カラミティ【1】
「その任務、殿方が嫌うのならわたくしが請負いますわ」 敵勢力との大きな戦いを前にカラミティは自らそれを申し出た。男たちが、手柄を立てるために新しい銃を手に入れ、銃の技を磨くことに夢中になっている時期だった。 |
カラミティ【2】
「この岩は、伏撃に利用されそうですわ」 カラミティの請け負った任務は斥候だった。敵勢力のなわばり付近の地形がどうなっているか調べるのだ。実に、地味な任務である。だが、これを誰かが行わねば、この辺りの地理に疎い味方は、策にはめられ崩壊するだろう。 |
カラミティ【3】
「あらやだ、運がないとはこのことですわ」 斥候は地味だが、危険な任務だった。この日も、カラミティは敵のガンマンとバッタリ出会ってしまう。遭遇戦というやつだ。逃げ延びようとしたが、馬の足ももはや限界に来ているようだった。 |
カラミティ【4】
「勝利の女神? わたくしはそんな大それたこと、していませんわ」 銃の腕前もカラミティは男たちより上だった。遭遇した敵を単身仕留めたのだ。持ち帰った情報は戦いを勝利に導いた。戦勝の宴で男たちは、真っ先にカラミティのジョッキに酒を注ぎ、勝利の女神と褒めたたえた。 |