ノンノス【1】
「巨人か? いいだろう、そいつの賞金は幾らだ」 『巨人殺し』の名で恐れられる賞金稼ぎ、ノンノス。その二つ名の通り彼女は巨人を専門で狩る。今日も彼女は『仕事』をする。ノンノスは自慢の武器を担ぎ、悠々とした足取りで巨人を狩りに出発した。 |
ノンノス【2】
「巨人を殺すのは良い。人間などには殺されんと高を括っている奴を殺す瞬間など、最高だ」 失礼ながら、ただの人間である貴方が巨人を相手取るなど危険ではないか……問われた言葉を、ノンノスは一笑に付した。聞こえてくる大きな足音。普通の人間ならば逃げるだろうそれに、ノンノスは立ち向かう。 |
ノンノス【3】
「死ぬがいい。そして、私の手柄となれ」 戦いは一方的だった。『ただの人間』であるはずのノンノスが、何十倍も大きな巨人を圧倒的な実力で追い詰めている。にわかには信じがたい光景だった。けれどその場で最も驚いていたのは、他でもない巨人自身であった。 |
ノンノス【4】
「困ったな……この辺りにはもう、賞金首の巨人がいないじゃないか」 手に入った莫大な賞金を傍らに。酒場で一杯やりつつほろ酔い顔のノンノスは苦笑を浮かべた。見やるのは酒場の壁、張り出された手配書は全て赤い×印。さて、次の標的を探しに旅に出なくては。 |