体化しているかに気づき衝撃を受けた。だが、古代の魔術は儀式めいていて実用性に乏しい。それは歴史の中に埋もれてしまった理由でもあるのだろう。 |
【魔皇姫】エリファス・レヴィ【4】
「過去と現在を出会わせる……、それが未来を築く魔術!」 エリファスは狂ったように魔術の研究を始めたという。古代と現在、両方の魔術の長所を組み合わせ産み出された、新たな魔術を試すため、姉のガラハドと共に旅を始めるのであった。 |