イスカンダル【1】
「征服せよ、地平の果てまで」 その言葉とともにイスカンダルは進軍を開始した。彼女が目指すのは、視界に入るすべての地を征服すること。進めば進むほど果てしなく広がる壮大な夢であった。 |
イスカンダル【2】
「見渡す限りの砂の海、この向こうに豊かな大地があると信じてゆくまでだ」 征服と進軍を重ね、砂漠に至ってもイスカンダルは歩みを止めなかった。地の果てまでもゆくと心に決めたのだ、砂ごときに志を止められるはずがない。 |
イスカンダル【3】
「その心使いだけで、十分に、私の渇きは潤うのだ」 砂漠を進軍する中、水が尽き、兵は渇きに苦しみ始めた。兵士の一人が、残り少ない水をイスカンダルに捧げようとしたが、イスカンダルは断固として飲もうとしない。兵が苦しんでいるのなら、自分も同じ苦しみを味わわねば、王たる資格はないと考えているのだ。 |
イスカンダル【4】
「この結び目を解いたものが国王に……?」 砂漠をこえたイスカンダルは奇妙な国にたどり着いた。複雑に結ばれたひもを解いたものが、王になれるという国だ。だがイスカンダルは、数百年間解かれなかったひもを、迷わず剣で両断した。独創的な発想と、それを実現する行動力が、新たな地を征服図に加えてゆく。 |